明石海峡大橋を北側にある舞子(神戸)側から岩屋(淡路島)へ向かって歩きました。
2014.11.08~09の両日、1200人が明石海峡大橋を歩くイベントが実施され、私達5名がそれに参加したのです。
高速道路橋なので車道は歩けません。
小雨降る中、普段は歩けない点検用の通路を歩きました。
新聞でその催しを見つけたケンさんが私に知らせ、
ネットで詳細を調べた私が仲間に連絡をすると、
参加希望が5名となりました。
1グルーの上限が5名なので早速申し込むと、
後日、封書で当選の知らせが届いたのです。
参加は発案者のケンさん(神戸)、Sugarさん(京都)、Nさん(草津)、モクさん(三木)、そして世話役のアルクノ(神戸)。
モクさんは、この橋完成時の記念行事ウォーキングに参加し、今回2度目。
その時は車道でしたが今回は点検通路。
Sugarさんは数年前に単独で同じようなイベントに参加したそうです。
10班に分けられた内の第7班で、午後にスタートする案内でした。
11時半JR舞子駅に集結し、
舞子公園で弁当を広げることにした。
あいにくの雨で、場所を探してウロウロ。
この右側にある橋の科学館で受付となっているが、まだ1時間以上ある。
集合場所は左のアンカレイジ。
食事できる場所があるのでは?と、県立舞子公園に向かう。
下から橋を見上げると、人がゾロゾロ歩いています。
一列になって歩くのかと想像していたが、幅が広い通路で安心した。
次の受付が第6班なので、これは5班でしょう。
で、私達は御飯^^)を食べに舞子公園へ。
そこで目を惹いたのはミニのウエディングドレス。これをズーム。
結婚式を終えたばかりの花嫁さんでしょうか。
ここを食事場所にします。
先客お二人様が私達に席を譲ってくれました。
孫文記念館と移情閣が眺められるポジション。
今回の撮影機材は、新品のコンデジCanon Power Shot SX700 HSではありません。
小川でドボン経験をしたが、復活したことで、
水アレルギーを克服したCanon Power Shot A2400 ISです^^)
SX700 HSは次回の登場になります。
両カメラの詳細は以下の記事にありますので↓
https://arukuno.seesaa.net/article/201411article_1.html
ブラブラ歩いて、小雨降る中、
橋の科学館へ向かう。
明石海峡大橋について、勉強しながら話を進めていきます。
メインケーブルについて
この巨大な橋を支えているのは2本のメインケーブルで、1Aアンカレイジ~2P主塔~3P主塔~4Aアンカレイジへと繋がっている。
そのケーブルから下がるハンガーロープが橋桁を吊り下げています。
このメインケーブルには290本のストランド(正6角形に束ねられたワイヤー)が入っていて、表面はゴムで覆われています。
腐食防止の為、内部には脱塩した乾燥空気が常時送風されており、経年変化しないように工夫されているのです。
上記ストランド1本は127本のワイヤーで構成されているので、
1本のケーブルは
290×127=36830本のワイヤーを使用していることになる。
それが2本で、ワイヤーを全て繋ぎ合わせると、地球を7回り半!
