過去制作した作品の写真を収めたホルダーを整理していると、
未投稿のものが出てきました。
当時、山歩きやイベントの投稿が立て込んでいて、
「後回し→お蔵入り」になっていた模様です^^;
これを発掘することにした。
両刃の剣、ダガーナイフ(正しくはダガー)と呼ばれるものは所有も所持も禁じられています↓
「ダガーは、そのシンメトリー性から美術要素が見出され、ナイフコレクターやカスタムナイフ製作者筋の中に、一定の愛好者層も存在する。
しかしながら対人殺傷用に有効であるという点には変わりは無い。
2008年6月8日に発生した秋葉原通り魔事件を契機として、事件で使用された殺傷性の高いダガーに対する規制を強化する動きが高まり、同年11月28日に刃渡り5.5cm以上の剣を所持禁止対象とする銃刀法改正案が国会で成立した」。(ウィキペディア引用)
それ以前は、刃渡り15cm以上の「剣」が所有及び所持禁止だった。
持ち歩くのは当然ダメで、家で保管していてもいけない。
しかし、この作品は百均で手に入れた柔らかい木の丸棒を材料にしているので、ファイルオープナー程度の代物です^^;
なので、銃刀法に抵触するおそれは無いです。
人が往来する所にある、串カツ屋の竹串の方が怖いと思います。
木の丸棒は百均ショップで簡単に入手できます。
私としてはちょっと古い作品で、技術的には発展途上のものです。
なので、工作ナイフや鑢が扱える人なら誰でも作れると思います。
直線の組み合わせによるシンプルな形で、難儀しそうな手順も無い。
多少のアイデアを組み入れているのがポイントでしょうか。
この後、2011年9月から始まった護身用ナイフ・シリーズへと駒を進めました。
1日目から順に制作過程を撮影したものが残っていました。
それを見ながら説明していきます。
サイズは直径30mm×長さ290mmで、ブレードの長さは155mm。
1日目
最初から工作ナイフで削っても良いが、
時間短縮の為、鋸で不要部分をカットする。
鋸だと表面を平らにできるので、後の作業が捗る。
角をクラフトナイフで削り、
ガードとなる部分に切れ込みを入れる。
グリップ部はブレードに合わせて扁平に、ガードに向かって細くしていく。
2日目
荒削りの段階でナイフらしくしていくが、
完成品を予想し、その内側へ削り込まないように注意する。
削り過ぎると修復ができません。
ガードの外周が原型をとどめています。
左右対称になるよう、気を配りながら削ります。
定規を用い、ブレードの中央にひし形のラインを描くのがポイント。
削り易くする為、中央に穴を開けます。
鋼鉄製だと難儀するポイント^^)
彫刻刀と鑢で形を整えます。
3日目
仕上げ削りに入る。
鑢とサンドペーパーで直線仕上げにする。
この厚みを、
ドンドン擦って薄くする。
4日目
細かい所は、
精密鑢とクラフトナイフで。
ブレードは先端に向けて尖らせ、
表面を滑らかにしていきます。
次に、装飾彫り。
丸でもよかったが、
ダイヤとハートにした。
5日目
グリップ性向上と、あとで出てくる理由で輪を3本入れる。
形はこれで完成。
6日目以降
塗装工程に入る。
グリップ部は漆塗りにしたので、乾くまで数日かかる。
ホームセンター等で販売しているカブレない漆を使った。
ブレードはシルバースプレーで金属のように。
マスキングがいい加減で、ハンドル部にも飛んでいます。
低価格品の場合、液体塗料の方がいいかも知れない。
千円程度で、金属に似た仕上がりになるスプレーがあります。
漆塗装を重ね、
装飾塗装も施して完成です。
この意味付けです。
ゴールド部分は真鍮に見たてています。
三つの輪は、2枚の板を貼り合わせたグリップ部に巻いて固定するものです。
赤いハートは、差し込んだブレードとグリップ部を一体化させるために打ち込んだ鋲の飾りです。
グラグラさせない為、2ヶ所の鋲打ちが必用ですが、簡素化しています。
作品の反省点は↓
その1
ブレードに空けた菱形を外形と相似形にした方が良い。
そうすると、デザイン的に落ち着きます。
その2
との粉を用い、表面の小さな穴を塞いで塗装すると仕上がりが良くなる。
これは、その後の作品に活かした。
このダガーが簡単に作れそうと感じる方は、↓
http://21846851.at.webry.info/theme/bfe2512df7.html
護身用ナイフ部門を覗いてみて下さい。
山歩きで時たま出合う猪に対応する為に作り始め、
痴漢に反撃、セクハラ上司対応、強盗撃退、
熊に対する威嚇等とエスカレートさせていきました。
最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
みっちゃん
百均でこんなナイフを売っていたのも、ご自分で作られたのにも驚きました。
根気よく作られて形が芸術的ですね!
