「竹の杖を作る(2015.03.05)」↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201503article_1.html
に引き続き竹細工です。
その記事にある竹の杖が作れる方や、簡単に作れそうだと思う方は、
此方にレベルアップができます。
難易度を☆で現すと、
杖は☆で、このぐい呑みは☆☆になります。
「竹の杖を作る」で示した技法がそのまま使われるが、それに加えて彫刻刀の扱い方を知っている必要があります。
余裕の時間を費やし、2日で完成しますので。
竹の性質や種類、そのうんちく等は上記URLをクリックすると出てくるので参考にして下さい。
始めに、
その記事のラストに追記した「油抜き」について。
長い杖だと出来ないが、
今回の様に小さな物だと家庭のガスコンロでできます。
実施に際して、独身の方は問題無しですが、
奥様が居る方は買い物に出かけた隙を狙って下さい^^)
3月9日午後
材料として用意したのはこの4本の短い竹。
前回で杖の材料を得た竹の、根元との中間辺りの部分です。
現場で枝を切り落とし、節を挟んで短く切断した。
1か月ほど前に持ち帰り、玄関先で乾かしていたものです。
これが乾式油抜きと言うもの。
竹が温まってくると水蒸気がシューと音を発しながら勢いよく噴き出て来る。
節の部分は念入りに。
油抜きと言うより水抜きで、水がポタポタ垂れて来る。
同時に、竹のいい匂いは僅かで、悪臭が充満するので、
換気扇を回さないといけません。
この枝を少し切り残した物は、
節の部分を炙ると先が燃えてしまった^^;
本当は炎から離して実施するそうだが、空焚き防止センサーに接触させないと、火が小さくなって、警告音が発せられる^^;
反対側も実施する。
10分程で終了したが、これは失敗作。
↓部分が赤くなっており、燃えた証拠が捉えられた^^;
多少焦げる程度なら大丈夫だが、こうなると高熱と煙が浸透し、内部が焦げてしまう。
延焼した、という事です。
流れ落ちた水とアクです。
証拠隠滅の為、綺麗に掃除します。
換気扇も臭気が抜けるまで回していたので、買い物から帰宅してきた山の神に気付かれることは無かった。
使うのはこれにします。
焦げた短い枝の向きを見れば分かるが、地面に立っていた時とは天地を逆にしている。
油抜きは、表面の緑色が消えるまで行うそうで、これでは不十分ですね。
しかし家庭の安全センサー付きガスコンロでは難しいと言う事になる。
杖を作った記事で書いている手順で、表皮を剥ぎ取る。
使う道具も同じです。
節を杖の時と同様に削ったあと、
長過ぎるので鋸でカットした。
1ヶ月ほど乾燥していた事、油抜きをした事で表皮が捲れることは無かった。
下側は、左キワ刀で表皮の薄皮を削り取る。
キワ刀は刃の向きがこれとは逆になっているので、刃先が深く入ってしまう。
左キワ刀の方がやりやすい。
杖の記事で書いている要領で、スリット部を丸曲げで削る。
新たに加わったのは、上から2本目の丸曲げ9mmで、これで小さな凹みを削る。
表皮を剥ぎ取った上の部分も滑らかに削り、角の面取りもしています。
1日目は午後4時頃から油抜きを始めたが、夕食後に終了。
3月10日
翌日、仕上げ削りを実施する。
微粉末が浮き出てくるように、薄く薄く削る。
すると、表面がツルツルになります。
しかし、これに時間がかかる。
サンドペーパーで滑らかにする方もおられようが、その場合、サンドペーパーに付着している砂粒の大きさの凸凹を作っている事になります。
彫刻刀の刃先はミクロン単位の凸凹も無い直線或いは曲線になっています。
なので、
彫刻刀を使ってミクロン単位の滑らかさを表面に与える事ができます。
彫刻作品でツルツルに光っているものがあるが、
仕上げ削りをしたものです。
樹脂が浮き出る光沢に驚かれると思います。
勿論、必用に応じてサンドペーパーや鑢を使用すればいい訳です。
スリット部は曲線にした。
風にそよぐカーテンをイメージしています。
歩くたびに揺れるスリットスカートを想像してもOK牧場^^)
黒点はガスの炎が焦がした痕跡で、親指の指定席。
ここに親指を置いて掴むと良いと思います。
上部は少し凸凹にしていて、ここを掴んでもいいです。
節の名残、二重の輪もグリップ性を考えて薄く残しました。
西日を浴びて「好きなお酒を注いでください」と言っているようです。
外形5センチで、高さは9センチです。
業者が作る画一的な量産品とは違った、
世界に一つしか無い「ぐい呑み」になりましたでしょうか。
予想される質問と回答
このぐい呑みは難易度を☆☆としているがが、これより難易度の高いものを作ってる?
