台風6号⇒温帯低気圧が本州南海上を駆け抜け、本州に大雨をもたらした。
この山の経験者Sugarさんが、これくらいの雨では影響が無い。
と、太鼓判を押してくれたので、実施することにしました。
京都府のJR宇治駅前から180系統の京阪バスに乗車し、
維中前(いちゅうまえ)で下車して、
鷲峰山(じゅうぶさん・682.0m)をピストンしてきました。
じゅぶざん、じゅうぶせんとも呼ばれる山です。
ガイドブック「京都滋賀 日帰り山歩50選」(以下ガイド)では山のマークが三つ並ぶ中級者向けとして紹介され、コースは維中前バス停~大道寺~金胎寺(こんたいじ)参道~東海自然歩道出合~鷲峰山金胎寺~コミュニティーバス「湯屋谷」となっている。
行場巡りが金胎寺の付録の様に付いていて所要2時間とある。
これを切り落とす。
更に湯屋谷からのコミュニティーバスが検索できません。
廃止と理解し、維中前往復とした。
同じ道を往復するのは面白くないので、ネットで調べました。
検索すると「JR もっと京都新発見」奈良線コースの2に、
意に沿う様な紹介があった↓
http://www.kyoto-kankou.or.jp/updir/motto/18.pdf
PDFファイルが出てくるが、それをプリントした。
往路は同じだが:、復路が違う。
ガイドにある東海自然歩道出合が観音山休憩所のある場所です。
そこから山頂往復の後、地福谷林道~白谷林道と下り、立川大道寺地区で往路と合流するようになっている。
改めてそのコースの紹介↓
JR宇治駅=京阪バス180系統=維中前(終点)~立川大道寺地区~信西(しんぜい)入道塚~登山口~旧登山道~観音山休憩所~金胎寺~鷲峰山山頂・宝篋印塔(ほうきょういんとう)~地福谷林道~白谷林道~立川大道寺地区~維中前=京阪バス=JR宇治駅
距離は13キロで、所要6時間とある。
神戸からの交通機関+打ち上げ所要時間を加えると帰宅が8時になる^^;
なので、2時間の行場巡りを加えるのは無理と判断した。
しかし実際は、9:26に維中前バス停をスタートし、バスが丁度発車する14:36に維中前バス停に帰ってきた。
食事・休憩を差し引くと、私達には4時間半のコースでした。
プリントした物をメンバーに渡して歩きました。
道に迷う箇所は何処にも無く、難所は一つとしてありません。
難易度は☆に格下げしてもOK牧場だが、
下りの急坂・地福谷林道+だらだら・白谷林道で我慢を強いられたので、
☆☆とした^^;
前置きは終わって、以下本編です。
何時もの5名がJR宇治駅で下車して地上に降り立つ(8:35)。
維中前行のバスは15時まで毎時0分と30分。
JRと京阪バスとの連絡が悪い。
少し離れた京阪宇治駅着の電車とは仲が良いのでしょう^^)
丸い時計台の下にあるトイレを拝借し、9時のバスに乗車。
430円を両金箱に投入し、終点の維中前で下車(9:26)。
道路には「鷲峰山・金胎寺(大道寺コース)」と表示するプレートが支柱に固定されている。
これで、今回のコースが一般的であり、
この先にも道標が設置されているのではと予想した。
実際そうなっており、直ぐの信号渡って、
→方向に向かうと、道標が案内してくれる。
行くと突き当りで、左折だが、
維中前バス停も同じ方向になっている^^)
これは支柱が錆びていて、手前を向いていたものが右からの強風で曲げられたものと推察した。
民家が建ち並ぶ所を過ぎると、右に田植が終わったばかりの田圃が広がる。
斜面にあるのは茶畑で、黒いシートが被さっているのはかぶせ茶でしょう。
かぶせ茶で調べてみた。
『20日ほど遮光する玉露や30日ほどの碾茶と違い、かぶせ茶の遮光期間は摘む前の一週間前後、多くは3日から10日ほどである。また、玉露や碾茶が大きな遮光幕を茶園全体にさしかける方式であるのに対し、かぶせ茶は茶の木そのものに直接遮光幕をかける。この遮光幕を直接木にかぶせる栽培方法が、「かぶせ茶」という名の由来である。概して、煎茶と玉露の中間の栽培方法を取るといってよい。直射日光をさえぎって栽培するため、渋みのもとであるカテキンは通常の煎茶より少なく、旨みの元であるテアニンは多くなる。また、茶葉の色も煎茶より鮮やかになり、また被覆することにより玉露のような覆い香も発生する。』(ウィキペディアより)
直進でOKだが、
直ぐ左に中山製鋼所と書かれた工場がある。十字路を2度ほど過ぎて、
左に、浄土宗正壽院が見えて来る(9:52)
道が細くなった先に分岐です(9:56)。
道標は左だが、右は復路で合流するポイントです。
角に立川橋ノ本と表示されていた。
1分で大道寺。
奈良時代からあるそうで、平清盛との繋がりも書かれている。
興味のある方はクリックしてご覧ください。
更に1分で、右に信西入道塚。
