5月23日の水井山~梶山以来の京都・滋賀50山シリーズです。
阿星山(693.1m)は飯道山、大納言、竜王山、鶴冠山(けいかんざん)と連なる、金勝(こんぜ)アルプスに含まれ、奇岩が林立する特異な景観の山として親しまれる。
滋賀県湖南市(注)に位置し、飯道山や竜王山と同じく、かつては宗教文化の中心として栄え、山頂を中心に伽藍、僧坊が軒を並べる「阿星三千坊」と呼ばれていた。
と、ガイドブック「京都滋賀 日帰り山歩50選」(以下ガイド)に書かれている。
(注:2007年3月調査・発行のガイドに甲賀市石部町とあるのは間違いです。甲賀郡石部町は甲西町と合併して2004年10月1日に湖南市となり、石部町は消滅した。甲賀市は同日、甲賀郡の信楽町等5町が合併して誕生した。)
竜王山~鶴冠山はその様だが、阿星山は奇岩に覆われた霊峰と言うイメージが無い。
コースに伽藍も無かったが、山頂への階段には参道の面影を残していた。
林道の荒れた所を除けば家族向けの山でしょう。
しかし平日のせいか、私達以外にハイカーは居なかった。
交通機関の含めたそのコースです。
JR新快速長浜行=神戸=京都=草津9:18
草津線9:24・貴生川行=石部9:40
石部9:45・コミュニティーバス「めぐるくん」=長寿寺9:59(大人全線250円)
長寿寺バス停 🚻 10:05~林道~登山口11:03~展望の峰~阿星山11:46~展望の峰~展望台分岐12:02~展望台(12:04~昼食~12:30)~展望台分岐~登山口12:55~林道~長寿寺参拝・境内周遊 🚻(500円・13:45~)~長寿寺バス停14:51
長寿寺バス停14:59・コミュニティーバス「めぐるくん」=石部15:18
JR石部15:36=草津着15:46=草津15:51新快速・播州赤穂行
地図では長寿寺から南へジグザグの林道を登り、登山口からはほぼ直登で山頂に向かう。
ガイドにある帰路は、
山頂から展望の峰を下って左、北西の階段道を下り、展望広場に入る。
展望広場から林道に入り、三叉路からは東(右)に位置する登山口へ向かう林道を利用する様になっている。
私達はこの林道の迂回路を使わず、同じハイキングコースの往復とした。
ガイドにある距離は8.7kmで、所要2時間25分となっている。
長寿寺へ戻ってきたのは、スタートしてから3時間40分後。
長寿寺境内散策を含んだ私達の万歩計は1万7千歩で約10km。
荒れた林道を加味しても、難易度は普通のハイキングコースと同等の、
☆☆とした。
往復コースにした理由は以下の本文にあります。
石部駅前に止まっていた「めぐるくん」と書かれたバスに乗り込む。
9:45に発車後、年配の方の乗車と下車を繰り返し、
定刻に、湖南市石部地区の長寿寺バス停に到着。
畑でジャガイモを掘っていた方に話しかけ、情報を得ようとした。
昨年の台風をモロに受けた林道はグチャグチャで、行事があっても登らなくなった。と仰る。
この方アボシでは無くアセイと言っていた。
Bad Newsですが、お礼を述べ、気を付けて行ってきますと。
振り返って撮影。
写真にある🚻の向う側にバス停がある。
突き当りの右が長寿寺で、最初の写真がそれ。
登頂し、ここへ下山を目指す。
左へ向かいます(10:05)。
道路左に十王寺があり、行くと右のウズアジサイが見頃となっていた。
その先、括り付けられていたものが落ちたのか、
「阿星山ハイキングコース入り口まであと2.67km」
と書かれたボードが下に置かれていた。
登山口じゃなく、入り口とある点がユニークです。
長寿寺から3分後、直進方向は鎖止め。
左のバリケードに「この先通行止」とあるが、そちらに向かう。
右側の山が崩れた所を過ぎると、林道が崩落したポイントに出合う(10:21)。
様々な経験を踏んでいるので、この程度なら行けそうです。
赤いラインを行くが、
最後の難所も足をかけるポイントがあります。
それより、トマトさんが立っている場所が危ない!
