京都滋賀50山シリーズは、2月15日の音羽山以来です。
雨天中止もあり、久し振りの山歩き。
峰床山はガイドブック「京都滋賀 日帰り山歩50選」(以下ガイド)に、山のマークが4個並ぶ難易度が高い山として紹介されている。
京都府では皆子山(971.5m)に次ぐ第二峰で、標高は970m。
高層湿原・八丁平を擁していることで名が知られるが、
トレイルはハードで探索能力が必要。
体力と気力も要求される山でした。
コースは
JR堅田駅=江若バス=「葛川学校前」~伊賀谷~八丁平~クラガリ谷~峰床山~俵坂峠~寺谷林道出合~峰定寺~「大悲山口(だいひざんぐち)」=京都バス=出町柳・夕食
としていた。
ガイドにある出町柳から京都バスの場合、7:45しかなく、
神戸からだと始発電車になる^^;
堅田駅からの江若バスの場合、50系統8:50―細川行―葛川(かつらがわ)中村9:32があるので、これにした(葛川学校前は葛川中村に名称変更)。
帰路↓
大悲山口から、京都バス32系統14:35には間に合いません。
最終バスの17:45になるので、出町柳(19:23)で夕食にしようと考えていた。
しかし、またしてもこの通りにはいかなかった。
以下、本編の始まり~。
メールで指定の新快速にメンバー5名が次々乗り込み、JR堅田駅に到着。
朝まで小雨予報だったが、薄日差す状態となり一安心(8:35)。
バス停にあった桜は、
青空をバックに、まだまだ見頃ですと言っていた。
8:50発の細川行に私達を加え、それとわかる登山者が20名程乗車。
車窓から名残桜を写し、
バスは高度を上げて行く。
登山客は、花折峠口、平、坂下と順次下車していった。
調べると、花折峠口や平は、権現山 → 小女郎池 → 蓬莱山 → 打見山の縦走に利用されるバス停みたいだ。
平からは、京都府最高峰の皆子山(971.5m)に行けると、ガイドに掲載されている。
坂下バス停も皆子山への登山に利用されているようです。
葛川中村(標高334m)に到着し、下車する(980円)。
大津市立葛川小学校のHPによると↓
「葛川は、大津市の北部にあり、安曇川上流の渓谷に位置している二級へき地校です。
同じ敷地内にある、葛川保育園や葛川中学校と密接に連携しながら教育活動に取り組んでいます。」
とある。
バス停から葛川小学校が見えます(9:33)。
この校舎の北に伊賀谷(江賀谷)があり、川沿いに林道を登ります。
行くと、江賀谷危険地区と書かれた立札があった。
山地災害が発生するので大雨の時は十分注意して下さい、とある。
ここから京都市左京区にある北山の山奥に向かいます。
林道を行くと、車止めがあるが人は通れる。
舗装路は緩やかに登る地道になるが、
谷から水が流れ落ちる所では舗装されていた。
ブルドーザーが置いてあったその先、
道路が崩れている(10:13)。
更にその先、林道終点から川を渡って八丁平へ向かう様になっているが、
Nさん、あらら~デス。
木橋がこの大岩の左にあるはずだが、流されたのでしょうか。
仕方なく、川縁へ降りてポイントを探す。
流れが速くて難しい状況です。
難易度の高い山という事もあり、豪雨や台風で、トレイルがどうなっているか心配でした。
予め調査していたが、
今年の登山ブログでは、この様な事態は記載されていなかった。
どうしようかと思案して時間を喰ったが、
堰堤まで戻り、靴を脱いで渡る事にした。
水が冷たく、足裏が痛い。
足を拭いて暫らく休憩。
少し登って行くと、滑落しそうな所があった。
そこを下って、渡渉する。
木を両手で持って飛ぶ所があったが、
ひょひょいで行ける所も。
渡渉を繰り返し、いよいよ登りか、
と思うが、そうではありません。
難儀しながら、
下って、
渡渉を繰り返す。
最後の渡渉を終えると(11:27)、
急坂になります。
ここで小休止。
行くと、かなりの急登が用意されていた。
見下ろすとこうなる。
トラバースして、
最後の急登。
視界が良くないが、雲の中に入ったようだ。
あともう少しという所で、
イワウチワが一輪咲いていた。
上がった峠は中村乗越で京都・滋賀の府県境になっている(12:16)。
ガスのせいで比良連山の武奈ヶ岳や蓬莱山どころか周囲も見えないが、ここで昼食にします。
風もあって寒い。
カップ麺を食べていると、靴にヤマビルです。
振り落して撮影した。
逃げもせず、尺取虫の様に近づいてくるので立ったままの食事になりました。
寒くても、湿っている所にはヤマビルがいるので要注意です。
食後、全員足元を点検しないといけません。
ヤマビルにやられると、痛くも痒くもないのに、
ズボンの裾が血だらけと言う事態になります(経験者は語る)。
数分下ると、八丁平の標識とベンチがあった。
ここから湿原が広がる。
これが冒頭にある写真で、京都市の市有地になっている。
標高が八百もあるこんな山奥に、5ヘクタールの湿原がある事に驚く。