eko
パッと見、本物のように見えます。
それにしても根気のいる作業ですね。完成度の高い作品に驚きました。
トトパパ
これ、竹で作られたんですか!
凄い!
驚きです。
本物のように見えます。
これ、売れますよね。
もしかして売られてます。
ほしいです。
なおさん
僕はそう手先が器用でもなく、根気もないほうですので、見るだけにしておいた方が良さそうです。
アルクノ
百均で木の材料を購入して作りました。
芸術的なんて言われると恐縮しますが、簡単に作れるんですよ。
ちょっと、塗装に手間取りましたね。
この後の護身用ナイフではアイデアを作品に込めていきました。
アルクノ
本物の様に見えますか?
ブレードの塗装がイマイチです^^;
今見ると、改善点が見えてきます。
最近ブロ友が増えてきたので、未投稿の過去作品を紹介してみました。
これが、護身用ナイフシリーズへと展開していった切欠になりますね。
アルクノ
これは、木の丸棒から作りました。
最初にその材料を写しておくべきでしたね。
丸棒を鋸でカットして、後はナイフと鑢で形を作っています。
先端を丸くして、子供のおもちゃとして売れるかも
以前にも、他の作品で販売を進められたことがありますが、一個作ったら終わりなんです。
業者がこれを見て、大量生産してくれてもOK牧場です
アルクノ
作る方には進めないですか?
私の場合、子供の頃の影響もありました。
親父が大工をしていて、いろんな道具が周りにあり、それを触ったりしていました。
小学生時代の工作では教師に褒められたりもしました。
退職後、それが復活した感じですね。
見るだけでしたら、最後に貼りつけている護身用ナイフの方が面白いかも^^)
アイデアを搾りだして作品に投入しています。
藍上雄
すーちん
まるで金属の様ですね
お見事!
アルクノ
時間をかけて打ち込む気構えが無いとなかなかできないので、第一歩を踏みだすのに「好き」である事はとても重要な事だと思います。
私の場合、簡単に出来てしまう物にはあまり興味が無く、この様に日数をかけて作り上げる事に意味があると思っています。
「ペーストの様な物を塗って、スプーンの裏で強くこすると、本当の金属のような光沢が出るものがある」
これはテレビで見た事があります。
ペースト状の金属顔料でしょうか。
中島金属箔粉工業株式会社の物が有名で、
「アルミニウムを粉砕・研磨加工し、有機溶剤等でペースト状にした 金属顔料」とあります。
アサヒペンがスプレー式にしたものを販売しています。
これを購入し、護身用ナイフの塗装で使いました。
その事は「護身用ナイフ」のジャンルで出てきます
アルクノ
この後、護身用ナイフシリーズでアイデアを発展させていきました。
お褒め頂き恐縮します。
今後の励みにしたいと思います
トンキチ
タイトルに木工細工とありながら、冒頭の写真を見て当然金属製とばかり思い込んでいました。
読み進むうちに誤解が解けましたが。
見た目、それほど精巧に出来ていて、まさか木工だったとは驚きました。
材料は、百均で入手した丸棒なんですか。
製作過程も丁寧に写真撮影されていて、誰にでもわかりやすい説明が加えられ、日を追うごとに完成に近づいていく様子が面白いです。
6日目以降の塗装工程もぞくぞくしてきます。
このシルバースプレーにてっきり騙されました。
金属に似た仕上がりで、さらに装飾塗装まで。
材料費は安いでしょうが、日数がかかっており、製作費は相当なものでしょう。
ナイフマニアならそれに見合う金額を払いそうなダガーナイフになりましたね。
軽くて持ち運びがしやすいでしょうし、強度があれば殺傷能力も高い気がしますので、イノシシに対抗できるかも。
よくお蔵から引っ張り出されましたね。
お見事です!
