いたるところに奇岩怪岩を露出させ、ガレ景観を見せる所から、大正時代に金勝アルプスと命名された。
金勝山(こんぜやま・566.0m)~竜王山(りゅうおうざん・604.7m)~鶏冠山(けいかんざん・490.9m)と連なる連峰の主峰が竜王山です。
前記事の「阿星山(あぼしさん)☆☆と長寿寺(2015.06.29・月)」で、
竜王山、鶴冠山は、奇岩が林立する特異な景観の山として紹介した。
花崗岩山地なので、神戸の六甲や摩耶に似た所があります。
私達は、ガイドブック「京都滋賀 日帰り山歩50選」(以下ガイド)をコピーし、
それを携帯して歩いています。
そのガイドにあるコース設定は↓
上桐生(かみきりゅう)~狛坂(こまさか)寺跡~天狗岩~竜王山~金勝寺(こんしょうじ)~コミュニティーセンター(公民館)金勝・草津行帝産バス
距離16km、歩行5時間15分とあります。
(ガイドに「こんぜじ」とあるのは間違いで「こんしょうじ」と読むらしい。)
しかし、当日小雨が降る天候となり、時間短縮と危険回避の為一部を変更した。
交通機関を含めた実際の詳細コースは↓
JR明石―神戸―草津8:52(新快速米原行)
草津駅東口・帝産バス9:00上桐生行=上桐生9:30 🚻(430円)~狛坂磨崖仏~国見岩~重ね岩~白石峰~竜王山~馬頭観音駐車場🚻~馬頭観音(12:00~昼食~12:30)~走井林道~十九林道~県道12号~コミュニティーセンター金勝・草津行帝産バス14:35=草津駅東口15:05(400円)~「王将」で打ち上げ~
JR草津16:21(新快速播州赤穂行)
白石峰から寄り道の天狗岩は往復1時間かかると、現地地図や道標にあった。
金勝寺へは林道の往復だが、参拝~金勝山を含めると1時間くらいか。
この両方をカットした。
道標もある普通の山歩きとなり、難易度は初級者にお勧めコースの☆☆。
金勝寺に季節運行のバスがあるが、7月にはそれが無い^^;
お車の方は馬頭観音駐車場から周辺散策すると楽に回れます。
アクセスは↓
http://www.city.ritto.shiga.jp/kanko/kanko/1324877145862.html
馬頭観音を過ぎると、延々と続くアスファルトの走井林道~十九林道で、
県道12号も長い。
馬頭観音から休憩も含め、バス停まで所要2時間です。
走井林道と交差するハイキングコースがあったが、ロープや岩があって下りは危険かも。
逆コースで、これを登るのも良いのではと思います。
現地地図には、上桐生~天狗岩~白石峰~竜王山~白石峰~狛坂磨崖仏~上桐生のコースがありました。
地元の方はこの周回コースがお気に入りのようで、擦れ違う人はこれを歩いていました。
Sugarさんが急用で不参加。
明石から遊子さんが来てくれたので、メンバーは何時もと同じ5名です。
前置きは以上で終了します。
終点、上桐生迄乗車したのは私達5名だけ。
草津駅から乗車したが、ここ上桐生バス停はかなり南に下った大津市上田上桐生町になる。
ちなみにゴールの金勝公民館は栗東市で、近くに金勝小学校と栗東トレーニングセンターがあります。
栗東トレーニングセンターは昭和44年(1969)、JRA日本中央競馬会で最初の トレーニングセンターとして栗東の地に誕生した。 現在、2000頭のサラブレッド、 100名以上の調教師、その他多くのスタッフが勝利を目指して頑張っているそうです。
帰路のバスはこの前を通って草津に向かった。
上桐生バス停前には大きな地図看板があり、左に駐車場とトイレがある。
用を済ませ、車止めの脇から入る(9:33)。
直ぐ右がキャンプ場で、土曜日とあって学生風の数名がテント張りの準備中。
左には洗い場とトイレもある。
行くと川底に道路が付けられていた(9:37)。
増水したら渡れない橋です。
この先に渡渉する所があるので、増水時は入山禁止?