藤原信西は源氏の勢力を抑えるため、平氏と手を結んだ。
それにより平清盛は権勢を伸ばしたが、源氏側はこれに強く反発。
ついに源義朝は内裏を占領し、平治の乱を起こした。
平治元年(1159)12月4日、信西の武力的後援者であった清盛は、一族を引き連れ熊野詣でに出発した。この機を狙い、義朝率いる源氏の軍勢が、白河院の御所を包囲し、信西とその一族を殺害しようと企てる。
12月9日夜半に決行されたが、クーデターを察知した信西は、大和へ逃げると見せかけ田原へ向かい、大道寺に逃れた。
これ以上追手から逃れることは無理と判断し、この地で自害したとされる。
一説では、田原を越えて朝宮に逃れたところで捕まり殺害されたとも。
信西の首は領民が引き取り、塚を作って供養したと伝えられます。
大河ドラマで詳しく述べられたところです。
大正5年8月有志により供養塔が建てられ、宇治田原町指定文化財になっています。
直ぐ左に天神宮への登り階段が現れる。
更に3分で分岐(10:03)。
これを直進すると湯屋谷方面です。
コミュニティーバスは無いと言ったが、湯屋谷からの道がここに繋がっています。
右が鷲峰山の登山口。
両脇に石柱があり、
鷲峰山・金胎寺と彫られている。
緩やかで広い道を行くと、また分岐(10:08)。
右にも行けそうだが、プリントした地図にある左へ。
車避けのチェーンがあり、その先にこんな看板。
暫く行くと急坂です。
アルクノがローギヤにシフトダウン^^;
右に休憩所のような建物があり、過ぎるとこんな看板(10:31)。
本名・仮称・愛称をごっちゃにしているような、これは何でしょう。
マツタケ採取の境界か。
右に広場のような平らな場所を過ぎて9分、車止めの鎖です(10:59)。
入ると左に休憩所と🚻がある。
これが東海自然歩道との出合です。
その先の右に、郷ノ口・地福谷林道への分岐がある。
休憩時、Sugarさんからの草団子。
頂いて向かうと、ここにきてコンクリート舗装に驚く。
右が下山道となる分岐です。
前方に鉄塔が立つ道を進むと、
アスファルトの舗装路(林道)に出る。
その林道と別れ、左へ(11:29)。
これも東海自然舗道で、分岐に道標が立っていた。
登るとスリムな外人さんが自転車から降りて休憩していた。
脇に下乗と彫られた石がある。
全ての者はここで馬や籠から降りなさいと言う意味ですが、
金属製折りたたみ式の仔馬から降りた西洋人です。
宇治から登って、宇治に下るそうですが、その後生駒にも登ると言ってた。
自転車の後部両脇に2台のカメラが設置されており、3D画像を撮るのかと思いました。
彼が言うには、実際は1台のカメラだけ使っているそうです。
直ぐ山門です(11:37)。
金胎寺は左の急坂へ。
上がると金胎寺本堂(11:41)。
江戸時代の物とあるが、トタン屋根になっていて?です。
ただ屋根の下にあるこの彫り物は素晴らしい。
龍の親子です。
その左の多宝塔には趣があります(11:42)。
この脇から山道になり山頂へ向かう。
やっとこさの山道だが、3分で山頂(11:45)。
その右にある小さな地蔵を仲間が眺めている。
山頂にあるこの宝篋印塔(ほうきょういんとう)は国指定の重文です。
正安2年(1300)の銘がある宝篋印塔を調べてみた。
「宝篋印陀羅尼という呪文を収めた塔。のちに供養塔,墓碑塔として建てられた。中国,呉越王の銭弘俶が建立した八万四千塔を模して日本でも様式が定まり,呪文の有無にかかわらず,宝篋印塔と呼ぶ。」
この地は、空蜂の峰(くはちのみね)と呼ばれた鷲峰山の最高峰。
北斗星の拝所地として文献にもあるそうです。
そこの表示には琵琶湖が眺められるとあったが、伸びた樹木で展望は無い。
三角点を探したが、何処にも無い。
ガイドには宝篋印塔の事すら書いていない。
付録の行場巡りの事はあるのに、肝心の山頂に触れないガイドです^^;
ここで食事にします。
帰宅後調べると、2013年12月のとあるブログに一等三角点の写真とその説明板が写真で掲載されていた。
更に調べると、
宝篋印塔のある所に三角点は無く、500mも離れた別の場所にあるそうです。
「ここで大きな勘違いをしてしまった・・・
鷲峰山とは、金胎寺の宝篋院塔(重文)の立つ標高686.7mの山と、
一等三角点のある標高681.17mの山があった事で、
各々の地点からは直線距離で500m以上離れていた 」
と「やま大好きのやまちゃん」さんのブログにありました。
教えて頂いてありがとうございました

「鷲峰山最高峰に三角点が無い」と覚えておきましょう。
下ると、
多宝塔で3人のハイカーが山頂を探していたので教えてあげた。
その下の山門を潜ると、
社務所の右にトイレがあり、左へ行くと行場です。
300円を収める事になっているが、入り口までという事で向かうと、
