会長はご自宅から庭のようにして、毎年2~3回は登っているそうです。
この山のかなりの部分を所有する地主さん(当会員の女性)も参加しました。
植物の勉強をしながら歩きます。
弥十郎ヶ岳について(ウィキペディアより引用・加筆)。
篠山市では御嶽・西ヶ嶽・小金ヶ嶽に次ぐ高山です。篠山の南東に位置し、北の多紀アルプス、南には三国ヶ岳、愛宕山とともに篠山盆地を形成する主要な山で、人名の付された山としては、兵庫県内では三田の甚五郎山とこの弥十郎ヶ岳がある。
山頂からは篠山の町をはじめ、御嶽(三嶽・793m)の左に西ヶ嶽(727m)、右に小金ヶ嶽(725m)など多紀アルプスの全容が望めるほか、西光寺山、白髪岳、松尾山、夏栗山、黒頭峰、大野山など篠山盆地を囲む山々が一望できる。山名の由来は、洞窟に弥十郎が住んでいたという説と、南方にある八上(やじょう)が訛ったのではという説がある。植林が盛んであったため登山道にはスギ・ヒノキ等の針葉樹が広がるが、建築資材等に利用される事は無い。どのコースも1~2時間で登れる。
登山コースについて。
北に位置する篠山市畑市(はたいち)から「薬師が原ルート」を登ります。
道標が整備されて登りやすくなっており、途中登山者に出会いました。
山頂が近づくと傾斜が急になり、ロープが2ヶ所ある。
超えると洞窟で、そこからは歩きやすい道が山頂まで続きます。
帰りは別コースで、スタート地点の畑市へ下ります。
麓の畑市から弥十郎ヶ岳を眺めると、火ともし山(621m)が遮る形になり、山頂が望めないという。
弥十郎ヶ岳の北側には、山名が無い別のピークがある。
ネットで調べると弥十郎ヶ岳北峰(690m)とありました。
来た道を下り、「薬師が原ルート」への分岐を過ぎてその北峰へ登ったが、
後は下りっぱなしでした。
火ともし山と対峙する山との間に横たわる谷、道なき道を一気に下ったのでしょうか。
下山道に道標が無かったが、谷筋は見通せるようになっていました。
地主さんもこんな所は歩かない、と仰っています。
ゴロゴロ石があったが、登って来た道を下るよりは安全かと思います。
以上のことから、今回は準健脚コースとなっています。
下山後、畑市の西光寺・国指定重要文化財の薬師如来座像を拝観しました。
会長の許可を得て撮影した写真が最後の方に出てきます。
北からが篠山には便利なコースですが、
交通の便を考えた登山コースは南側にあるようです。
バス停出合橋から農文塾へ向かい、そこから「たんば農文塾コース」で弥十郎ヶ岳。
下山は、「竹谷コース」を下って後上川か上川バス停がモデルコースとして、地元資料の山歩きガイドマップに載っています。
このマップには、北からのコースは「薬師が原ルート」だけでした。
以下本編。
植物博士さんの車にアルクノが乗り込み、集合場所の城東公民館西駐車場に向かいます。
途中コンビニに立ち寄り、集合場所には神戸から所要1時間半の9時に到着。
台数を減らす為、参加13名が4台の車に乗り込み、会長の自宅近くへ。
少し歩くと、「郷土記念物・西光寺跡のネズ」がある。
ネズはヒノキ科でムロの木とも呼ばれ、樹高は2~3mが一般的。
これは21mもあり、県下有数の巨木。
信仰の対象にもなっているそうです。
ネズの硬い針葉をネズミ避けに使ったとから、ネズミサシ(鼠刺し)。
それが縮まってネズとなった。
奥にはゴルフ場のようなグリーンがあり、そこに西光寺があったそうです。
獣除けのフェンスを通る。
中に入っても舗装路が続いているが、キャンプ場があったそうです。
水道設備は無く、池があります。
キャンプ場は失火で建物が焼失し、それから閉場されているとか。
簡単なイラスト地図があった。
兵庫森林浴上50選に入っています。
山頂から少し戻って北へ登ったので、左のコブ山がその北峰かも。
このイラストを眺めていると、簡単に行けそうです^^)
足元には篠山市林道畑市線とクイが打ってある。
直ぐの分岐は、なだらかな登りの左へ行きます。
堰堤があり、その先から山道に入る。
抉れている部分を見ると、もともとこの山は岩山であったことが分かります。
土の厚みが少ししかありませんね。
六甲も崩れやすい花崗岩でできているので植林が盛んに行なわれました。
ここはヒノキの植林が多いです。
南へ、太陽に向かって歩いています。
峠に向かった後、山は左方向になる。
桧は成長が遅いので木質が緻密。
香りが良く狂いが少ない事もあって、風呂桶やタンスに利用されますね。
誰か持って帰って使って下さい。
道がカーブする所には弥十郎ヶ岳や山頂→の表示があります。
更に樹木に巻いているキラキラテープが、私達を案内してくれました。
