例会に参加した時は、このようにブログに掲載しています。
前回の参加は7月で、
↓「篠山の丸山渓谷と珍しい樹木(2014.07.20・日)」
https://arukuno.seesaa.net/article/201407article_4.html
でした。
それ以前のものは、トップページと各記事にある右サイドのブログテーマ「篠山自然の会」をクリックするか、上にある「篠山自然の会」をクリックして頂くとご覧になれます。
2011年11月の千ヶ峰を皮切りに色々書き綴っています。
アルクノは会員になってからの日が浅く、記事数も少ないですがこれから増やしていきます。
最初にこんな事を書いたのは、会長さんが帰りのバスで、
「○○さんのブログがアルクノで検索すると出てきます。篠山自然の会のことも載っているので是非見て下さい。」
と、紹介してくれたことがその理由です。
嬉しい事です。
年末の懇親会でも紹介して貰った事がありました。
このシリーズは、自然に親しみ自然を大切にしている「篠山自然の会」の活動内容を紹介したい、と言う思いで書き始めました。
会員の方にも見て頂ける事を励みとし、力を注いでいきます。
しかし、植物に関してはズブの素人です。
今回も、歩く植物図鑑と言われる先生に参加して頂いて、色々教えてもらいました。
その情報は右の耳からドンドン入ってきますが、脳内記憶装置に留まることなく、いつの間にやら左の耳から出て行く事態となります^^;
出ていった記憶の断片を拾い集め、調べたことも書き加えて、なんとか纏めてみたいと思います。
まずは、鯉が窪(こいがくぼ)についてお勉強しましょう。
岡山県は吉備高原北西部にあって、標高は550m。
気温が低いと云うほどではありません。
300年昔の元禄8年(1694年)に潅がい用水池として築造され、安政年間(1854年~1860年) に当時の備中松山藩主板倉氏が修築したと伝えられ、満水時の面積は約2.7haあり、下流の水田約45haを潤しています。
全体の面積は3.6haあり、湿原は鯉が窪池の上流部に広がっています。
それを囲む遊歩道は一周2.4km。
ゆっくり観察すると2~3時間かかります。
春のリュウキンカから始まって秋のスイランが終わるまで、季節ごとに違う花が楽しめるのが特徴です。
「西の尾瀬沼」とも呼ばれるが、本家の尾瀬沼と比べると標高が千メートル以上低いので植物の生育環境が良く、300種類を超える多様な植物が自生しています。
大陸と繋がっていた頃からの遺存植物ビッチュウフウロ、オグラセンノウ、ミコシギクなどがあります。
これらは、日本が大陸と陸続きであったころ、 満州、朝鮮、日本と広く分布していたと考えられる植物であったが次第に離ればなれになり、残留植物とも呼ばれ滅びゆく運命にあると考えられています。
現地パネルには、花を咲かせて種を作る為に捕食しているのではと考えられる食虫植物の紹介もありました。
泥の中に罠を作ってプランクトンを捕まえるミミカキグサや、葉が変化した捕虫袋で泥の中の虫を消化してしまうコタヌキモなどです。
昭和54年に「鯉が窪湿性植物群落」として国の天然記念物に指定され、新見市哲西町が保護管理をしています。
(案内パンフレット、現地パネル、ネットより抜粋したもの。)
鯉が窪湿原は岡山県新見市哲西町にあるが、広島との県境に近い。
篠山の駐車場を8時に出発したが、現地到着は11時過ぎになりました。
中国道の新見で降りて30分で現地到着。
帰路は広島県側の東城から高速に入りました。
バスの定員は28名で、参加も28名の満席。
一番後ろの列に陣取ったのは、私を篠山まで運んでくれた植物博士さんと私。
私が提供した缶ビールと彼から頂いた缶ビールで、お互い2本を美味しく頂きました。
スルメや寿司も無くなり朝食は終了。
夜にはアルコールも抜けて、車は大丈夫なのです。
車内で配布された資料です。
入園時に頂くパンフレットをスタッフが切り貼りしたものです。
アンダーラインは観察できるのでは?と期待される植物です。
写真はクリック、クリックで大きくなります。
長距離なので加西と真庭で休憩がありました。
下腹部の小さなタンクは破裂することなく、無事現地に到着^^)
以上、長い前置きとなりました。
鯉が窪の関所(11:26)。
200円と格安料金です。
花の代表選手が掲示されています。
展示館にあったジオラマです。
中央右端に赤くあるのが現在地で、入ると細長いミニ湿原になっています。
池の手前で昼食を済ませ、時計周りに池~湿原の周囲を巡ります。
冒頭の地図にある歩道に沿って歩きましたが、このジオラマでは湿原が薄緑色になっています。
で、これがミニ湿原。
ミコシギクも
点々と咲いています。
これは何でしょうか?