アルクノ
寒いので、家に閉じこもってすることが無く、PCの中の写真フォルダーを開いたり閉じたりしていたら、「あれっ」て、思った訳です。
仕上がった作品を投稿すると、その日付を付けるのに、それが無かったのです。
冒頭の写真で、金属製と勘違いしましたか。
作戦成功です^^)
「護身用ナイフの塗装(2011.10.24)」ではクロムメッキ調に仕上がるスプレーを使っているので、これより更に金属性に見えると思いますよ。
写真に1日目、2日目と書かれていたので説明が捗りました。
道具が扱えることが必須ですが、手順通りにやれば誰でも作れると思います。
木工作品への塗装ですが、以前はしていませんでした。
色とか輝きによる先入観は私を含め皆さん持っているので、いざやってみると面白いです。
写真では重さが分かりませんが、触ると木製です。
制作時間を金額にすると相当なものになりますね
暇な時間を当てているのと、楽しみながらやっているので、それは度外視しています
それに「これが欲しい」と言われるような代物じゃないです。
これを見て、もっといいものを作って欲しいです。
百均で入手できる材料は強度が無く、
実用には?です。
加工しやすくする為、その様な物を販売しているのでしょうか。
緻密さが無く、とても軽い木材です。
2011年からの護身用ナイフの最初の方では硬い庭木のシラカシを使い、実用性があるものを考えました。
トンキチさんも、山などいろんな場所へ出かけているので、護身用ナイフの制作どうでしょうか
はるる
驚きました。
写真では本物に見えます。
でもずいぶん大変でしたでしょう。
すばらしいです。
凡稔
アルクノ
簡単に作れますと言ってしまうと、できない方も居られるでしょうし、表現が難しいところです。
子供の頃から、削ったり、穴を空けたりしていたので、はた目ほど大変では無いんです。
上手と言えるかどうか分りませんが、好きこそものの・・何とかデス。
ありがとうございます。
身近なものでまた何かお見せしたいと思います。
アルクノ
イヤイヤ、大したこと無いです。
凄い方が一杯居られるので、まだまだ駆け出しのお遊びですよ。
アイデアが欲しいと何時も思っています。
新作は何時になる事やら、
です。
yoppy702
タイトルに、「木工細工」となっているので、「木」だと思っていたのに、エッ???となりました。
画像をクリックして大きくしたのですが、やっぱり、金属に見えてしまいます。(^^ゞ
製作行程にクラフトナイフがありますよね。
その画像をクリックして、先程の画像もクリックして、二つ並べて見比べたんですが…
やっぱり、この木工製品が本物に見えてしまいました。(^^ゞ
製作過程を見ると、どう見ても、木工なんですけどね。
塗装だけでは、こんな迫力は、とても出ないと思います。
塗装前が緻密に作られてるから、塗装により、命が吹き込まれたんでしょうね。
タイトルと製作過程がなかったら、警察にチェックされそうです。(^^)
塗装前の削りから仕上げ迄に5日間。
これもスゴイです。
そして、塗装に入ってグリップ部だけでも、乾燥に数日。
かなり手間が掛かった作品ですが、これが、蔵の中で、出番を待っていた。
「出番は、いつなのぉ~」って、叫んでませんでしたか?(^^)
ひょっとしたら、このコが最強寒波を呼び寄せて、アルクノさんにアップさせようとしたのかもしれませんね。
お蔵入りにならなくて良かったです。
以前にアップされてるのも素晴らしいですが、これもスゴイですよ!(^^)
アルクノ
でもこれ百均で購入したシルバースプレーで、イマイチと思っていたんです。
そう見えるとしたら、効果ありですね。
緻密と言うより、真っ直ぐ、直線に削って擦っての繰り返しで、進めていきました。
形の効果で金属に見えるのかも知れません。
見本無しのぶっつけ本番なので、ある程度行程が進むと眺めて考えます。
ブランクの時間が結構あるので、これを見本に作るとしたら、もっと時間短縮が出来ると思います。
ブレードに菱形の穴を開けるのも、削りながらのアイデアで、当初は考えていませんでした。
三つの輪も、
実際にブレードとグリップをくっ付けるにはどうするのか?