しかしこんな山奥にも、林道が幾つもあり、
一時期、この湿原も消える運命にあったとか。
湿原の保護運動が盛んになり、
1992年11月京都市は林道を通す工事を中止すると発表した。
関連して、ハッチョウトンボの名の由来です↓
①名古屋付近の矢田鉄砲場八丁目に多数生息していたから。
②京都市左京区の北端の八丁平湿原で生息していたから。
とあり、この八丁平も一丁噛んでいる訳です^^)
峰床山は八丁平の向う側で、先ほどのベンチの道標には右へ2.0㎞、左へ1.7㎞とある。
距離の短い左へ向かう。
地図だと、
八丁平を過ぎた先、クラガリ谷を経て右(北側)に峰床山がある。
湿原に注ぐ水の流れがあり、
その奥に残雪がぼんやり。
行くと、道標に峰床山0.6㎞(花背8.4km)とあるので、近い。
湿原との標高差は160mなので、直ぐ登りになるはず。
ガイドにある木道も渡ります。
踏み跡もある。
この辺りから右に斜面ですが、道標が無い。
太い木にテープが巻かれていた。
確証が持て無いので、更に進むと林道になる。
林道脇の道標に、峰床山へは戻る様に書いてある。
先ほどのテープだと確信し、そこから登る事にした。
ところが、上がると周りがテープだらけ。
色んなコースで登っているのだろうと思い、
急斜面を上ると、霧に包まれた山上に峰床山の表示が無い(13:58)。
このピークからもう少し先にあるのかも知れないが方向感覚を無くしており、この先進むと遭難する危険もある。
急斜面を下ることにした。
他のブログを見ても「湿原から丘の様に見える山頂」とあるので、晴れていれば間違えずに登れるのでしょう。
下山は登る時に見た谷の残雪へ下ったが、違う場所です。
谷を伝って、
更に下ると先程の林道があった(14:57)。
ほっとして、林道を行くと「八丁平07km・峰床山1.4㎞」の道標があり、此処へ下って来るみたいだ。
その先の水溜りを見てメンバーが悲鳴を発する。
蛙の卵嚢(らんのう:卵が入っているゼリー状の紐)だが、
蛇が何匹も連なっている様に見える。
ヒキガエルの卵嚢だと最大20mになり、1万以上の卵が中に入っているとか。
林道を見送る分岐もあったが、疲れている事と、メンバーに足のトラブルもあり、このまま林道を下ることにします。
コース離脱になるが。
舗装路になった先でイワウチワが綺麗に咲いていた。
次の分岐は花背・大悲山とある方へ下る。
車は通れないようだが、
建物が見えてきてホッとする。
林業後継者交流センター「にのたに」と書いてある(15:45)。
そこに「大原10名山 峰床山登山口」と標識が立っており、
峰床山2.3kmと書かれた道標もあった。
ここに車を置いて往復した方が分かり易いのかも知れない。
林道を下ったおかげで、色んなポイントから登れることを知りました。
原っぱとログハウスが点々とある所を過ぎると、登りになる。
ヘロヘロになり、登って、下ると鯖街道の標識(16:42)。
左は京都方面だが、地元の方に聞くと道が崩れていて危険という事です。
ここは丁字路で、後ろ側へ向かうと百井~小出石へ2時間ほどで行けると・・。
花背や大悲山口は諦め、なんとかバス道へ行けないかと考える。
行くと、左への分岐にこの様な看板があった(17:22)。
時間も迫っており、修道院の方に車を手配できないかと・・。
道は行き止まりで、この先行けない事を農園の青年が言っていた。
そこで、足も限界なのでと、
トマトさんがバス道まで車の手配をお願いしてくれました。
車を用意する間、人懐っこいワンコが私達のお相手です。
人が来るのが珍しいのか、
警戒する様子も無く、私達の匂いを嗅ぎまわっています。
「お前、番犬は出来ないな^^」と伝えておきました。
ダンプカーに乗る私達を見送ってくれ、
看板がある分岐まで走って来た。
私達は荷台から手を振って、ワンコと別れました。
百井まで来たが、バスがありません。
青年も仕事があるので、彼がお母さんにお願いし、
バトンタッチして車に乗せてくれました。
百井と言えば天ヶ森(ナッチョ)に登った後、下山した所です。
ここからバス便がある小出石まで走ってくれ、農園から乗り継いで30分となった。
小出石はナッチョに登るスタート地点でした。
更に、バス便の多い太原まで送りましょうと言ってくれましたが、
私達は夕飯の支度を邪魔していることになる。
バス停の時刻表では40分ほどで来るので、下車します(18:00)。
最初受け取ってくれませんでしたが、
野口英世さん5枚にお礼の言葉を添え、お渡しして別れました。
親切な息子さんに、優しいお母さんです。
ありがとうございました





バスは太原を通って、国際会館前へ。
地下鉄に乗車し、京都駅で下車。
Sugarさんの案内でレストランへ。
乾杯

夜なのにランチを用意してくれるお店でした(20:21)。
満腹になり、終わりよければ全てよし!