今後豪雨があると、この辺りが斜面になるでしょう。
そうなると、谷へ下り、樹木を掴んで這い上がる事になるのかも知れない。
倒木は乗り越えられるが、
極端に狭くなったりしているのは怖い。
なるたけ山側を歩くようにしないといけません。
琵琶湖が見えた、
と言って、喜んでいる場合ではありません。
ガードレールが落ちている先では、倒木の集積場になっており、
林道は、僅かなアスファルトを残すだけの絶壁状態。
ややって、倒木のトンネル。
最後の低い樹木を潜る時は苦労した。
切断して欲しいが、機材の運搬に難儀するでしょうね。
以後は何事もなく、このような分岐になる。
ガイドの下山道はここへ降りて来るのかと思ったが、違った。
道標の行き先が判読できないが、左へ。
次の分岐は右で、道標がある(10:59)。
行くと、やっとこさの山道です(11:03)。
ガイドでは林道を歩いてここへ戻って来るようになっています。
山頂まで40分の表示がある。
土止めの丸太が続く急な階段コースで、エンヤコラと登る。
6分経過すると、あと25分の表示があり、これはいい加減。
いかにも尾根道と言う所を過ぎ、再度、階段上がるとベンチがある。
展望が利かない場所でした。
今度は休憩所だが、
これも樹木に囲まれていた。
低山では、途中にベンチや休憩所があっても、
展望を期待しない方がいいのか。
最近、天気予報が大きく外れる事が少ないが、
ベンチや休憩所で見晴らしが良い確率は、それよりも低い^^;
皮肉にもそこから3分で下界が見える所があり、
山頂まであと10分という場所に来た(11:31)。
右に行くと展望台があるらしい。
これを昼食場所に・・、展望が良い事を期待したい^^)
もう一踏ん張りの登り。
これを行くと、あと5分の表示(11:37)
そこに分岐があり、ガイドではこの道を下るようになっている。
最後の休憩所を無視して進むと、山頂の電波塔が見えて来る。
この右にも大きな電波塔があった。
山頂はちょっとした広場だが、電波塔が邪魔してそちらは見通せない。
向きを変えてもこの程度(11:45)。
山頂三角点が見つからず、探し回った。
山登りが好きなのか、
信楽生まれの狸君が、埋もれた二等三角点に乗っかっていた。
折角なので、
右足集合写真の仲間に入れました。
展望の峰を下る時に遠望できた、↓は
一体なんでしょう。
ズームすると宗教施設のようですが。
追記)
これについて、KURIさんからコメを頂き、調べました。
なんと、琵琶湖一周ウォーキング第8回の途中で撮影した「岡田茂吉総合研究所」と繋がっていました↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201211article_7.html
その記事中程の円盤のような建物がそれです。
写真は神慈秀明会の「ミノル・ヤマサキの礼拝堂ホール」で富士山をイメージしている。
左に先端部が写っているのは、「I・M・ペイのカリヨン塔」で象牙の撥の形だそうです。
神慈秀明会は世界救世教秀明教会の最大派閥だったものが、分派することで1970年に誕生した。
会長小山美秀子を中心とする彼らは、教祖岡田茂吉(1955年歿)に対する強い信仰を持った原理主義的グループで、中央集権化する教団運営に反発して独立した。
「大光明(みろくおおみかみ)」と、岡田茂吉を神人合一の存在として信仰している。
とありました。
下って、「展望台へ5分」の所を入ると、2分で展望台^^)
三景の家とある、ここの見晴らしが一番ましだった(12:05)。
右に、かろうじて近江富士も見える。
手前クッキリで、山がピンボケになってしまったが。
ここで昼食にします。
ガイドにある、迂回するような林道の下山道を使わなかった理由です。
芋畑で「林道はグチャグチャ」の言葉は、その迂回路にも当てはまります。
登山口から階段だらけの尾根道は、多少の崩落はあったがグチャグチャではなかった。
どちらが安全かは明白です。
細い尾根道はしっかり残っていたが、車が通れる山腹の道は、来るときに経験したように崩落している可能性大です。
六甲山系と同じ花崗岩の山という事も影響しています。
同じ道を下るので、ルート説明も省けます^^)
登山口に降りてきたのは12:55。
崩落現場に到着(13:28)。
逆の場合のラインです。
六子さんはNさんが差し出す木の棒を手助けに無事通過。
冒頭の長寿寺へ戻って来ました。
500円を収めて入ります(13:45)。
長寿寺は、湖南市石部地区にある天台宗の寺院で山号は阿星山。
本尊は木造地蔵菩薩(秘仏)。
同じ地区内にある常楽寺の「西寺(にしでら)」に対して、「東寺(ひがしでら)」と呼ばれ、善水寺を合わせると湖南三山となる。
1月中旬に祭事の鬼ばしりが行われる。
寺伝では、奈良時代に聖武天皇の勅願により、良弁が紫香楽宮の鬼門を封じるために創建し、聖武天皇の皇女誕生に七堂伽藍を建立し長寿寺と名づけたという。
平安時代には、阿星山五千坊と呼ばれるほどの天台仏教園を形成した。
鎌倉時代には源頼朝が、室町時代には足利将軍家が祈願所として諸堂を造改修したと云われる。
