雲取山☆☆☆☆(2014.12.10・水)

京都・滋賀50山はこの雲取山で半分の二十五座目となりました。

この50山に登るのは2か月振りになります。
小出石から「天ヶ森」☆☆☆(2014.10.04・土)↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201410article_1.html
このとき以来の京都の山で、久し振り~。
私達は京都新聞社発行のガイドブック「京都滋賀日帰り山歩50選」(以下ガイド)をコピーし、確認しながら歩いています。

この雲取山は、標高911.1mで京都市左京区の花背別所町と同右京区の京北芹生(せりょう)町の間に座する。
山名は標高が高い事を表現しているが、大げさです^^)
ガイドでは「これと言った景観の無いヤブ山」と評しているが、雪が少しあったので私達としては○でした。
ポイントは山頂からの急坂下りで、
滑らないように踏ん張ると滑ってしまう。
と言うとんでもない坂です^^;
段ボールをお尻に敷いて下るのが最良の策。
滑っても泥んこになるだけですが、これが難易度を「山×4」にしています。
私達には、更にオプショナル難易度^^が加わりました。

渓流沿いに登って行く所に橋は一切なく、雨天翌日は、だめよ、ダメダメ~。
注意点は、
道標が無い中でのルートファインディング。
滑りやすくて極端に細い道。
急坂登りでの転倒。
更に、この時期は雪で滑る事でしょうか。
道標が全く無いわけではないが、欲しい所に無かった^^:

毎度の事ですが、今回も計画通りにはいきませんでした。
でも、出会った人達に助けられ、なんとか歩き終える事ができたので感謝しています。
雪道に足跡はあったが、平日という事もあって見かけた登山者はゼロ人。
森林管理の方と下山途中でアマチュアカメラマンに出会っただけです。
でもこの出会いが無ければ、更に時間がかかっていました。

ガイドには距離9.3kmで歩行時間3時間35分とあります。
しかし、Long leg Sugarさんの携帯万歩計は29,200歩を示し、
17.8kmとなりました。
長くなった理由は、以下に出てきます。


以下当初予定していたコース。=は京都バス㉜系統。
出町柳10:00=花背高原前11:13~寺山峠~雲取峠~雲取山(昼食)~芹生~旧花背峠~峠下15:16=出町柳

問題は、出町柳10:00のバスしか利用できない事です。
花背高原前を11:13にスタートしたとして、峠下15:16のバスまで4時間3分。
その次のバスは3時間10分後の18:26になります。
ガイドにある歩行時間3時間35分は休憩を含みません。
昼食休憩を入れるとどうなる?
こんなコース設定をしたライターには、
「だめよ ダメダメ~」と言いたくなります。
なので、峠下から鞍馬まで約4キロ追加で歩く事を想定していた。

このガイドが発行された7年前はバスの便数が多かったのでしょうが、
赤字路線を縮小するのは仕方のない事です。

実際のコースとタイムは、
出町柳10:00=花背高原前11:23(10分遅れ)~迷い道でコース離脱(50分のロス)~寺山峠(12:53~昼食~13:05)~雲取峠13:43~雲取山14:00~芹生・寺小屋跡15:08~寺子屋橋15:15~府道361上黒田貴船線(途中軽食・休憩)~アソガ谷入り口16:18~滝谷峠への分岐16:24~(貴船)奥宮16:32~(鞍馬寺)奥院橋16:48~叡山電鉄・貴船口17:10

芹生・寺小屋跡からは、途中軽食休憩をとったが、舗装路を2時間歩いた。
寺子屋橋を渡って登りになるが、越えてひたすら下ると貴船口へ向かいます。

芹生から4㎞のアソガ谷入り口から旧花背峠~峠下~鞍馬へ行けるようになっているが、距離的に近い貴船口へ下りました。
途中の50分のロスを差し引いても峠下15:16のバスには到底間に合わないと思います。
それにアソガ谷入り口から峠下へ向かう時間で、貴船口迄下れます。
峠下からバスを利用する理由付けができません。
ガイドにある旧花背峠から天狗杉に行こうとすると、春~夏でも鞍馬は日没になるでしょうか。

しかし、このアソガ谷入り口から旧花背峠の部分をガイドと照らし合わせると進んだ道が違っています。
ガイドに書かれている文章が不明瞭で?^^;
Sugarさんが事前にネットで調べた所、殆どの人が貴船へ下っているという事です。
寺子屋橋を渡ると、道は貴船へ向かうようになっていて、それが自然の流れです。