本日一番眺めの良い場所に出る。
山門を出る時、カメラを持った人が一人入ってきた。
菊の彫り物を眺めて、
下ります。
郷ノ口・地福谷林道への分岐まで戻り(12:56)、
舗装された林道を下る。
地福谷はこんな谷です。
林道が無いとこの谷を下る訳ですから、有り難い事です。
下る途中で岩が露出している所があり、ボロボロ剥がれ落ちている。
これを調べてみた。
「この山は主に中・古生代に海洋プレート上に堆積した堆積物が海溝沈み込み帯によって剥ぎ取られた付加体とよばれる堆積岩類で構成されている。それらの地層は中・古生代のものであるため,堆積物は固結・岩石化されており,地殻変動によって褶曲や断層で変形しているものが多い。」
とありました。
谷にはこの様な堰堤がある。
建設費がコンクリートに比べて割安で、資材も山から得られ一石二鳥です。
川に沿ってこれが続いていた。
トマトさんがこれ何?と聞いてきたので、
マムシグサであることを教えた。
鎌首もたげ、こちらを威嚇しています^^)
分岐に来ました。
直進すると郷ノ口で、右折して白谷林道に入る(13:32)。
少し登ると左へ上がる道があるが、直進し、なだらかに下って行きます。
田圃に茶畑が見えてくると戻ってきた雰囲気になる。
茶畑の中を通り、
合流地点へ向かいます。
右に大道寺が見えてくると、小橋を渡って立川橋ノ本です。
前置きにある様に「バスが丁度発車する14:36に維中前バス停に帰ってきた」。
宇治に戻り、市内を散策(15:07)。
小洒落た喫茶店と、お茶の販売店しかない。
お茶はあるけど、オチャケが無い^^)
戻って、駅前通りの食事処「どんたく」に入る(15:16)。
乾杯です

ちゃんぽんの店ですが餃子5人前を頼んで、
頂きました。
歩数計は2万8千歩で、約15キロ。
これに2時間の行場巡りを加えると、かなりしんどいと思う。
今回迷うような所も無く、すんなり歩き終えました。
山歩きと言うより、坂を上って下る林道ウォーキングです。
旧登山道に砂利道のような所もあるがスニーカーでも大丈夫です。
アップダウンは殆ど無く、登った後、下るだけです。
山でシンプル イズ ベストとは言わないでしょうが、
このコースだと、簡単な山と言えるでしょう。
長文を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
山ちゃん
始めまして。
北山の記事は何度か拝見させて頂きました(@_@;)
今回は、拙いブログを引用して頂いて光栄です。
今後とも楽しい山歩きをされますように(^_-)-☆
アルクノ
以前から見て頂いていたんですね。
山頂の事を調べていたら、そのブログ記事がヒットしました。
何かの縁だと思います。
当方は楽しさを追求する山歩きになっています
またお邪魔すると思いますが、宜しくお願いします
凡稔
金胎寺の彫刻は見事な物ですね・・・屋根のトタンはちょっと・・。宇治ですから、やはり良質なお茶の産地ですね。静岡も負けられませんが。
相変わらず向学心旺盛なアルクノさんの分かりやすいレポートには感心しています。ちょっと「?」のことがあると直ぐ調べられて、見習わなくちゃあと思いました。
てくてく
湯屋谷コースだと、割に急な山道なんで・・・でも、☆☆位ですね。^O^
以前、湯屋谷コースを登りましたが、その時は、JR京田辺駅から歩いて数分の近鉄新田辺駅前から、緑苑坂・工業団地行のバスに乗り、工業団地前下車して行きましたた。登山口まで30分ぐらいだったと記憶しています。
湯屋谷コースだと、三角点はチョットの寄り道ですが、金胎寺からだと、往復になるんで、ヤ ですねぇ。^O^
山頂からの展望ダメでしたか。どんどん樹が大きくなるんで・・・残念でしたね。
以前、宝篋院塔前の小さな祠辺りに、天狗の握り石があったんですが・・・
これから、だんだん暑くなってきます。熱中症に気を付けられて、山歩きされますように。
てくてく
アルクノ
山の展望がイマイチだったので、歴史やお茶に力を入れてみました
分からない事を調べると大体答えが返ってくるので、便利な世の中になりました。
金胎寺の彫刻は誰の作か分かりませんが、作品そのものが良さを現していますね。
静岡のお茶も良く頂きますよ。
私はオチャケを控えないといけません
アルクノ
詳細コントで、痛み入ります。
湯屋谷コースをその方法で行けたんですね。
モット調べるべきでした。
Sugarさんが探索すると言っているので、後日詳細を聞いて又リベンジするかも知れません。
今回は歴史探索・森林浴コースにしました^^)
500mも離れている三角点には驚きますね。
三角点の無い貴船山と三角点のある貴船山を思い出します。
宝篋印塔のある場所に三角点への案内地図を掲示すべきでは?