本日参加してくれた地主さんを含め、地元の方が最近巻きつけたそうです。
この上が吹越峠で、風が越えてくるという意味だそうです。
峠から左へ痩せ尾根が続くが、行くと休憩できる場所がある。
水は流れておらず、歩きやすい。
隣の山がチラチラ見えて、
日差しがある所も。
山腹道になり、丸太橋を渡る。
振り返って撮影。
傾斜がきつくなると、土が流され
ゴロゴロ道になってきます。
ここはロープを掴まないと、
重なる落葉で滑ります。
上がると、会長や他の参加者が眺める足元に迂回路の表示です。
右に行くのが迂回路で、私達は直進して岩場道です。
樹木ではっきりしないが、前方にあるのが大岩でしょうか。
この迂回路は雨水が流れている時、登り降りができないので付けたそうです。
距離が長くなり、急坂もあってしんどいとか。
ロープに振られる場合があるので、一人ずつ登りましょう。
その上に洞窟です。
人が住めるような状態では無く、床は凸凹で寝る事も出来ませんね。
しかも、人が掘った洞窟では無く、自然崩壊によって洞穴となったそうです。
そこにあった札には弥十郎と、何とか読めますが、
歴史的価値は無さそうです。
洞窟の住人になったつもりで、外を眺めてみた。
この景色だと、留まるのは2時間が限度。
その日のうちに家出する事になるでしょう。
最後尾のカメラマンさんが到着し、洞窟の前で三脚をセットして準備中・・、
登山者が登って来た。
姫路から来られたそうで、快くカメラマンになってくれました。
その後、休憩もせず登って行かれます。
このあと私達が出発するが、山頂到着前に下山してきた。
食事もせず、まあ、あわただしい。
姫路まで、気を付けて

洞窟から先は難所が無く、普通の山登りになる。
この辺り細い樹木が多いが、
一段上がると、大きな樹木が目立つようになった。
巨木になったウリハダカエデ。
次にコブシとよく似た花を咲かせるので、間違えられることが多いタムシバ。
白い樹皮で電信柱のように真っ直ぐ立っています。
次も樹皮は白いが、太いのはモクレン科のホウノキ。
材としては軟らかくて均質。
下駄(げた)の歯や 家具の引きだし、 版画用の板などに使 われます。
山に入って、卵型のデッカイ葉っぱがあれば朴の木の葉ですね。
この女性健脚6人衆が、
その隊列で山頂に突入します。
前置きの説明で多紀アルプスが望めると書いたが、三座をズームしてみた。
中央が御嶽で、昨年5月、植物博士さんの誘いで、登ったことを思い出します。
「御嶽のクリンソウ(2013.05.10)」↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201305article_2.html
その左は西ヶ嶽(727m)で、右に小金ヶ嶽(725m)となります。
会長のお話しだと左の松は残し、右の低木は切ろうかと言っています。
更に見晴らしが良くなるといいですね。
食事が終わり、
山頂表示の前で記念写真撮影。
下山は、畑市分岐まで下り、北峰へ登ります。
そこから一気に下るが、地図と道標が無く、ルートの説明ができません。
こんな感じ。
やがて朝来た道と合流して、
この先にフェンスです。
会長宅の庭で飲み物を頂き、しばらく休憩しました。
高枝切狭みで柿を切り、掴んで降ろす練習をするのは会員さん。
補佐役もいるので大丈夫です^^)
最後に薬王山 西光寺の仏像を拝観します。
会長自らが説明する録音テープが流れる中、座して拝聴しました。
全て木造で元は国宝であったが、審査を経て重文になったそうです。
中央、薬師如来座像は西光寺の本尊。
左は増長天立像で、右は持国天立像
左奥に広目天立像と右奥に多門天立像が立っていますが、ここでは後ろに隠れています。
広目天立像は篠山市指定有形文化財で、薬師如来座像はじめ他は国指定重要文化財です。
以下篠山市HPより引用。
『篠山領地志』によると、天平3年(731)、行基が開創して、自ら刻んだ薬師如来像を本尊とし、ほかに五仏を置いた。中世の動乱期に建物はすべて焼失したが、本尊は難を逃れた。そこで、僧坊を一宇建て奉安したとされる。
その後、元禄年間(1688~1704)洞光寺二十一世万国春輝和尚が復興したという。
もとの市場跡に、立派な西光寺仏像収蔵庫が建っている。当時の仏像は、廃四十九院か廃石高山高窟寺にあったともいう。ご本尊の木造薬師如来座像は、頭と胴は桂の一木作りで、膝と両腕は寄木となっており、円満な重厚さがある。脇侍の四天王もあり、5体とも平安期の貴重な作である。木造薬師如来座像、木造持国天立像、木造増長天立像、木造多聞天立像はそれぞれ国の重要文化財に指定され、木造広目天立像は町(現在は市)指定文化財である。