ミヤコアザミに似ているけど、花がこんなに沢山。
池の手前に、鯉が窪池150年記念碑。
ため池百選にも選ばれています。
観察終了後、ここで集合写真を撮りました。
池にはその名の通り鯉がいます。
近づくと、エサが貰えるものと思ってかワンサカ寄ってきます。
池の前の休憩所には鯉のエサが置いてあり、
一袋50円(赤↓)。
池を眺めながら、植物博士さんと日当たりの良いベンチで食事(11:50~)。
この奥に湿原があります。
鯉に行ってきますと挨拶し、
観察2時間を目途にスタート(12:20)。
(バスの予定は2時になっているそうですが。)
まず目につくのはジュンサイで、池のいたる所に浮かんでいた。
開花時期は5月。ハゴロモモ科で、スイレン科に含める事もある。
北海道の大沼国定公園にはジュンサイ沼なるものがあるそうです。
寒天質で覆われた若芽は日本料理で珍重されるが、食材に利用するのは日本と中国くらいだそうです。
最初こんな所を歩くが、
左の池に降りる事もできる。
最初に見つけたのは、ギンリョウソウモドキで
別名アキノギンリョウソウ(イチヤクソウ科シャクジョウソウ属)。
見上げると一部紅葉が始まっていた。
これが湿原です。
栗のイガイガの様なものは花の終わったハンカイソウ(キク科)で、開花時期は6~8月。
一緒に写っている先の曲がった開花前のものは物は、形から名が付けられたキセルアザミ(キク科アザミ属)。
湿原へは立ち入り禁止になっていて、細い木道を歩きます。
擦れ違う幅も無いので順路指定されている訳です。
これは2号橋で9号橋まであります。
踏み外さないように歩かないといけませんが、踏み外すとズボッとなるのだと思います。
地元の人は「サワッタ」とよび、物干し竿を差し込むと全部入ってしまうほどの深みがあるといい、ここへ来ることを嫌っていたそうです。
ミコシギクはあちこちで咲いています。
本命と目されていたビッチュウフウロ(フウロウ科)も発見。
ミコシギクと同じく、日本が大陸とくっついていた時にやってきたものです。
横顔ですがツルリンドウ(リンドウ科ツルリンドウ 属)。
このカメラ、小さな花をアップで撮ろうとすると周辺にピントが合ってしまうので、離れて撮りました。
もうアケビの実は落ちています。
女性陣から「キレイ!」と声の上がったキノコ。
名前聞いたが忘れました。
真っ白の肉厚で、縁が花弁のようになっています。
スギヒラタケ(キシメジ科)かと思いましたが、円盤状じゃないですね。
栽培して食用にされるブナハリタケ(エゾハリタケ科)でしょうか?
次はキク科の多年草スイラン。
茎が細くユラユラするので、手に持って撮影。
池に戻ってきました。
振り返ると、会長を含む優秀な生徒さんが先生の説明を熱心に聞いています。
私はこれ以上頭に入らないので、フムフムと勝手に頷いています^^)
坂を上がって降りると、元来た場所へ。
そこにシラヒゲソウ(ユキノシタ科)が咲いていた。
真中にピントを合わせたつもりが、へそ曲がりのコンデジ君です。
元気な鯉に帰ってきたことを告げ、
記念碑の前で記念撮影です。
ミニ湿原に戻ると、
タムラソウ(キク科)に蝶が止まっていた。
2時にはまだ10分ほどの時間があり、トイレを済ませて、
予定通り2時出発となりました。
往路は、自己紹介やお喋りに時間を費やして何とか過ごせました。
復路は、居眠りがあったにしても、体感時間は長く感じ、
最後の休憩所、加西SAに到着したときには夕暮れ時になっていた(16:53)。
現地滞在は昼食時間を含め2時間半ほどで、篠山からのバス往復は6時間強(神戸からは更に3時間の追加となります^^;)。
でも、日帰りでこんな所へ行ける事を知り、珍しい植物の観察もできて有意義だったと思っています。
スタッフの皆さん、ありがとうございました。
次回10月は神戸市北区の丹生山で、私が案内することになっています。
昨年は台風で中止になりましたが、実施できることを願っています、
どうぞ宜しくお願いします。
長文記事を最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
行き当たりばったり
アルクノ
この会は、学習しながら楽しんで歩く事をモットーとしています。
知識を得ることは楽しい事かも知れませんね。
ズルズルいきそうな怖い山も歩きますが、この時は勉強熱心な生徒さんばかりでした。
私は先を行ったり、後ろを歩いたりして楽しんでいます
勉強と称しながら、ちっとも頭に残らないのが難点デス
yoppy702
それも、岡山県新見市まで。
「鯉が窪湿原」って知りませんでした。
アルクノさんの説明だけでも、大変、興味深い所です。
ジオラマの写真を見ても、かなり大きな湿原ですね。
チェックしてみると、「岡山旅ネット」というのがあって、そこに、湿原が動画で紹介されてました。
この中に300種を越える植物が自生していて、大陸と地続きの頃の植物も観られるなんてスゴイ所ですね。
おまけに、昆虫も200種類以上。
正に、自然の宝庫。
西日本屈指の学術的に貴重な湿原だそうですね。
いやぁ~こういう所へ行ってみたいです。
中国道の新見ICから30分ですか。
30分は大丈夫ですが、新見ICまで行くのが大変ですね。
ボクの場合、加西より西へは、自分の運転で行った事が無いんです。(^^ゞ
花の種類としては、8月が一番多いようですね。
これだけ素晴らしい湿原に、200円で入れるんですか!