と思いました^^)
ガイドブックは8~9年も前の事を書いているので、
展望に関しては信用していません^^;
登山者を呼ぶ為には樹木を切らないと、と思うんですけどね。
宝篋院塔前の小さな祠辺りに、天狗の握り石・・
確かに変わった石がありました^^;
撮影しとけば良かったです。
もう真夏日ですからね、
この時も梅雨明けのような天気でした。
水と塩をたっぷり持って行きたいと思います
yoppy702
今の時期、新緑が爽やかで気持ちイイし、お茶も、新茶の季節。
TVでやってましたけど、新茶葉って、天ぷらでも美味しいそうです。(^^ゞ
バス利用は、その便数によって大きく変わってきますが、今回の路線は、そこそこの便数があるようですね。
でも、問題がコミュニティーバス。
ガイドブックのマップに工業団地があり、そこまでは路線バスがあるので、コミュニティーバスがなくなったのかもしれませんね。
でも、そこは、見事なアレンジでクリアーされました。(^^)
信西入道、思い出しました。
平清盛で、阿部サダヲさんが演じてました。
穴の中に隠れ、捕らえられたのは、この地でしたか!
美味しそうな草団子を食べた後で、舗装道路の登場。
ここまで、車輌が入ってこれるんですか?
あっ、アルクノさん、ローにシフトダウンして急坂を下りたんでしたね。(^^)
山頂は三角点がなく、500m離れた場所ですか…
チェックしますと…ありました。
そこに、一等三角点に併設されている天測点も写ってました。
全国で48しかない珍しい物なんですね。
このガイドブックが、山×3なのは、「行場めぐり」があるからなんでしょうけど、この行場、チェックしましたら、かなり厳しいです。
てくてくさんが、お喜びになるような感じの岩場です。(^^)
ボクは、以前に、伊勢山上に行きましたが、そんな雰囲気です。
これを含んで、山×3は納得できないところです。
知らずに、初心者の方が、「スリル」という言葉で行かれたら、とても危険だと思いました。
今回は、ゆとりの打ち上げですね。(^^)
この季節特有の爽やか登山、お疲れ様でした。
アルクノ
ドラマ性が無かったので、清盛さんに助けて貰いました。
阿部サダヲさんの演技も思い出されますね。
新茶の季節になり、
往路で茶畑、復路で茶葉のコースです^^)
一番茶を機械でカットした切り口も見ました。
クンクン嗅いだり、茶葉を齧ったり^^)
てんぷら用にも欲しかった^^;
てくてくさまのコメにある様に、工業団地辺りのバスを調べれば良かったです。
コミュニティーバスが無い時点で、湯屋谷はカットに・・。
それが帰路の茶葉に繋がったのでOK牧場でした。
茶畑の道が狭いですが、白谷林道→地福谷林道で車が登れますね。
私は急坂の登りも下りも、自動的にローギヤに入るみたいです^^)
最高峰に三角点が無い場合、500m先を探しなさい。
なんてずっこけます。
でも、昨年5月の貴船山で経験済みでした。
「今回、貴船山が二座出てきます。
ガイドに載っていない三角点の無い貴船山(712m)と、
ガイドに説明されている三角点のある貴船山(699.8m)です。
歩いてみて感じたのは、地元の方に親しまれる貴船山と、
人気が無くて無視される貴船山(699.8m)でした。」
貴船山二等三角点を記述して、
この一等三角点をスルーするガイドブックです^^;
行場めぐりは2時間とあり除外したが、1時間程度なら行ったかもしれません。鎖場の写真を見て行く気はあったんですけど。
実はその入り口から行くと暫くして下りが続き、鎖場はかなり先みたいです。
近江富士の様にコース内にあれば良かったですけどね。
歩行4時間20分で、行場の2時間を引くと2時間20分です。
山×3もどれなのよ!と言いたくなります^^;
今回、楽勝の打ち上げでした^^)