30万キロに及ぶという。
これがそのメインケーブルの現物大模型です。
L時型に刳り抜かれ、ベンチになっています。
受付時刻は12:45からだが、イベント参加者は先に橋の科学館を無料で見学できるということなので入館します。
入って目についたのはこの写真。
主塔の上から舞子海岸を眺めたもので、高さは300m。
実は、参加メンバーが異なるが、
アルクノを含めた5名が今月の24日(祝日)、この写真の場所に立ちます。
ブリッジツアーと云うもので、参加費3000円が必要。
高所恐怖症を克服した私が66歳にして初挑戦します。
今年は、岩登り~崖登り~絶壁下りの数々を経験した。
それらを乗り越えた者が、辿り着ける境地となるのでしょうか。
(大袈裟です^^)
本四連絡橋は3本あり、
明石海峡大橋は自動車専用道路です。
真中にあるのは岡山と高松を繋ぐ道路と鉄道の併用橋で、瀬戸中央自動車道が走っています。
その下(西側)にあるのが尾道今治ルートで、島々を巡りながら歩いて渡れる様になっているという事です。
Nさんが島巡りツアーに参加したとか。
Sugarさんは今治で1泊後、レンタサイクルを利用して尾道まで走ったそうです。
アンカレイジについて
両側でケーブルを繋ぎ止め、橋を支える重要な役割を担うもの。
神戸側の1Aと呼ぶアンカレイジは大林組が担当した。
その基礎は、直径85m、深さ63.5m、容積37万㎥の巨大空間をコンクリートで満たしたものです。
地上に出ているのも巨大なコンクリートの塊だが、埋め込まれた基礎の大きさに比べると氷山の一角という事になる。
淡路側には4Aと呼ばれるアンカレイジがある。
工法は、まず地中を掘り、巨大な酒樽みたいな空間を造ってから、コンクリートを流し込みます。
その様子を描いた記事があります。
「明石海峡大橋物語~2000メートル ひとまたぎ~」で検索すると出てくるので、興味のある方はどうぞ。
出来上った酒樽の底でスポーツをしたとか。
ケーソンについて
この場合のケーソンは円柱の形をした箱です。
これを直径110mの平面としたした海底60mに沈めます。
明石海峡大橋主塔の基礎となる鋼製ケーソンは高さ65m、直径80mという巨大なものです。
潮の流れが秒速4.5mと速い明石海峡ですが、潮止まりが1日に4回あり、その時間帯を利用して沈めたそうです。
そのケーソンを動かせる模型がありました。
実際に曳航している写真です。
主塔について
ほぼ300mの高さがある主塔は、これまでの本四連絡橋に比べ100m程背が高く、建設には工夫を凝らしたそうです。
担当は宮地エンジニアリングで、ケーブルや桁の主要工事にも携わっています。
詳細は↓を御覧下さい。
http://www.miyaji-eng.co.jp/bridge/business_long_bridge09.html
明石海峡大橋について
明石海峡大橋は1998年(平成10年)4月5日に供用が開始された。
愛称はパールブリッジだが、そう呼ばれることはあまりない。
夜間照明を眺めると成程となりますが。
建設費約5,000億円を投入し、中央支間長(主塔と主塔との間)が1,991mで世界最長の吊り橋です。
両端にあるアンカレイジ間の全長は3,911m。
建設当初は全長3,910m、中央支間1,990mだったが、1995年(平成7年)1月17日の阪神淡路大震災による地盤のずれが発生し、図らずもそれぞれが1m伸張することとなった。
地震が発生したのは完成の3年前です。
メインケーブルは繋がっていたが、橋そのものが繋がったのは1996年(平成8年)9月の事です。
調査の結果、この地震による橋梁構造物の損傷はありませんでした。
これが、完成前に優れた耐震性能を実証する事になりました。
マグニチュード8.5でも大丈夫なように設計されているそうです。
若戸大橋は1962年9月26日 に開通したが、これが日本における長大橋の幕開けとなりました。
(横軸が経過年で縦軸は中央支間長)
当時は東洋一の吊り橋だったが、スタート時点で世界の状況から遅れる事数十年。
しかし、この明石海峡大橋で一気に世界のトップに立った訳です。
様々な技術で世界をリードする日本ですが、
これも世界が認める日本の優れた橋梁技術ですね。
それが神戸市の西区にある事に誇りを感じます。
お勉強は終了。
予め参加者が書き込んだ誓約書と参加費(大人一人2000円)を受付に渡し、集合場所のアンカレイジへ向かいます。
手渡されたヘルメットを着用した120人が集結。
突き当りにある荷物運搬用エレベーターで上がるのかと思っていたが、右の階段で40mほどを登ります。
これで息が切れる^^;
最終説明を受け、スタート(13:35)。
コースです。
約1キロ歩いた先にある主塔で休憩。
中央支間約2キロを歩いて淡路側の主塔で休憩。
残り約1キロを歩いて、階段下ってゴールです。
途中トイレはありません。
10m名ほど居るスタッフの指示に従います。
走ったり、単独で先頭を歩いたりしてはいけません。
山歩きと同様、先頭のリーダーを追い越してはいけないのです。
頭上に高速道路があるので上からの雨は防げるが、横も下も吹き抜けとなっているので、横殴りの雨や下からの吹き上げには身を晒す事になります。
いよいよ海上ウォークの始まり~~・・。
暫く進むと、自動車が向うからやってきた。
道路公団の点検車両でしょうか。
左後方をズームすると、ホテル舞子ビラがあります。
幅に余裕を持たせているのは
車両の擦れ違いを想定しての事でしょう。
右には、金属板が貼られている通路がある。