上流側に見えるのがオランダ堰堤で、
直ぐその説明板がある。
簡単に言うと、切石布積みアーチ式の堰堤です。
この堰堤が「オランダ堰堤」とよばれるのは、明治時代に来日したオランダ人技術者ヨハネス・デ・レーケが堰堤築造の指導を行ったからです。
この堰堤は、築110年余の年月に耐え、現役で機能を果たしています。
田上や金勝の山々は、古く藤原京の造営用材としてここからヒノキ材を採取したとの記録が残っているほど、歴史が古い。
江戸時代には燃料用に松の根までが採取され、「田上の禿」として全国的に知られたはげ山地帯となりました。豪雨で大量の土砂が流れ出し、水害に苦しんだ地元の集落は移転せざるを得なかったほど。
明治になり、山腹工事と樹木の植栽が行われ、現在では緑の森林が回復しています。この堰堤もそれらの工事の一つとして、流れ出す土砂をせき止め、川床を安定させる目的で築造されたものです。
(近畿森林管理局・滋賀森林管理署HPより要略)
行くと突き当りが分岐で、右の水晶谷線・狛坂寺跡方面に向かう。
渓流を眺めながら進むと、
次の分岐はさかさ観音とある右だが、5人の目をもってしてもそのさかさ観音が見当たらない。
新名神のトンネルを潜る(9:52)。
その先、広い道だが、
岩ゴロゴロの景色になる。
徐々に高度を上げ、水晶谷線分岐を過ぎ、狛坂寺跡方面へ。
車は通れない道になる。
その先で渡渉。
次の分岐に表示が無いが左にテープがある。
凸凹や抉れた道の後、平坦になり、出合(10:22)。
ここに地図があり、コースを描いてみた。
クリックするとかなりデカくなります。
ここまで南谷林道を歩いて来たが、以後狛坂線に入る。
コールポイントはKS 5で、この近くで事故が発生した場合の連絡用です。
主要なポインとの距離と時間も書いてあり、便利な地図だと思います。
六甲山系にもこのような地図を設置して欲しい。
六甲は、もともと距離表示に一貫性が無く、そこからの修正が必要ですが。
直ぐ、ワイルドな道になり、
行進スピードが落ちる。
冒頭の写真のように周りが岩だらけ。
巨木を回り込んだ先で、苔むした石垣になる。
表示が無いが、その上が平らでした。
そこから2分でこんな所になる(10:43)。
Nさんが眺めているのが狛坂磨崖仏です。
クリックするとかなりデカくなります。
花崗岩でできたキャンバスに三尊仏が刻まれている。
この磨崖仏は1944年(昭和19)に国の史跡に指定された。
全国的にみても完全な姿を残す磨崖仏として最古のものと考えられている。
写実的で両肩を張った作風は新羅彫刻の影響を受けており、朝鮮半島から来た人々の手によるものと推察されるが、確たる証拠が無い。
高さ約6m、幅3.6mの壁面に、高さ3m、顔幅70cmの阿弥陀如来坐像を中尊として観音菩薩と勢至菩薩の両脇侍を刻み、その周囲に12体の仏像が半肉彫りされている。
脇侍は左右に大きく張った髪を結び、顔や腰を中尊側にひねって統一的な三尊像を構成している。
奈良時代の物と推定されるが、磨崖仏のすぐ下には816年(弘仁7)ごろ、金勝寺の奥の院として願安によって創建された狛坂寺の跡があることから、寺の全盛期である平安~鎌倉時代の作という説もある。
ここで、ぐるっと回ってきましたと仰る地元のハイカーさんに撮って頂きました。
参加者には後日、サングララスを外した写真をお渡しします。
この「一、二、山歩会」に参加すると前回の写真が手に入ると言うメリットがあります。しかし、メンバー募集はしていませんので、悪しからず。
ここからも同じようなワイルドな道が続くので、修験者のような気分になる。
岩は湿っているので、滑らないように気を付けないといけません。
石組も残っており、狛坂寺が栄えていたことが分かるし、山岳信仰の拠点でもあったのでしょう。
岩を縫うように設えた石段を登ると、
巨岩が眼前に現れる。
これを回り込んで上がると、国見岩の展望所(11:01)。
下界は雨が降っているようで、見通しが悪いです。
ここから小雨が続く空模様となり、傘を差して行くと、重ね岩(11:13)。
レンズに雨粒^^;
土中に埋まっていたが、降雨で周りの土砂が流され、
この様に露出したのか?