常楽寺同様三重塔があったが、織田信長によって安土城山中の摠見寺に移築される。
(ウィキペディア引用)
前置きにある三千坊が五千坊に膨張する辺りで信憑性に欠けるが、、
凄い事になっていたのでしょう。
比叡山は最盛期で三千を越える寺社で構成されていたそうです。
阿星山は、湖南三山を合わせるとそれに迫るものがあったのか。
入ると、信楽家の狸夫婦が昼下がりの団欒^^)
トマトさんが「メザシを焼いてる。」と言ってます。
Sugarさんから「焼いているのはアユです。」と訂正が入った。
私はサンマかと思った^^)
紅葉の写真も掲示されていたので、秋もお勧めです。
これは子宝パワースポットだそうで、
誰もお参りしなかった^^;
左へ行くと長寿寺の鎮守社に通ずる。
白山神社の拝殿(重文)です。
その奥にあるのは白山神社の本殿。
階段下ると国宝の長寿寺本堂ですが、
レンズにゴミが付着しているのか。
上がって重文の阿弥陀如来座像を拝見するが、撮影禁止。
上から、本堂。
ご利益でごみが取れた^^)
名前が分からない八重のガクアジサイと鐘楼堂。
綺麗な黄水仙です。
これを調べてみた↓
「水仙」という名は中国から伝わったもので、
「水に咲く仙人のように美しい花」という意味。
アルクノのような白い顎鬚では無く、妙齢の美女仙人も居たのか?
黄水仙の花言葉は「私のもとへ帰って」「愛に応えて」。
でも、
スイセンといえば「うぬぼれ」「自己愛」「エゴイズム」といった花言葉が有名。
英名のナルキッソス(Narcissus)は、
ギリシャ神話の1つに登場する美少年の名前です。
ナルキッソスは森の妖精(エーコー)に好かれるが、興味が無く無視する。
絶望した妖精はその美しい姿を失ってしまう。
残響のエコーはこれから来ています。
それを知った女神ネメシスは、
ナルキッソスに「自分しか愛せなくなる」呪いをかける。
喉が乾いたナルキッソスは池を覗き込む・・。
そこに写る己が姿に恋い焦がれ、元に戻れない重症のナルシストとなり、
水を飲むことも忘れ、(熱中症で?)死んでしまう。
彼が居た場所に咲いたのがスイセンで、花言葉は「自己愛」となった。
しかし、仙人以上に美しいのはアルストロメリア。
花言葉は「持続」「未来への憧れ」「エキゾチック」で、
この方が私達の好みに合う。
まだ時間があるので、何か飲み物が無いかと、
私一人で入り口の受け付けへ。
到着すると、間髪を入れず、
お茶が入った湯飲み五つと飴ちゃん五個が乗ったお盆を、
ハイどうぞと差し出してくれた!
これはどう言う事か?
受け付けに座っている女性は、
テレパシーを感じ取るエスパーなのか?^^)
多分、
望遠対応の監視カメラがあって、
私が近付いて来ることを察知し、
素早くお茶を入れたのでは、と推察した。
仲間が座る休憩所に、「お召し上がりください」と差し出す。
たまには、ビール無しのおしゃべりも良いものです^^)
畑の傍を通る時に見やると、雁首並べたジャガイモさんが日光浴をしていた。
玄関に向かって「無事に帰ってきました!」と叫んだが、
昼寝をしているようで、返事が無かった^^(14:50)。
14:59のコミュニティーバス「めぐるくん」に乗車して帰路に付く。
長文記事を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
この3月末に湖南三山に旅したとき長寿寺にも行ってきました。アルクノさんの写真を見ていたら、見たことあるところだなと気づきましたよ。子宝スポットにもお参りしました・・・(これからのための祈願ではなく40年前のお礼のため)。白州正子さんの「かくれ里」を読んでから、近江路が好きになりました。高速道路から見える竜王山の岩・岩・岩は魅力的で、車中泊して必ず行くつもりです。
yoppy702
プログテーマの「京都滋賀50山」が、(37)となっているという事は…
大雪と鹿で、2座を断念したけど、その内の1座は、ダブル踏破したので、現在のクリアー数は36座?
36座とすれば、72%クリアーで残り14座。
スタート時点では、50山という数字は大きいと思いましたが、ここまでくると、次の目標も決めなければいけない時期が近づきましたね。(^^)
皆さんの頑張りには、だだただ拍手です。
地元の方が、「アセイ」ですか…
…小林亜星?(^^ゞ
難易度は山×2ですが、この崩落箇所は、地元でも、「行事があっても登らなくなった。」という程のスゴサですね。
六甲でしたら、崩落状況にもよりますが、迂回路が作られ、その後、修復作業も結構早い時期に行われてますが、ここの崩落箇所は、全く「手付けズ」という感じですね。
ウズアジサイから4枚目の写真、庇になってますやん。
その内、これも落ちてしまいそうですね。
山×2でも、一部ワイルド登山ですね。(^^)
結局、登山口に至る林道が崩落していても、車道があるので、車ですと、登山口までは行けて、ガイドブックに書いてある「西寺コース」は、現在はOKなんでしょうね。
不明の建物…これは、かなりズームアップされているのですか?