小さな部材や工具が海に落下しないようにとの配慮でしょう。
下を通る船舶に落下させてもいけませんしね。
そうこうしているうちに、ケーソンが見えてきた。
これで全体の4分の1です。
今月24日は、ここまで歩き、
2P主塔内のエレベーターに乗って300m上空へ向かいます。
暫らく休憩です。
「1Aアンカレイジから960m 海上67m」と表示があります。
出発地点からこの橋は盛り上がっている事になる。
中央部分が一番高いのでしょう。
歩き出すと風が強くなってきます。
強風で橋が傾斜したりはしませんが、私が傾いています^^)
アルクノはレインジャケットですが、傘は禁止なので合羽を着用している人が多いです。
手提げバックも禁止、カメラは頂いたネックストラップに取り付け、スマホは終了後返却する専用ストラップに入れて首から提げています。
船舶は頻繁に行き交うので、
シャッターチャンスは何度でも巡ってきます。
3P主塔に辿り着きました。
眼下にあるケーソンです。
ここで2回目の休憩。
脇にある手擦りもスプリングワッシャー+Wナットでしっかり固定されていた。
寄りかかっても安心できる構造です
淡路島はもう直ぐ。
陸地が見えてくると、円形の形をした公園が眼下に。
この直径はケーソンの大きさにしていると、スタッフに教えて頂きました。
ゴールゲートです(14:44)。
1時間9分かけて歩いたが、休憩なしだと50分で行けそうです。
階段降りてヘルメットを返却し、完歩証を頂きました。
外へ出ると雨は上がって、見上げると4Aアンカレイジ。
トイレ拝借後、橋を撮影。
直ぐの無料シャトルバスに乗って岩屋港へ向かいます。
これまた直ぐの15:20発ジェノバラインに乗船して明石港へ(500円)。
出航すると雨が降り出す。
橋を潜ると、
窓ガラスを叩く雨粒です。
13分で明石港に到着。
雨中、明石港から直ぐの魚の棚に向かいます。
大阪のたこ焼きと違って、ふんわり柔らかい明石焼です。
これを打ち上げとします。
卵をふんだんに使うので地元では玉子焼。
アツアツなのでビールと一緒に頂きます^^)
本日のコースは全て終了し、雨も降り終わりました。
ケンさんはバスを乗り継いで帰路へ。
4名はJR明石駅から新快速に乗車し、神戸・京都・滋賀へと帰ります。
明石海峡大橋の事を勉強した後、この橋を歩くと、
日本人の技術力や工夫に加え、その並々ならぬ努力が見えてきます。
様々な模型を製作して耐震性や強度テストを重ね、大きなものにしていったのだと思います。
大きく造り上げる為に考えた工法の工夫や、潮流が目まぐるしく変化する所で成し遂げた工事も見事です。
完成後の保持や点検等にも気を配っており、
完成したら終わりではない事も良く分かりました。
また何れこの様な海上ウォークがあると思います。
4キロ程度の平地が普通に歩けて、高所恐怖症でなければ誰でも参加できます。
気象警報が発令されるような悪天候だと中止ですが、多少荒れた天候の方が橋の凄さが分かるような気がします。
長文記事を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
アルクノ
足元の明石海峡を見るとお尻がこそばゆくなります
硬直せず、何とか歩き終えました
ただ、強風があると踏ん張る感じになります。
こんな事ができるのは神戸人として嬉しい事ですが、他府県の方も参加できるんですよ。
てくてく
雨風がつよくって、傘もさせず大変でしたね。
下が透けて見えるのは、あんまり気持ちよくないですが、眼下に行き交う船や、海面を眺めながらの漫歩、爽快ではないですか。
雨風に吹かれての完歩、お疲れ様でした。明石焼たべたぁ~い。
てくてく
アルクノ
この明石海峡大橋、20世紀最後の国家プロジェクトだったように思います。
前振りで勉強しているうちに、このデカい橋が好きになってしまいました
傘をさすとメリーポピンズみたいに飛んでいってしまうので^^)明石海峡が傘だらけになってもいけませんし^^)
稚児ヶ墓山から眺めるとチッチャイですが、
歩いてみると思いのほかデカく、
仰るように爽快な気分になります。
ただ、ゆっくり歩きなのに、途中2回も休憩してエネルギーが余ってしまいます。
明石焼とビール、最高です
羅輝
私も参加できればしたかったなーー。。
と思っても埼玉県ではどうしょうもありません。
今月の初めに日本スリーデーマーチが我市で開催され8万近くの参加者がありました。
ここで50キロ3日で150キロを完歩できました。
今年で5年連続を達成できました。
アルクノ
ショートコースを長文にしてみました^^)
御覧頂きありがとうございます。
何時もは山の上から彼方にある明石海峡大橋を眺めているので、さほどの大きさを感じていませんでした。しかし、実際に歩くとそのスケールに圧倒されます。
日本スリーデーマーチは、埼玉県東松山市で行われる日本を代表する歩け歩け大会ですね。
日本では最大規模で、各地で行われるようになったウォーキング大会の元祖だそうで、何時も注目しています。
世界的に見てもオランダのナイメーヘン国際フォーデーマーチに次ぐ第2位の規模です。
今年は3日間で8万人の参加者があったんですね。
外国人も大勢参加すると聞いています。
50キロは最長コースで、それを×3日とは驚きます。
脚力を利用した徒歩旅行ができます。
琵琶湖一周は約200キロです。
それを1年間、15回に分けて歩き、記事にもしています。
羅輝さまがテント担いで行くと、たったの4日で歩き終える事ができますよ
yoppy702
1200人の忍者集団ですか!