ここから下って石段登ると、白石峰(11:24)。
雨の為、ガイドに滑りやすい道とある耳岩や天狗岩は諦め、
小休止後竜王山に向かう。
行くと、直ぐ茶沸観音がある。
これも狛坂磨崖仏と同じ時代の古い物らしい。
30センチに満たない小さな観音様で、風化で表情がぼやけていた。
コンクリートの丸太による段々と滑り易い斜面を上ると、
三角点のような境界がある。
道標があり、竜王山・馬頭観音Pとある右に下る。
危なっかしい所を下って、
同じような段々を登ると、八大竜王祠。
竜王山の三角点はこの右上約10mの所にあるが(11:45)、
ガイドの記述とは逆で、眺めが悪い^^;
木に竜王山と括り付けられ、山火事予防のポスターが掲示されている。
先程と同じような危なっかしい段々を下って行くと、林道のような広い道に出る。
山火事注意の表示を過ぎると、
その下に広場のような駐車場です。
右方向に上がると馬頭観音堂(12:00)。
カメラを構えるだけでレンズに雨粒が当たる。
東屋は無く、軒下三寸借り受けましての昼食です。
しかし、馬頭観音様は閉じ込められて、見ることが出来ない。
食後、
仲間から水ようかん、煎餅、小豆アメ、小さなあんころ餅と一食分ほどを頂く。
30分の休憩後、駐車場に下って右、金勝林道を行くと、
左下、折れ曲がる様に、走井林道の起点です。
直進すると金勝寺だが、これもカット。
行くと、「走井林道から十九林道へ」の表示板がある。
ここの見所は見上げる奇岩です。
岩を削っての、
工事が大変だったろうと思います。
トマトさんが恐竜みたいと言っていたが、
アルクノがエイリアン岩と命名^^)
林道を横切るハイキング道があった。
こんなとこ下りたくないが、登りなら楽しめそうです。
この反対側へ下ると白糸の滝? とあとで気付くが、
分っていても行かなかったでしょう。
蛇のようにも見えるが、
お亀岩と命名^^)
林道が右に大きくカーブしている所で立ち止まる。
走井林道はここ迄で、この右は工事中の通行止め。
琵琶湖水源の森と書かれた看板が立っていた。
ここで、遊子さんからシャーベット。
グレープフルーツジュースを凍らせたものです。
一晩だと直ぐ解けるので、2日間冷凍庫に入れていたそうです。
行くと右にハイキングコースがあり、白糸の滝へ登って行けそう。
林道は行き止まりで、引き返す。
戻って、十九林道に入る。
これを下って、麓へ。
遊子さんのモバイルナビがあるので、近道で下る事ができました。
集落へ出ると、左に阿星山敬恩寺と書かれた石柱があった。
かなり離れているが、阿星山と繋がっていたわけです。
田圃にはオモダカが大きな葉を茂らせていた。
出た車道は県道12号で、左折し、県道133号と交差する手前まで行く。
すると右に学校のような建物が見えて来る。
行くとバスが私達を待っていた(14:31)。
14:35に発車し、30分で草津駅東口です。
商店街を散策すると、そのはずれに王将を見つけた^^)
乾杯して、
このあとの餃子を頂く。
磨崖仏に奇岩を眺められたことが収穫のハイキングでした。
天狗岩はもっと凄い事になっているそうで、機会があればリベンジしたいです。
長文を最後までご覧頂きありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
アルクノさんのレポートでよく分かりましたよ。
それにしてもアルクノさんの行動力・・凄いです。
アルクノ
車で来られるのでしたら、栗東側から、道の駅こんぜの里りっとう駐車場、金勝寺駐車場、馬頭観音堂前駐車場が利用できます。
本文にある、「アクセスは↓」の下をクリックすると詳細が分かります。
興味がおありなので、是非来て頂いて、天狗岩にも登って頂いて、そのレポート期待しています
凡稔さんと奥様にお勧めの山だと思いますし、楽々行けると思いますよ。
私は企画と連絡だけで、行動力は参加者に引っ張られて何とかなっている感じです
はるる
テレビでも登山などよく見ます。
奇岩、よくぴったりの名前をつけています。
ビールもおいしそうですね。
アルクノ
こんなに奇岩がボコボコ出てくる山や林道は、そんじょそこらにありません
一部で、ピッタシの名前付けるのが見事(自画自賛)と言われています
ビールを探し当てる能力も備えています
てくてく
あと、何座でしょう??
さかさ観音、見れませんでしたか。コースから少し入って、流れを渡った・・・と思うんですが???
