竹でぐい呑みを作る その2(2015.04.23)

今年3月から竹細工を再開したが、その2作品です。

竹の杖を作る(2015.03.05)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201503article_1.html
これは制作レベルを☆とします。
節を削っただけの竹に、実用性を考えた工夫を加えた。

竹でぐい呑みを作る(2015.03.11)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201503article_2.html
レベル☆☆の作品です。
デザイン性を考え、表面を滑らかに削る方法を説明した。

今回はレベル☆☆☆で、花弁のような三次曲面に仕上げる。
画像
彫刻刀が扱えれば、誰でもできると思います。


それ以前の竹細工は、
右にあるテーマ「竹細工」をクリックするとその一覧が出てきます。
興味ある方はご覧ください。


以下本題です。

節を削る→表皮を剥ぐ
は上の記事で説明しているので省略。
今回、竹を窪んだ形に削ろうとしています。
画像
両側から何度も削り、段差が無いようにしていきます。
画像
鑢も使うが、
画像
最後は彫刻刀で滑らかにします。

次に、前回のぐい呑みを作った要領で、枝があった凹んだ部分を削り落とす。
画像
そのラインに沿って後ろまで削る。
画像

底のラインがウェーブを描いています。
画像
スリット部は、前作と同じように斜めにし、
風でそよぐ感じにした。

白くなった部分は深く削った所です。
画像
底から見ると、
画像
花弁が開いたようなイメージに。
テーブルに置いた時、接するのはこの花弁の三点なのでぐらつきません。

節から上部は、表皮を剥いだ時に出来た筋を少し残しています。
画像
節の面が斜めになっているからでしょうか、このラインもウェーブを描いている。
画像
面白いと思い、全て削り落とさず残した。
画像

持つとこんな感じ。
画像

別角度から、
画像
下の方が、窪んでいます。
画像

画像


使用時アルコールを注ぎ、飲み干すと、その後乾燥します。
これが膨張~収縮を繰り返すことになり、罅割れを起こします。
その防止には塗装した方が良いという事になります。
水性ニスを二度塗りして完成です。
画像

注いだアルコールに竹の香りが移るよう、器となる部分は塗装していません。

アルコールは焼酎がいいでしょうね。
その理由↓
蒸留酒である焼酎には香り成分だけが含まれ、
飲み干して乾かせば、元通りという事になります。
個人用であればサッと濯ぐだけでOK。
同じ蒸留酒でもウィスキーの場合は、回数を重ねて着色して行くと思います。
渋い感じになるかもですが。
日本酒やワインの場合、
含まれる糖分が内部へ浸透し、腐敗と異臭の原因を植え付ける事になります。
赤ワインの場合は赤紫色に染まるので、竹にはそぐわないでしょう。
あと、お勧めは無糖の酎ハイですが、容量が小さいので役不足です。

冷蔵庫の氷を二個ほど入れ、麦焼酎を注いで、チビチビ頂きます。


現在、レベル☆☆☆☆の人体に見えるものを制作中。
今回の作品と同時進行の制作ですが、
登場はもう少し先という事で、暫らくお待ちください

この記事へのコメント

  • 行き当たりばったり

    おはようございます。
    滑らかに仕上がりました。
    最終的にサンドペ-パ-あたりを使うのでしょうか?
    アルコ-ルでの分析が、みごとです
    2015年04月24日 06:11
  • アルクノ

    行き当たりばったりさん、おはようございます。
    滑らかにするためには3段階の行程を経ます。
    まず彫刻刀で形を作りますが、多少凸凹があってもOKです。
    次に、本文で「鑢も使うが・・」とある部分です。
    私は面鑢でカンナヤスリとも言われるものを使って凸凹を無くします。細かい所は棒鑢も使用します。
    最後は彫刻刀で仕上げます。
    彫刻刀をスライドさせ、綿毛のような削りかすを出していく事でツルツルになります。
    刃を立てないようにするのがポイントですが、前作の中盤辺りで出てきます。
    サンドペーパーで仕上げると、その砂粒の大きさで凸凹が出来てしまいます。それに砂粒が落ちるとただのペーパーになるので^^あまり使用しません。
    彫刻刀の刃先はミクロン単位で直線或いは曲線になっているので、これを利用して滑らかに仕上げます。
    是非、Challengeを