過去のオリジナル作品から例を挙げてみます。
難易度☆☆☆
曲線に削った作品です。
竹細工・ぐい呑Type2(2013.02.20)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201302article_5.html
90度捻ったSexy lineにしています。
突然の余談↓
竹林を映すモニターは韓国製で、日本製ショップPCのXPがこの年末に不調となり、2014年から一体型デスクトップ8.1に更新しました。
NECの21.5型ワイド画面になり、昨年から快適に執筆しています。
竹製ビアジョッキ Type1改良型(2013.09.04)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201309article_1.html
丸く刳り抜き、滑らか仕上げにする事と、漆塗りの技術が必要になります。
ドナルドダックに少し似ています^^)
難易度☆☆☆☆
彫刻の要素が入ったもので、イメージを立体的に表現した。
セクシー バンブー ジョッキ(2013.07.30)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201307article_6.html
竹の肉厚を利用し、滑らかな女体にするのが難しかった。
断面が楕円の竹を利用したが、最大厚みが8ミリしか無く、
削り過ぎると穴が開くので、ぽっちゃりタイプにした^^;
その彼氏で、マッチョなバンブーカップ(2013.08.13)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201308article_2.html
大胸筋と腹筋の表現、更に腰のラインに工夫を加えた。
両作品はそのあと塗装したが、ラブラブになって結ばれた^^)
難易度☆☆☆☆☆は今の所ありません。
さらに上を目指して頑張ります。
竹細工はこれを含め現在24作品で、右上にあるテーマ「竹細工」をクリックするとこれ以外の作品が出てきます。
宣伝が終わった所で、この記事は終了します。
突然ですが、追記です。
凡稔さんのコメントを得て、急遽撮影^^)
25%焼酎を入れて、一口飲んでみました。
旨い!
側面に焼酎が一滴^^)
その、側面からも撮ってみた。
乾杯!
最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
ガスコンロで炙ると悪臭が出るのですか?何となく竹の甘い香りがしそうですが・・。台所でやりずらいようですから、携帯コンロで外でやっても良いかもしれませんね。
出来上がった「ぐい呑み」のスリット部分のカーブを作ることはちょっと難しそうですね。どうでしょう?
ぐい呑みを持つアルクノさんの指が写真にはいるといいと思いましたよ。
アルクノ
いいアイデアを頂いたので、速攻で焼酎を注いで撮影しました!
旨いです!
今後創作ペースが上がるかどうか、
私にも良く分かりません^^;
頑張ってみます
携帯コンロを外に出して、はアイデアですね。
山の神にもお叱りを受けなくて済みそうです。
取りあえずあと二本あるので、これで作ってみます
私もいい匂いがするものと思っていましたが、悪臭でした。
バーナーに接近し過ぎたのだと思います。
スリット部のカーブは、凡稔さんにとって簡単だと思いますよ。
ちょっとした力が必要で、綺麗なカーブが☆☆デス。
華の熟年
竹でぐい呑の製作手順を拝見しました。たいへん上手ですね。最初に呑んだ焼酎も格別の旨さだったと思います。
アルクノ
暖かいコメントをありがとうございます。
焼酎は日本酒と違って、香りで頂くものだと思っています。
竹がそのいい香りを添えてくれます。
竹の器で焼酎を試してみては如何でしょうか。
アルクノの竹細工シリーズは、世間であまり見かけないものばかりだと思います
ユーモアを織り込んでいるので、楽しんで頂ければと思います。
竹細工の工房等に通った事がない私でも出来るので、誰でも出来ると思いますよ。
行き当たりばったり
竹を30センチぐらいの長さで切って、その場でお酒をその筒の中に入れて、キャンプなどの火で温めるなんてのは日本酒に限れば美味しい味にはならないのでしょうかねぇ。エグミ見たいのが出るのでしょうか
アルクノ
竹の器は過去に色々作ってきましたが、これは入門編で、前回の杖が作れる人の為に考えてみました。
次回はもう少し難しいものを紹介したいと思います。
竹の筒に酒を入れて炙ると・・、
エグイ味でしょうね
私としては、冷で焼酎、或いはウィスキー水割りがお勧めです。
紹介したセクシータイプやマッチョタイプはビールなどの発泡性飲料などがいいと思います
yoppy702
さすがアルクノさん、読者の心理を読んでますね。(^^)
セクシー・バンブー・ジョッキー、やっぱり、難易度が高いですね。
この難易度の高さは、これを表現するに至る、アルクノさんの竹細工以外の経験も加わっているのではないでしょうか?(^^)
この「油抜き」という工程、かなり経験が必要な感じです。
説明は、ナルホド…となりますが、いざ、自分でやってみると、何度も失敗を重ねると思いますが、成功例を知っていないと、なかなかできない工程ですね。
こういう技法は、どこかで学ばれた?又は、見学された?