いくら、哲西町の保管管理といっても、これだけの保護活動には多くの費用が掛かりますのに。
あっ、国の天然記念物やから、国からも補助があるんですかねぇ…(^^ゞ
掲示されているオグラセンノウの写真が素晴らしいです。
こんな写真を撮るには、技術、感性も必要ですが、やっぱり、一眼レフが要りますね。
アルクノさんも珍しいお花を沢山撮られて…
ビッチュウフウロ…風露の仲間は、みんな可愛いですね。
備中と付くからには、岡山方面の固有種ですね。
これが、日本が大陸と地続きの時にやってきたのですか…
とても、ロマンを感じます。
岡山は、大阪からでも、日帰りバスツアーのコースですが、湿原で植物観察となると、やっぱり、ハードな行程ですね。
10月は、昨年のリベンジですか。
アルクノさんのお庭なので、楽しみです。(^^)
アルクノ
今回、岡山県は西の端まで、日帰りとしては最遠距離かも知れません。
私も「鯉が窪湿原」って、知りませんでした^^;
何の予備知識も無くノートも持たずに出かけました
会長さんが、ブログの宣伝までしてくれたので、帰宅後必死になって調べました。
「岡山旅ネット」に、湿原が動画で紹介されていましたか。
あとで見ます。
昆虫では、小さなハッチョウトンボが一瞬飛んでいましたが、止まってくれないので撮影できませんでした。
yoppyさんは自家用車で加西より西は経験無しですか。
私は単車で広島まで日帰りしたことがあります。
かなり疲れましたけど^^;
8月は暑いけど、是非頑張ってレポートして欲しいです。
近くに温泉がありましたよ。
この200円は嬉しいですね。
鯉が窪湿原の写真集もありましたが、買っておけばよかった。
20年以上前の出版で、取り寄せできるかどうかも微妙です。
マクロがダメなコンデジなので、ヘボ写真が入ってしまいました。
この時はカメラを新調しようと思いましたね。
小さな花は5㎝以内に近づかないとダメです。
大陸と地続きの時にやってきた、と言う花を知りました。
絶滅しないように守って欲しいです。
湿原にはいろんな植物がありますが、乾燥が進んでいて、守る為には何か対策をしないといけないそうです。
10月は台風が心配ですが、実施できれば地元の植物を教えて貰おうと思います
てくてく
ビッチュウフウロウをはじめ、ギョリンソウモドキ、キセルアザミなどなど、珍しい花々が咲いてるんですね。
小さい花は、フォーカスロックがやり難いので、コンデジでは大変です。
篠山からでも遠いのに、神戸から日帰り大遠征お疲れ様でした。
てくてく
アルクノ
連れてって貰わないとなかなか行けない所ですので、バスで行ってきました。
でも、車中で資料を頂いて、
どんなところかを知った次第です^^;
多分、日帰りの場合はこれ以上遠くへは行かないと思います
日頃の知識が無いもので、珍しい花の事も教えて頂いて知った次第です^^;
今回は、コンデジのレベルアップをしないといけないと思いました。
水ポチャ事件以来、電源ボタンの調子も悪く、オン・オフにメチャ時間がかかりますので、近日中に交換します。
取りあえずは、小さな花と大きな山が写せるものを
とわ
今回は珍しい植物と鯉のレポート!
あ、それだけではなかったです(笑)
ただ山を歩くだけではなくて
出会った場所を丁寧に味わうというか
うまく表現できませんが、とても楽しいでしょうね。
大勢でワイワイ賑やかに登られるのも
とても健康的でいいですね(^_^)
アルクノ
今回は少しアップダウンがあったけど、山と言うより軽いwalkingで、とても楽ちんでした^^)
色々と教えて貰ったんですけど、
なかなか覚えきれなくて・・^^;
この会、普段の参加者は20名前後ですが、バスツアーは人気が高くてこのように満席になります。
28名なので、見た感じもとても賑やかだと思います。
実際賑やかでした
ただバスの時間が長すぎて、現地であと1時間欲しいと仰る方もいました
かっぱちゃん
これからの季節、紅葉も楽しみですね(^^)
アルクノ
花のことは詳しく述べることができず、聞いた事や、調べた事ばかりです
でも、小さいなりに可憐な花を見ると心がホッコリしますね
ハーブの花に似ているのもあるのですか。
今度調べてみます。
大陸と陸続きになっていた時からの花が残っている!
という事に驚いているアルクノです
紅葉は花の名前と関係ないので、大得意です
また、何れアップしますのでご期待ください