結構、岩の多い登りですが、濡れて登り難かったんではないでしようか。
狛坂磨崖仏、立派ですね。ご利益が沢山頂けそうです。
茶沸観音さまも良いですね。
竜王山の石祠も立派です。
丁度、お昼の頃、馬頭観音堂があって良かったです。日頃の善行のお陰かも・・・^O^
天狗岩の方へ行かれなかったのが、チョット、残念ですね。
昔行った感じでは、現地地図の落ケ滝線~天狗岩~白石峰~竜王山~白石峰~狛坂磨崖仏が、チョットした岩登りがあって楽しいと思います。
是非、チャレンジされて、レポートお願いします。
小雨のなかの山歩き、お疲れ様でした。
てくてく
アルクノ
1日に二座制覇もあるので、京都・滋賀50山で残っているのは十座となりました。
素人集団が良くここまで辿り着いたと思っていますが、
難易度の高い山が残っています^^;
「さかさ観音、・・コースから少し入って、流れを渡った」所にあるのですか。
道標にはこの先100mとあったので、道沿いにあるものと思い、キョロキョロして歩きましたが、もっとじっくり眺めるべきでした。
岩道トレイルにはチョロチョロ水が流れていたので、慎重に行きましたが、転倒など無くてホッとしました。
砂地の場合は、カラカラよりはグリップ性が増すと言うメリットがありました。
行かれた、落ケ滝線~天狗岩〜白石峰~竜王山~磨崖仏はお勧めコースみたいですね。
北峰縦走線~鶏冠山~天狗岩〜白石峰~竜王山~金勝寺~道の駅(バス)も興味があるので、また挑戦するかも知れません。
今回のは、奇岩鑑賞コースのような気がします^^)
天気予報が曇りで実施しましたが、小雨岩山歩きの練習になりました。
今後に活かしたいと思います
yoppy702
ボクの場合は、一度歩かないと、どんな状態なのか把握できませんが、アルクノさんは、ガイドブック、その他の情報などから事前に把握され、その日の天候によって、コース設定を変えられています。
「時間短縮、危険回避の為」と書かれていますが、これは、なかなか出来無い事で、アルクノさんのリーダーとしての資質の高さを感じます。
ボクは、時々、ツアーに行きますが、天候などの状況で、ガイドさん達が安全な登山をされます。
「せっかく来たのだから予定ルートを歩いて欲しい」とか思うのですが、一つのパーティーでも、個人の技量はマチマチ。そして、自分の技量も把握出来ていない方も参加しています。まぁ、ボクも、それに近いですが。(^^ゞ
レベルの高い方なら、問題なく歩けるコースでも、そうでない方には、何が起こるか判りません。
「山は、危険はつきもの」ではなく、「山は、安全に楽しく歩く」というのは、最重要、最優先ポイントではないかと思います。
4日、5日とツアーに行ってましたが、下山時、お一人が転倒して、たんこぶを作りました。
登山経験も豊富な方で、裂傷もなかったので、スタッフさんが確認の上、そのまま下山しました。
岩と露出した根が多い下山道で、それが、雨濡れしていて、ガイドさん達も全員に再三の注意を促して、ゆっくりとしたペースでしたが、多分、集中力が途切れた瞬間の出来事かと思います。
そういうのを見ていると、アルクノさんが、いつも心掛けている「全員で、安全で楽しい登山」というのは素晴らしい!
実際に、その心掛けを伺った訳ではないので、ボクが、そう感じているだけかもしれませんが。(^^ゞ
長々と、変なコメで申し訳ありません。
お疲れ様の「餃子+ビール」、最高です。(^^)
アルクノ
このブログを始めた5年前、
最初の頃は、個人&グループを含め、計画通りに実施できなかったら失敗と考えていました。
しかし何ともならない事が次々・・↓
天候の急変、道の崩落や行き止まり、道標が無くて迷い道、バスの運行休止や終了、ヤマビルの棲息、マダニはもっと怖い^^;、雪が深くて道が分からないetc.
遭難と事故だけは避けたいという思いが強まり、事前調査で計画変更や現場の状況でルート変更やカットをしないとヤバイ事になると感じるようになりました。
個人の場合は家族の命運を、グループの場合は参加者の命に係わる事です。
ツアーであれば、更にレベルに差があるハイカーが参加している訳で、その事を感じると思います。
無事に下山出来たら、ビールを味わえたら、大成功でなくとも、とりあえず成功だ!
と思います。
遭難はしたくないので、
yoppyさんの「全員で、安全で楽しい登山」!
仰る通り、そうなんです^^)
これからも、安全で楽しい山歩きを心掛けたいと思っています
山ちゃん
相変わらず綿密に計画された山歩きですね。見習わないといけない事が多いです。
第二名神の・・に、昔の呼び名を思い出しいました。
竜王山は、干支の山で一昨年に登りましたが、奇岩、奇石が多くて低山なれど、侮れない山ですよね。
大変希少な花も咲くようで、今日も、3時間ほど岩場と滝の周辺を散策していました(@_@;)
アルクノ
イケイケドンドンの山歩きで色んなことがあったので、考えるようになりました
流石ですね、竜王山にも登った事があるのですか。
チョットした岩登りは最近多くなりました。
崩れた道も含めて^^)
水が流れていると怖いので、なるたけ敬遠するようにしています^^;