最後に薬師如来さまを両脇から撮影した写真です。
弥十郎ヶ岳の登りは森林浴が出来て、ロープや洞窟など変化があり、ダイナミックな山です。
山頂からの展望も良かったです。
ただ、下山はズルズルと広大なゲレンデ下りのようで、怖くて楽しいコースでした。
薬師如来さまは素朴ながら、たおやかでふくよかな感じがします。
地元の方に愛され、信仰を集めていることが良く分かりました。
案内して頂き、ありがとうございました

長文を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
行き当たりばったり
会長さん宅での飲み物、さぞ喉を潤してくれたことでしょう。薬師如来さま---心が洗われる思いです
アルクノ
今は枯葉がたっぷりあるので、ズルズル滑るポイントが沢山ありました^^)
地主さん、マツタケが採れた頃は良く登られたそうですが・・。
無事に下山するとホッとしますね。
私は冷たい缶コーヒーにしました。
この様な価値ある仏像を拝観するのは久し振りで、悠久の歴史を感じさせてくれました。
yoppy702
まぁ、アルクノさんも、てくてくさんも、六甲って庭の様な所にお住まいですが。(^^ゞ
お山の大部分を所有する地主さんの参加って嬉しいです。
ほとんど個人の所有であっても、ここは、入山料は要らないんですね。
倶留尊山の入山料500円を思い出したもので…(^^ゞ
「弥十郎ヶ岳森林浴場のご案内」を見ると、のんびり歩きで、心身リフレッシュ、湯上り最高潮の気分を想像してしまいます。(^^ゞ
でも、アルクノさんのご案内を見ると、穏やかな森林浴だけでなく、十分な登山が味わえますね。
それも、緊張感が漂って。
その緊張感を味わった後で見る多岐アルプス三座、素晴らしいです。
会長さんのお話では、更に、眺望を良くされるとか。
さすが、お庭ですね。(^^)
下山ルートの落葉+斜面…なんか、ズルズルっと行きそうですね。
これを見ると、最近、ビビリが頭を横切るyoppyです。
足が弱くなってきたのかも知れませんね。(^^ゞ
下山後に、会長さん宅のお庭で休憩という事は…
エッ!
ホントに、この山、お庭なんですね!
改めて驚いてしまいました。(^^ゞ
最後の薬師如来様、良いお顔ですねぇ…
穏やかで、心が落ち着きます。
エッ!重文ですか!
という事は、普通は、写真撮影が不可。
それなのに、こんなお近くで、横顔まで…
写真に拝ませて頂きます。
合掌…
アルクノ
又また詳細なコメントありがとうございます。
私は丹生山系も六甲山系も勝手に庭だと思っていますが、
この会長さんの場合は、自宅庭から山へ直通なのでホント羨ましいです。
地主さんは、マツタケ採取によく登ったそうですが、今は登山道の整備に務めているようです。
入山料不要は有り難いです。
低山なので何処からでも入れるので・・^^、
キャンプ場辺りから傾斜が急になる手前までだと、森林浴場と言えるでしょうね。
滑って扱けると状態までになると、浴場と言えるかどうか^^)
庭なので、もっと歩きやすくして、見晴らしも良くして・・。
(会長ごめんなさい)
こんな、おおらかな下山ルートは初めてです。
お尻に段ボールルートで、巨大滑り台みたいでした。
トレイルが流されてこうなったのかと、
そうかもしれないと思いました。
薬師如来さまは撮影できないものと思っていましたが、
聞くとドウゾドウゾと言われこれを公開しないと、
逆にいけないかなと思ってしまいました。
地元の方には事ある事に公開しているそうで、外国の方が訪ねて来た事も言っていました。
結構有名なのかも。
仏像の表情もおおらかな感じがして、心がなごみます。
先程、明石海峡大橋ブリッジツアーをアップしました。
是非ご覧ください。
てくてく
山頂からの多紀連山が良いですね。
西光寺のお薬師さま、行基作なんですか。素朴と云うか・・・おおらかで穏やかで、良いですね。
お寺さんも、拝観料だ撮影禁止だ・・・ってお寺さんが多いのに、お薬師さまに似て、撮影自由とはおおらかですね。
お疲れ様でした。
てくてく
アルクノ
駐車スペースが無いので、コース案内で紹介した南からのバス便がいいのかも知れませんね。
会長が木を切ると仰っているので、
展望は、2年後ぐらいが狙い目かもです^^)
お薬師さま、行基作と伝えられる立派なものです。
とても親しみやすいお顔なので、地域の人に愛されているようです。
そうそう、この前に駐車スペースがありました。
もし行かれるのでしたら、私から会長にてくてく様の事を伝えますよ。
撮影は出来ないものと思っていたので、心の広い会長には感謝しています。
今回、満足の行くハイキング+仏像の拝観でした。