私達にアドバイスをしてくれたのは、
迷い道で出会った森林管理の方と、アソガ谷入り口で出会ったアマチュアカメラマンさんでした。

長い前置きは以上で終了し、以下本編です。


参加は何時もの5名です。
六子さんが電車に乗り遅れるというトラブルがあったが、河原町からタクシーで駆けつけ出町柳10:00のバスに間に合いました。

花背高原前まで時間がかかるので、バス旅行の雰囲気です。
バスは鞍馬を過ぎて高度を上げていきます。
峠下を過ぎて、左を見ると下山道が確認できました。
次が百井別れで、天ヶ森から下ってここまで歩きました。
その次が花背峠で、旧道別れに向かってドンドン下るので不安になります。
下る分だけ山頂が高くなる訳ですから^^;
花背高原前へは平坦な道で、予定より10分の遅れの11:23に到着。
料金は740円だったか。

地図を見ると、等高線600の下側になる。
山頂との標高差は350程度かと思い、ほっとする。

左折して歩き出すと、右に旧花背小中学校がある。
その先、こんな看板があった。
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今迄こんな物は無かったので、難易度が高いのかと思う。
計画書は未提出で、連絡もしませんでした。
この写真を表示する方法を仲間に教え、
私が倒れた時は連絡するように頼んだ^^)

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渓流を眺めながら登ると、右に分岐が現れる。
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ここでガイドをしっかり見たのに、右に入ってしまう。
「山腹の巻き道」が大きく見えて、間違ってしまいました。

行くと道が崩落しているが「行かねばならぬ!」と、進みます。
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そして、よじ登る。
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振り返るとこうなる。
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ピンクのリボンもあるので安心して進みました。
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その先、道が細くなり乗り越えて行くと声が聞こえてきます。
山林保安員の方達でした。
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この道は行き止まりで、目指す山には行けない事を教えられる。
もし出会えなければ、行き止まりまで行って、山中ウロウロする事になったかも。
間違う人が多いみたいで、過去もあったそうです。
ならば、分岐に「この先行き止まり」の道標を

仕方なく崩落現場へ戻るが、行きはヨイヨイ、帰りは滑る^^;
何とか通過しました。

分岐へ戻ったのは50分後。
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行くと「2」と書かれた板が木に括り付けられていた。
ゴロゴロ道が、
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急坂に変わります。
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「4」を過ぎると、
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木の根道になる。
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わざわざ歩き難い所を登っているような気もする^^)

上がるとやっとこさの寺山峠(12:53~13:05)
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ここで昼食にするが、持ってきた食材の一部を残すように伝える。
後半に軽食休憩を取ります。
地図だと、全行程の2割も歩いていません^^;

食後、行くと荒れた道になる。
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一の谷出会いを過ぎると渓流を行ったり来たりして登ります。
やがて山小屋です(13:21)。
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「8」を過ぎると急坂になり、
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登り切ると雲取峠で、ここに「10」の表示がある(13:43)。
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どうやら私達はこの番号順に歩いているようです。
下にも山小屋があった。
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結構な雪道になり、
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これを上ると山頂かと思ったが、
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更に越えて、
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下った先にあった。
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ヘロヘロになって上がると(13:59)、
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雲取山山頂の展望はイマイチ^^;
取りあえず右足集合写真。
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見る物も無いので、
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小休止して下ります。
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いきなりロープです(14:04)。
最初は乾いているが、
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落葉の下が粘土質に変わっていきます。
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やがて、全員が転びます^^)
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立ち止まる事ができないくらいズルズルです。
この下、杭も抜けているので、頼りないロープに振られます。
アイゼンも考えたが、厚い落葉の下が粘土層なので持ってきた4つ爪ではダメでしょう。
それに途中での装着は無理。
山頂でしっかりしたアイゼンを括り付け、下ったほうがいいと思います。
番号は「13」の危険ポイントです^^;
「14」まで来るとsafety zoneで、
林道に上がります。
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これが三ノ谷出合(14:37)。
三ノ谷は平坦な林道です。
行くと、二ノ谷からの合流地点(14:49)。
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地図には五ノ谷まであるが、ずっと平坦な道が続く。

やがて、ガイドにも写真が載っている「芹生の寺小屋跡」に辿り着く(15:08)。
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小屋跡には勢龍天満宮と書かれています。
この後のガイドの文章が不明瞭で橋の名前も無い。
私達は道標を頼りに進むことにした。
もと庄屋さんの家でしょうか(15:14)、
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その1分後、寺子屋橋がある。
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府道361号線で上黒田貴船線。
立札に花背へ至るともあります。
橋を渡ると公衆電話があり、驚いた。