と考えての考案です。
鋲打ちは簡略化せず2か所が良かったですね。
アクリル塗料であれば2日程度でOKなんですけど、漆は接着剤みたいにベタベタで乾燥に日数がかかります^^;
そうですね、蔵の中で待たせた時間の方がとてつもなく長かったです。
叫び声は聞こえませんでしたが^^、写真が入ったホルダーを空けたり閉じたりしたのは、このダガーが誘っていたのかも。
ダガ~ラ言ったじゃないの、とか^^。
寒波まで呼び寄せましたか。
気象庁に献上しないといけませんね。
お巡りさんがやってきたら、触って貰います^^)
まぁ、公表できたのでひと安心ですが、
もっといいのを作って、と囁いています
詩音連音
こんばんは。
>柔らかい木の丸棒
それを削ってこの形に仕上げるなんて、ほんとに手先が器用なんですねぇ~。
まるで本物みたいです。
>装飾彫り。
彫刻刀で削るのですかぁ~?
小、中で版画を彫った以来、触ってもいませんがこういう手作りって楽しいでしょうねぇ~。
時間があったらワタシも作ってみたいです。
アルクノ
木工は小学生の頃夢中になり、
退職して復活しました~♪
作るのに時間かかったけど、さほど難しい事では無いんです。
>柔らかい木の丸棒
と言っても、ゴボウよりは硬いので^^
写真の様な大きいクラフトナイフが必要です。
本物よりはかなり軽いです♪
>装飾彫り
小、中で版画を彫る時に使った彫刻刀で充分!
まだあるのでしたら触ってみて下さい^^)
楽しゅう~なりますよ~♪
是非、作ってみて下さい
とわ
木製だったんすね@@
形といい、デザインも芸術的ですね!
細かい作業で私にはとても作れません~。
まだ何本か作られた物があるんですか?
アルクノさん、器用ですね、凄いです!
アルクノ
ありがとうございます。
今となっては文中にある様に、改善すべき点がいくつかありますが、褒めて頂いたのでこれからの励みにしたいです。
自分で立案して、考えながら進めていくので、好きでないとできないかも知れませんね。
私も子供の頃の「工作が好き」から始まっています。
でも、形が出来てくると楽しいですよ。
同じものは作らないので、アイデアが出てこないと作業が始まらないのです。
ナイフ関係はこれで終りですが、
完成したもので、未投稿があと一つあります。
どのような物を作ってきたかは、テーマ「手作り」にある過去作品を御覧下さい
てくてく
皆さん仰る様に、形と云い色合いと云い、本物の刃物かと思いました。
相変わらず、なかなかの出来栄えで、すごい木工技術と塗装技術ですねぇ。
現代の名工・アマチュア部門があったら、候補になるかも・・・
てくてく
アルクノ
改善点があるので、それほどでもないんです。
PCファイルフォルダー点検中に見つけたので、このダガーさんの気持ちを汲んで投稿しました。
長い間、PCの中で無念だったろうと思います
これからも頑張りたいと思います
その候補に選ばれたら光栄です。
あこ
すばらしい出来栄えですね。
とても私には無理。
器用なアルクノさん、すごいです。
アルクノ
こういう事が好きだからだと思いますが、あまり根を詰めてやった感じは無いんです。
塗装に手間取りましたが、楽しみながらできちゃいました。
小・中学生時代、鉛筆をナイフで削って芯をピンピンに尖らせるのが大好きで、友達の鉛筆も削ったりしていました
それを褒められるので、調子に乗って続けていました