単に、本などの知識だとすると、かなり研究されたという事ですね。
ガスコンロ…確かに、今のは安全センサー付なので、問題ありですね。
山用の携帯コンロでお庭でやられてはいかがでしょう?
そうすれば、山の神の問題も含め解決するのでは?(^^ゞ
それにしても、毎度不思議なのが、最初の状態から考えられない綺麗な仕上がりになるという事です。
単なる竹が、アルクノさんの技法と魔法にかかり、実用性は勿論、飾っておくのにも優れた品物に仕上がっています。
☆×5の作品、楽しみに致します。(^^)
アルクノ
先ほど夕食を終えた所で、このぐい呑みに焼酎入れてチビチビ頂きながらコメ返書いてます
ブログも5年近くやってると、読者の心理が推察できるようになりました
竹細工は開始した約半年後にセクシーさんですから、仰るように木彫りの経験が活かされていると思います。
しかし、彫刻だともっとダイナミックな表現になりますが、僅か8ミリ以下を削るだけです。
アイデアが浮かんだ時点で、80%仕上がっています
「油抜き」の工程はネットで調べただけでした。
ぶっつけ本番でしたが、噴きだす水蒸気を見ていると、効果とストップの頃合いが分かります。
今回分かったのは、
枝をモット際まで切っておく必要があった、という事でした^^)
ガスコンロは鍋用がありました^^;
春以降に、窓を開け放って、実行します。
僻地なので、山の神は数時間買い物に出かけます。
なので大丈夫です
>技法と魔法にかかり、実用性は勿論、飾っておくのにも優れた品物に仕上がっています。
全然、そこまで到達していませんが、
有り難いお言葉です。
そうなれるよう、☆×5を目指して頑張ります
てくてく
熱燗によし、冷やによし、焼酎によし。
あとは、ワインですが、どうでしょう。ワインには、Sexy lineの方がいいかもしれませんね。
竹杯工芸品展が開催できそうですね。
てくてく
アルクノ
続けていきたいですが、アイデアが欲し~い!
と言う状態です^^;
しっかり味が付いている物より、蒸留酒関係がお勧めでしょうか。
内側は浸透し易いので、糖質が多いもので繰り返し使用すると、いずれ腐敗するかも知れません。
赤ワインだと着色が残るので、白のスパークリングワインを冷やして、がいいと思います。
Sexy lineの方は、濃い目のウィスキーでクラクラするのがお勧めです
「竹杯工芸品展」開催の時はまたお知らせします。
多分、このブログ上で展示する事に・・
とわ
ひゃ、竹でぐい飲み!
これで飲めたら最高ですけど、作るのは大変そうですね。杖の記事でも思ったことですが、こっそりひとりの時にパパっと作らないと(笑)
セクシージョッキ、面白いです~
アルクノ
コメントありがとうございます。
竹細工はちょっと力が要るんですよね。
パパが居ないときにパパッと作って、パパをビックリさせられたらいいんですけど・・。
セクシージョッキは私のお気に入りで、第2弾ができないかと考え中です
もっと面白いものを狙っています