芹生に休憩する所が無かったので、この府道を登った適当な場所で休憩(15:27)。
残りの食材を頂く。同行者からお菓子も。

北山杉の生産地であることを如実に示している所があった。
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道標の無い林道は行き止まりと判断し、府道をそのまま進む。
その先は九十九折の下り道。
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地蔵堂を過ぎてもかなり下らければならない事を、
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知らされる。

芹生へ4㎞とある所に小さな滝があり、青年が写真を撮っていた(←)
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ここが「アソガ谷入り口」で、道標に旧花背峠へ2.3㎞と書いてある(16:18)。
旧花背峠から峠下は20分とガイドにあるので、鞍馬までは2時間くらいか。
しかし、この道を下ると貴船です。
カメラを持つ彼に聞くと、貴船は1キロチョイだと言う。
その下のバス停から2キロで貴船口。
鞍馬へ向かうなんてとんでもない、と言っています。
青天の霹靂です。
お礼を述べ、ガイドに書かれていることは無視して、貴船へ下る事にした。

6分下ると、奥貴船橋の先に滝谷峠への分岐(16:24)。
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これにも驚く!
「貴船山☆☆☆(2014.05.30)」↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201406article_1.html
で、ここから滝谷峠~貴船山へ向かいました。
頭の中で地図が繋がりました。
そして奥宮。
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貴船の料亭が並ぶところを下ります。
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(鞍馬寺)奥院橋を過ぎ、
その下のバス停は通過して、貴船口に到着(17:10)。
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京都・滋賀シリーズで初の日没になったが、なんとかライトを取り出さずにゴールできました。


今回のコース取りをすると、芹生から約8kmが舗装路になる。
花背高原前バス停往復にすると、山道Onlyで行けるが、帰りは14:58と18:08のバスしかない。
花背高原前から山頂へはガイドで1時間15分とあるが、
私達はロスタイムと食事時間を差し引いても1時間34分かかっている。
下りは早いことを考慮すると、何とかいけそうですが、
14:58に乗り遅れると3時間待ち^^;
歩いて帰るにはあまりに遠すぎます。


他の季節の良さは知らないが、
今回薄氷ならぬ薄雪を踏めたのはラッキーでした。
高度を上げていくと名産の杉が消え、「灌木帯から雑木へとガラリと林相を変え、原生林のような趣をたたえる個所も多い。」とガイドにあるが、その通りでした。
杉だけの森林浴ではないので、その辺りが魅力と言えば魅力でしょうか。



長文を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント

  • てくてく

    雲取山登頂、おめでとうございます。
    途中、色々と苦労されたご様子で・・・北山は、作業道の方が立派???で、ついそちらに行ってしまいますね。
    雪が来てましたか。北山もそろそろ、ワッパがいる様になるかも・・・

    帰り、芹生峠を越えて府道361号を下られた様で・・・
    芹生の寺子屋跡から、約200m下った所に橋が無かったでしょうか。渡ると丁字路で、旧花背峠は芹生谷(花背谷)に沿って、左へ行くはずなんですが・・・

    それから、寺子屋橋ですが、勢龍天満宮の鳥居をくぐって渡る橋が、寺子屋橋と思います。アルクノさまの鳥居の写真、拡大すると親柱に、寺子屋橋とあるのが確認できます。

    余談ですが、寺子屋については、京都新聞の「ふるさと昔語り」にお話が書かれています。「京都芹生 寺子屋」で検索すると、でてきます。ご参考までに・・・
    芹生、昔、行ってた頃は、セリショウと云ってました。読み方が変わったんですね。

    ともあれ、足許の明るい内に、無事、下山何よりでした。
    長距離、長時間、お疲れ様でした。
                         てくてく
    2014年12月13日 14:35
  • てくてく

    すみません。コメントの一部訂正です。
    芹生の読み方、「セリョウ」を「セリショウ」と書いてしまいました。セリョウと読替えて下さい。
                        てくてく
    2014年12月13日 14:47
  • アルクノ

    てくてくさま、詳細コメントをありがとうございます
    芹生の読み方「セリョウ」が正しいので訂正しました。ガイドブックのルビがとても小さく、虫眼鏡で確認です^^)

    最初間違ったところは、どうぞこちらへ~という感じだったので行ってしまいましたね。
    出会った方は、その場所から下る分岐があり里へ下るという事です。
    車で杉を運ぶ道と、作業者が行く道を分けているようです。

    これからアイゼン必携ですが、あまり多くなると引き返すことに^^)