    アルコールの分析は、普段飲用している実績の賜物でしょうか
    2015年04月24日 07:41
  • てくてく

    どんどん、高度な杯になって行きますねぇ。
    まさに玉杯。

    今回のは、三点確保の杯ですね。流石、山のアルクノさま。岩登りは三点確保ですから・・・
                         てくてく
    2015年04月24日 20:26
  • アルクノ

    てくてく様、何時もありがとうございます。
    器の部分を今までより長くしたので、安定を第一に考えました。
    玉杯だなんてとんでもないですが、多少は気品が加わったでしょうか。
    そうですね3点確保が大事
    これで杯を傾けるたび、山を思い起こすようにします!
    2015年04月24日 21:54
  • yoppy702

    この形を見ると、艶めかしいフォルムを思い出してしまいます。
    ボクの脳裏にしっかりと焼きついているのかもしれません。(^^ゞ
    いつもの事ながら、これだけ詳しく、写真で説明されてますから、多少、彫刻刀で作業をされた経験のある方には、抜群のマニュアルになるでしょうね。
    個展と同時に、出版もされて、個展会場で本の販売なんてのも良いかもしれませんね。
    勿論、アルクノさんのサイン入りです。(^^)
    ボクは、彫刻刀って、小学校の図工の時間でしか触ったことが無いので、いつもスゴイなぁ…と見てるだけですが、でも、見てると、いつかやってみたいなぁ…とか思いますし、長居植物園で竹を剪定していたら、その竹、欲しいなぁ…とか思ってしまうのは、アルクノさんの一連の記事の影響でしょうね。

    このぐい呑に合うアルコールの選定理由がとても理論的で、ナルホドと感心しました。
    ウイスキーは色が付くし、糖分のあるお酒は腐敗と異臭の原因となる。
    そういう意味では、焼酎を飲んでると、健康にも良さそうですね。(^^)

    ☆×4作品、どんなんでしょう?
    なんか、ワクワクします。(^^)
    2015年04月25日 00:25
  • 凡稔

    始まりましたね、創作活動。指があたるところは、ちょっとお色気のある女性のスカートのようですよ。
    これで焼酎をいただけば美味しいこと間違いなしです!!
    2015年04月25日 09:21
  • アルクノ

    yoppyさん、何時も詳細コメントありがとうございます。
    艶めかしい、を少しだけ採用です^^)
    彫刻刀で作業している方であれば簡単ですし、その経験があればフムフムと言う感じで出来ると思います。
    出版は考えていませんが、
    無料でコピーできるのでどうぞ、どうぞ、と言う気持ちです。
    yoppyさんも是非、長居植物園で剪定した竹を持ち帰って、挑戦して欲しいです。

    彫刻刀の使い方について、
    「彫刻刀の扱い方」で検索すると色々出てきます。
    「丸刀、三角刀、平刀の使い方」ではgif動画で説明していました。
    「彫刻刀の使い方【自立教材共和国】」では版画での基本動作が分かると思います。
    お勧めは「木彫り広場」で、立体彫りを紹介しています。
    私もその域に達していませんが、お地蔵さんの彫り方には成程と思いました。
    「ジェイソンさん不動明王を彫る!」には感動です。
    外国の方が仏像を彫っているんですからね。
    大日如来もでてきますよ。
    私なんか初心者で、誰でも出来るという意味が分かると思います。
    アルクノはアイデアで勝負です。

    竹の器には焼酎がGood!と言う結論に達しました。
    健康にも良い! 確かにそうだと思います。
    健康に良い、と言って飲み過ぎないように^^)
    気を付けます^^;

    次回の☆×4作品、大したことないですが、
    男性向けにしました^^)
    2015年04月25日 20:44
  • アルクノ

    凡稔さん、なんとか続けていますが、
    直ぐネタ切れデス^^)
    自慢できる代物ではありませんが、スリットスカートかカーテンと言うイメージです。

    色々試してみたけど、焼酎が味も自然で、一番スッキリしますね。
    2015年04月25日 20:46
  • とわ

    滑々とスマートなぐい呑みが出来上がりましたね♪
    手に取った感触も自然で
    お酒がすすむクンになりそうです(笑
    2015年04月27日 23:42
  • アルクノ

    とわさん、おはようございます。
    ハイ、お酒がすすむクンになります
    お酒には良質のアテが必要で、おなかも膨らむクンになりそうです
    竹細工がすすむクンのなると良いんですけど・・。
    2015年04月28日 08:19

この記事へのトラックバック