万歩計では3万歩を超えました!
京都駅でSugarさん、Nさんと別れ、
神戸組3名は新快速で帰路に付く。
色々あったけど楽しかったとメンバーに言われ、
地元の方の親切にも触れ、
これを紹介しなければと思い、失敗登山だったが投稿することにした。
峰床山へ登る方には、あまり参考にならないかも知れませんね。
楽しさと人の親切心だけでも汲み取って頂ければと思います。
長文記事を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
てくてく
江賀谷、チョット荒れてる様ですが、渡渉が多くて、楽しかったんでは・・・^_^
クラガリ谷の、峰床山0.6㎞(花背8.4km)道標から先に行くと林道に出たんですか。ン~どのあたりに出ちゃったんでしょうね
ガスってると、見当がつかなくて困りますね。ともあれ、林道に出られて良かったです。
林道を、秘境と云われる尾越の「にのたに」や修道院の方に下られたんですか。林道が入組んでるのに、上手い事下られましたね。
また一つ、貴重な経験をされたので、今後の山歩きに役立ちますね。
長時間の山道と林道歩き、お疲れ様でした。
てくてく
アルクノ
久し振りのハード登山でしたので、疲れました。
私は舗装路が苦手で足の裏にマメです^^;
急登は、這いつくばってでも行けるんですけどね。
今回は地元の方の親切に甘えてしまいました。
コースでは、湿原が最大の収穫でした。
展望はだめでしたが、霧がかかって幻想的な湿原でした。
ほんと、自然の価値を知って、保護の為に皆が協力しないといけませんね。
とわ
もしかしら帰れなくなってしまうかも
しれないですもの!
無事に着いてこちらも安心致しました
アルクノさんはじめ、皆さん冒険家ですね。そして冷静沈着で団結が固い、素晴らしいです。
バス亭まで送ってくださった親子さん、いい人達ですね。途中のイワウチワの花にも元気を貰って
和・輪・わ~い\(~o~)/
辛い山登りもなんのその、
最後の〆はビールで乾杯で皆さんの笑顔が見えま~す!
蛙の卵巣・・・
これには驚きました、気持ちわるい~。
アルクノ
ハラハラのハードな渡渉が多すぎて、更に急登でちょっと疲れました
トエンティクロス位が丁度いいです
林道へは自然にと言うか、真っ直ぐ行くとそうなります。
新しくできたのでしょうか。
道標の数字からだと、ベンチから1.1㎞地点の先ですから、1.5㎞くらいでしょうか。
ガスってるとホント困ります。
全員ここは未経験ななので、道標とテープしか頼るものがありませんし・・。
林道の分岐はゴールに近いと思って大悲山方向へ下りました。確かに分岐が色々ありましたが、集落がある方へ導かれたような気がします。
林道から分かれる山道もありましたが、メンバーの事を想うとできませんでした。
車があれば、「にのたに」からが一番便利な事も分かりました。
ハイ、この経験を活かしたいと思います
アルクノ
ありがとうございます。
素人集団ですけど、団結力はありますね。
山歩きが楽しい~、
と思っているだけなんですけど
夜になると、民家に転がり込むしかないな~、と一瞬頭を過ぎりました。
無事に帰れたのは、親切で優しい親子様があればこそでした。
です。
次回行く事があればイワウチワにも感謝状を持って行きます。
わ~い、わ~いと言いながら
蛇のようなカエルの卵、クリックしちゃいましたか。
忘れるため飲んで寝た方がいいですよ
yoppy702
でも、なんとか、ご無事でホッとしました。(^^)
大岩の左の木橋、ガイドブックには、しっかりと写ってますね。
この時期、裸足で渡るのはツライなぁ…
それに、水が冷たくなくても、裸足で渡りたくないですもんね。
その後も急斜面をトラバースしたり、険しい渡渉があったり…
八丁平に着くまでに、厳しい登山ですね。
ガイドブックを読んでいても、ここまでの谷のイメージは想像できませんでした。
このガイドブックの伊吹山以外の山×4とか5は、要注意かもしれませんね。
その上、ガスって来て…
一人でしたら、メッチャ、不安ですよ。
おまけに、ヤマビルですか!