    「芹生の寺小屋跡」の写真に寺小屋橋とありますね。
    史跡に行くための橋と考えて渡りませんでした
    この由来はガイドブックにも「菅原伝授手習鑑寺子屋の段」としてあらましが書いてあり、調べるつもりしたが、写真と文字数の関係で目一杯になり断念する事態に。
    提示の言葉で検索すると、この我が子を身代りに・・の話は創作で、戦時中忠義を重んじる話がもてはやされ、実際は無かったのに寺小屋跡も急遽建てられたようです。
    ガックリしました

    「その1分後、寺子屋橋がある。」は府道に向かう橋にそうあるので記載しました。人用では無く車用の寺子屋橋ですね。
    「芹生の寺子屋跡から、約200m下った所に橋」は気が付きませんでした。
    私達が渡った寺子屋橋は寺子屋跡から7分なので450m位でしょうか。花背へ至るとあるのですんなり行ってしまいました。

    これからも、こんな感じで頑張ります
    2014年12月13日 18:25
  • yoppy702

    なるほど、ガイドブックのコースより、距離は長くなるけど、帰路は叡山電鉄なので、絶対にこの方が便利です。
    さすが、アルクノさん達や。

    崩落している所に、大きなS字フック…(^^ゞ…がありますね。
    こんなん初めて見ました。
    保安員の方、よくぞ、ここに居てくれました。
    でも、間違う人が多いなら、何か標示して欲しいです。
    方向音痴的なボクでしたら、遭難してるかも。(^^ゞ

    「持ってきた食材の一部を残すように伝える。」って、緊迫した空気が流れてますね。
    この時間で、全行程の2割…
    顔は笑顔でも、内心はドキドキもんでしょうか?
    雪まで登場して…
    単独行でしたら、かなり心細くなりますね。
    でも、昼食休憩から、案外、短い時間で雲取山頂到着。
    おめでとうございます。(^^)
    ちょっとはホッとされたでしょうけど、下山がありますもんねぇ…
    その下山が、大変なルート。
    粘土質、ヤデスねぇ~
    雨が降ってなくてもヨクすべりますし、集中して踏ん張って下りていても、フッと集中力が切れたり、足が疲れてきたりすると、瞬間的にズルッとなりますもんね。

    なんとか下りてこられ、寺子屋跡~寺子屋橋。
    そして、アマチュアカメラマンさんとの出会い、これが大きいですね。
    ここにも、貴船への標示があれば安心できるのに…
    「6分下ると…」
    この後、メッチャ喜びませんでした?
    ボクなんて、初めての所を不安だらけで歩いて、知った道に出ると、小躍りしてしまいます。(^^ゞ

    貴船の料亭の灯りが温かそうですよ~
    吸い込まれそうになりませんでしたか?(^^)
    貴船口に17時10分。
    日没後でも、ライトはギリギリ不要ですね。

    いやぁ~ドキドキしながら読みましたが、やっとホッとしました。
    本当にお疲れ様でした。(^^)
    2014年12月14日 16:14
  • アルクノ

    yoppyさん、臨場感溢れるコメントありがとうございます。
    当初貴船まで下るとは予想もしていませんでした。
    カメラマンには、感謝しないといけません。

    崩落個所に大きなS字フックには、驚きました。
    左の谷から放流するホースが外れたんでしょうね。
    それで崩落したんだと思います。

    保安員の方は遊びで、とか言っていましたが、若い方への教育のような感じでした。
    もし居なかったら行き止まりまで行って、次回リベンジ!となっていたかも。
    寺山峠での食事の時、日没後のゴールが予想できました。
    鞍馬に下るにしても、何時になるかだけが心配でしたね。

    山頂の展望は予想通りでしたが、雪があったのでまずまずです。
    ガイドには「崖のような急斜面」とあるので岩場かと思いましたが、粘土で泥だらけになる事を書いて欲しかった^^)
    もし又行く場合は、山頂に「アイゼン装着!コース」と書いておきます^^)
    細いロープも結び目が少なく「両手でロープを持って後ろ向きにスライドしながら下る」が正解です。

    アソガ谷入り口から、この道下ると貴船と分かっていましたが、距離が分かりませんでした。
    カメラマンに感謝ですが、小さな滝にも感謝^^)
    下って滝谷峠への分岐があまりに近かったので、驚きました。ヤッター!という感じですね。

    料亭の灯りには癒されました。
    遅くなってもその下のバス停から帰ればいいんですけど、兎に角駅までと足が向いていました。

    今回も結果オーライとなりましたね。
    反省も積み重なっています
    2014年12月14日 19:51

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