車で走っても、何かゾクゾクしますのに、1時間以上も、真下の海が眺められる所を歩くのは、大丈夫と解っていても、下半身がスースーしませんでしたか?
それとも、これだけの時間を歩くと慣れちゃいますかねぇ?
なのに、24日は、300mの高さに立つんですか?
想像しただけで、身震いしてしまいます。
きっと、色んな経験を乗越え、アルクノさんは仙人の域に達したのでは…と考えます。
その絶景、楽しみに致します。
記事を見ているだけでしたら、恐怖を感じても、震えなくて済みそうですので。(^^ゞ
明石海峡大橋の各部のビッグさは聞いておりましたが、スケールが異常…いやいや、デッカ過ぎますね。
今まで遭遇したことが無い様な数値ばかりで、想像の枠を遥かに超えてしまいます。
アルクノさんの説明を見ているだけで溜息が出ます。
ボクは、ネジ関係の会社、特に緩み止めを扱っておりましたので、Sワッシャー+Wナットに目が行ってしまいました。
3本の本四連絡橋の画像が解りやすいです。
この画像とアルクノさんの説明で、各々の特徴がよく解りました。
ボクも、しまなみ街道を自転車で走ってみたいです。(^^)
帰路は、岩屋港までシャトルバスで、明石港への高速船でしたか。
橋の上からの眺めと、海上からの眺めと一挙に楽しまれたのですね。
そして、魚の棚での明石焼+ビールでの打ち上げ。
明石焼にビールは相性がイイです。
貴重なウォーク、お疲れ様でした。
完歩証があるのは嬉しいですね。
アルクノ
でも、そんなに身が軽くなくても参加できるので嬉しいです。
最初下を見るとゾクゾクしますが、大勢歩いているので直ぐ慣れます。
足元のグレーチングは靴にとってはひっかかります。
雨なので登山スタイルにしましたが、歩きやすいウォーキングスタイルの方がいいのかも。
24日は乞うご期待デス。
皆さんの身震いはこの身に受け止めます。
今回、依然に知っていた事に加えて更に深く勉強してみました。
地元なので知っておかないと、と思いました。
yoppyさんはWナット等専門のネジ関係の会社だったのですね。
製造機械の主要部分にWナットは良く使うので、私も目がいってしまいました。
しまなみ街道を自転車で走ると爽快だろうな、
と想像しています^^)
明石焼にビールは相性が最高です。
生が無いのが残念ですが、瓶ビールをチビチビ頂きました。
完歩証はPCの前に飾って毎日眺めています。
24日は何をくれるのか、それも楽しみですね。
今日は紅葉狩りで、これから出かけます
ケン
でも、皆さんと一緒に歩けて楽しかったです。
アルクノ
私は、世界一の吊り橋を歩けたという満足感がありました。
ただ、変化のある山歩きと違って短調^^;
24日のブリッジツアーには大きな変化があるだろうと期待し、身震いしています
森林植物園の紅葉を先程アップしました。
またご覧ください。
行き当たりばったり
アルクノ
今回、高所恐怖症の方も参加していましたが、下を見なければ大丈夫でした。
でも下から風が吹いてくるとチト怖いですね。
私も勉強してみましたが、ここは潮流の激しい所なので工夫が必要で、工事も大変だったと思います。
長文を見て頂いて有難うございました。