活動期が4月~11月、7℃前後~20℃前後といわれていますが、早くも活発なんですね。
5ヘクタールの湿原ですかぁ…
天気が良ければ、きっと素晴らしい景観でしょうね。
どんな所かチェックしましたら、「Kyoto Nature Hiking」というブログの、2014/05/18の記事に「八丁平・峰床山」というのがヒットしました。
この記事は、車で行き、二の谷からの往復になってました。
「フノ坂峠から下りた水たまりに、一杯のオタマジャクシ」の写真が載ってましたから、アルクノさんの記事に出てくる卵嚢から出てきた後のようですね。(^^)
今回は、メンバーさんの足のトラブルもあり、今迄で一番、ハラハラ、ドキドキしましたが、美味しそうな、レストランのランチで打ち上げが出来て良かったです。
本当にお疲れ様でした。(^^)
アルクノ
親切な青年が居なかったらどうなっていた事かと思います。
歩くと小出石の最終バスにも乗れず、大原まで行くとなると、夜中ですからね。
ほんと助かりました。
橋が流されていて、唖然としました。
この記事が最新情報なので、皆さん注意して欲しいです。
ガイドブックに書かれている8年前はもう少しましだったのかも知れません。
倒木が多いし、トラバースするポイントは崩れまくっていましたから。このコースが歩けるのは今のうちでしょうね。
現在では山×5かも^^;
裸足で行く所は、ビーチサンダルでOKですが、冬は無理ですね。前日雨だったのもマイナスポイントでした。
ヤマビルには驚きましたが、経験者なので直ぐ対処できました。
その後湿原なので、Nさんの様にスパッツ着用がベターですね。
晴れればその湿原の大きさが写真で伝えられるのにと思いました。
天気予報は昼から晴れだったんですけど、朝にずれたみたいです。
車で二ノ谷まで行っての、往復登山記事がありましたか。渡渉は無いでしょうからBestコースだと思います。
オタマジャクシだと悲鳴も無いでしょうから、5月がいいですね
最後のランチは大満足でした
終わりよければすべて良し、なんて言ってますが、この経験を活かして」頑張りたいです
行き当たりばったり
今回も楽しい?驚きのトレイルでした
しっかり下調べをしても、いろんなトラブルが待ち構えているのですね。でも、調べているからこそ、こういうふうに工夫して、危険を避ける事が出来たわけで。
お天気を変えるわけにはいきませんが、こんな日のトレイルも、悪くはない、ですね。
寒くはなかったですか?
親切を頂いて、打ち上げも出来て、良かったです
アルクノ
山歩きを楽しんだあとは、安全に下山する事が大事だと思っています。
梶山では雪に阻まれて引き返しましたが、今回はガスがバリケードとなりました。
100%成功した登山より、コース間違えた、しくじった、と言う登山の方が印象に残っています。
今回良かったのは、霧に包まれて幻想的な八丁平を歩けた事でしたね。
大きな親切を頂いたので、これを少しづつでも山歩きされる方にお分けしたいと思っています。
私達は打ち上げをする為に歩いているようなものでして、美味しいビールとランチが良かったです
まめたろう
お疲れ様です。
お天気の中の登山なのかなぁって思いましたが
無事のお戻りで良かったです。
危ない時は進まないのは鉄則なんですね。
私は惜しい気がして諦めるときは寂しくなります。
特に、いろいろ難しい渡河等があると特にです。
でも、地元の方の優しさは嬉しいですね。
無事にバス停まで出られて良かったですね(^-^)
おかえりなさい
アルクノ
ガスが消えればと思ったんですけど、ダメでした。
山頂と思って登った所はダミーで^^;
そこから下る時も、来た道と思ったのが全く別の場所で混乱しました。
この様に視界が悪くなるのをホワイトアウトと言って、遭難が発生するパターンになります。
無時に下るのが何より大事ですね。
バス道に連れて行ってもらって、ホッとしました。
今回は優しさを頂いたので、登山者にお返ししなければと思っています