子宝パワースポット…誰もお参りしなかった^^;
…お参りして、今から子宝に恵まれたら大変ですもんね。(^^)
今回の打上げは、珍しく(初めて?)お茶と飴。
何も言わずに人数分出てくるのはスゴイ所です。(^^)
お疲れ様でした。
アルクノ
この阿星山は林道の場合はあまりお勧めできない山になってしまいました。
本来の林道としての役目は終えたみたいですが、電波塔の保守管理はしなければならないでしょうね。
別ルートで道路1本は確保すると思います。
西寺(常楽寺)方面の林道が開通しているようで、そちらがメインになるのではと思います。
車が通行止めのこの林道は、立ち入り禁止になると思います。
長寿寺の所で懐かしく感じましたですか。
私はお茶のふるまいに驚きました^^)
トイレも綺麗で、細かいところまで掃除が行き届いたお寺ですね。
実は明日、その金勝アルプスの竜王山に登ります。
是非参考になさって、登って下さい。
私も近江路はいい所だと思います。
今後、飯道山も登場する予定ですので、お楽しみに。
アルクノ
地蔵山から愛宕山も同じ日に二座登っていて、他にもあるのかですが、
目次に書き込んでいる登山日を見ると、残りは12座になっていました。
残っているのは難易度の高い山が多く、ボチボチかも。
ほんと、皆さんが頑張ってくれたのでここまで来れました。
次のシリーズ物として何が良いか考え中です。
兵庫100山の中で行ける所か、和歌山・奈良方面でしょうかね。
アボシがアセイは何故?でしたが、小林亜星さんよりはスリムな方デシタ^^)
このワイルドな林道は廃道になるでしょうね。
ガイドにもある西寺方面の林道が開通しているでしょうから、そちらがメインになるような気がします。
その崩落具合がどうなのか分りませんが、電波塔の保守管理は大事ですからね。
NTTの資金で補修が進むと思います。
倒木だらけの先、アスファルトのヘリがくっついているだけの林道なんて初めての経験でした。
芋畑のアセイさんは行くのは無理じゃろう、とか言ってましたから。
不明の建物、多分デジタルズームまで使ったと思います。
仲間は宗教施設?とか言ってましたが、調べても分かりませんでした。
もし判明した場合は本文修正で対応します。
子宝パワースポットにお参りして、ギネスに挑戦!
とけしかけましたが、誰もノッテきません^^;
サッと出て来る、お茶5人前は驚きの対応でした。
受け付けの人、超能力者かも知れません^^)
このアルコールと焼き鳥で栄養付けて、明日竜王山に挑戦してきます
てくてく
樹木が育って、全体的に展望イマイチの様ですが、近江富士、良く見えてますね。
長寿寺、国宝だけあっていいですねぇ。
長寿寺や常楽寺、紅葉の頃がいい・・・と聞いてますが、紅葉たくさんありましたでしょうか。
遠征、お疲れ様でした。
てくてく
アルクノ
林道がこんなに崩れていて、
良く歩けたものだと思います。
今後の豪雨で、立ち入り禁止は確実な感じですね。
二度とチャレンジは無いので、ギリギリ、絶好のタイミングだったかもと思います。
後に続く人には、計画急いでください
デス^^)
長寿寺は秋がシーズンでしょうね。
今はこの様な花で、そんなに多くは無いです。
掲示している紅葉の写真は見事でした。
境内はそんなに広く無いので、撮影場所は限られると思いますけど。
湖南三山巡りなど、どうでしょうか
KURI
不明の建物は、お仲間様のお察しの通り、神慈秀明会本部の礼拝堂ホールかと思います。
アルクノ
芋畑で、林道はグチャグチャと言われて、途中で引き返すことも念頭に進みましたが、山頂まで行けたのは幸運だったのかもしれませんね。
今年も台風が来るでしょうから、場合によっては廃道になるかも、と思っています。
展望の峰を下る時に遠望した建造物は、「神慈秀明会本部の礼拝堂ホール」ですか。
そのキーワードで調べると、
「ミノル・ヤマサキの礼拝堂ホール」で、
左にちょこっと写っているのは、
I・M・ペイのカリヨン塔で象牙の撥の形とありました。
さらにに調べて、本文を修正したいと思います。
貴重なコメント、ありがとうございました