1.前置き
毎年高砂市文化会館の「じょうとんばホール」で開催される、県立高砂高校ジャズバンド部・Big Friendly Jazz Orchestra の定期演奏会です。
最初訪れたのは2008年で、神戸から7年連続で通っているアルクノです。
このブログは2010年からなので、5回目のレポートになります。
BFJOの関係者ではありませんが、一ファンとして応援し続けています。
今年は、楽しみにしていた寸劇が無くて寂しかったが、
演奏に集中したチャリコンで、内容は素晴らしいものでした。
ただ、アルクノのブログは写真に集中しているので、過去ログと比べると多少物足りなさを感じるかも知れません。
そこは文章力でカバーしたいと思っていますが、如何相成りますか。
感じるままに余分なことも書き連ね、豪華な内容にしています^^)。
その余分な処はパスしてもらって結構なので、
BFJOの素晴らしさを感じ取って頂ければと思います。
昨年のチャリコンの様子は↓でご覧になれます。
https://arukuno.seesaa.net/article/201307article_2.html
昨年は、2年生の時から注目され、演奏も素晴らしかった吉川部長率いる吉川組でした。
それに引っぱられ、ブログ記事もまずまずだったような気がしていますが(本人の思い込みですが^^;)。
それ以前の過去ログは、ブログテーマ「ジャズ」をクリックすると一覧の中に入っています。
今年は太田組で、その演奏を楽しみに神戸から高砂へ。
昨年から一眼レフを持参し、表情が捉えられる写真を狙っています。
BFJOのファンは沢山おられるので、他にも多くの方が撮影し、動画もアップしています。
「高砂高校BFJO」で検索するとそれらが出てきます。
併せてご覧ください。
11時半ごろ山陽電鉄高砂駅に到着。
3年連続同じレストランで、同じオーダー。
年1回なので、「何時ものランチでお願いします。」とは言えませんが^^;
食後の紅茶も頂いて、じょうとんばホールに着くと、既に開場(12:31)。
撮影ポジションに相応しい、最前列に向かう(赤↓)
演奏は、幕間に10~15分の休憩をとりながら、3部構成となっています。
第一部はBFJOの演奏。
第二部はスペシャルゲストの演奏。
第三部は演奏曲目が多く、途中からスペシャルゲストも交えて豪華な内容になります。
最後にアンコールが演奏されて終了。
開演は13時で、終演は16時過ぎになっていました。
まずは、今年新たに着任した校長のご挨拶。
この魅力ある高砂高校を、更に地域に親しまれる高校にしていきたいとの抱負を語っていた。
Are you ready? の問いかけのあと、緞帳が上がります。
2.第一部
① The Heat’s On
カウントベイシ―で「太田組の皆が大好きなこの曲!!」
とプログラムにあります。
派手に元気良く演奏します。
専属MCは明るい感じのピアノさんと、
「よくしゃべる。よく笑う。」とプログラムにあるテナーさん。
② Corner Pocket
2曲目もカウントベイシ―。
ノリノリのアレンジが光っていた。
このトランペットソロには元気があります。
肩に力が入っていますが、ハイノートだとどうしてもこうなりますね。
太田組がJrバンドの時から演奏していた曲で、昨年も演奏していた。
③ The Pink Panther
Jrバンド・今池組の演奏。
専属MCはピアノさんとギターさん。
今池さんはベース担当で、私が聴いた7年間では初めて、ベース部長さんが来年誕生する。
インタビューでは爽やかな曲を演奏していきたいと言っていた。
ビッグバンドでウッドベースソロはあまり聴かないが、funkyなベースギターなら色々あるので挑戦して欲しいです。
④ Nobody’s Perfect
次もJrで、サミーネスティコの曲。
主役のサックス隊を撮ってみました。
バリトンさんが女性です。
作曲及び編曲者のサミーネスティコはカウントベイシ―の為に多くの楽曲を手掛けています。
「1993年に公表された彼のスコアーは、現在4カ国語で翻訳され世界の至る所で演奏される。 彼の教育分野で公表された約600曲のスコアーはアメリカのみならず、世界中でジャズ音楽の聖典として演奏される。2006年合衆国政府は、米国議会図書館にネスティコ氏の全作品を、収蔵されることを決定し、その膨大な作品群は永久に国家により保存されることとなった(ウィキペディアよりコピペ)」。
90歳にしてまだ健在の、偉大なサミーネスティコですが、合衆国の人間国宝さんと言ってもいいくらいの人ですね。
⑤ Blues For Kapp
Regularに戻ります。
このタイトルで検索するとYouTubeが色々出てくるが、サウンドだけのMaynard Fergusonがお勧めです。
ゆったりしていて、ちょっと息抜きのできる曲。
ここでバンドメンバーが作成した、今年のBFJOデザインを紹介します。
正にBig Friendlyな仲間を現していますね。
⑥ Way Out Basie
検索してもあまり動画が出てこないが、御大カウントベイシ―(音がイマイチです)がお勧め。
トランペットソロは、
ここまで何度も登場したパート長の秋優良さん。
プログラムにあるように体力を使う曲で、第一部の〆として、元気良く演奏して幕が下ります。
3.第二部
スペシャルゲストは河田健(かわたけん)カルテットです。
河田さんはアロージャズオーケストラでサックスを担当している、リードアルト奏者です。
4種類のサックスとクラリネットにフルートもこなすオールラウンドプレイヤーです。
直近では、第34回NABL Big Band Jazz Festival(2014.06.15・日)の SKGジャズオーケストラ(香川県)夏さんのヴォーカルをサポートし、そのあとに登場したドルチェジャズオーケストラ(大阪府)では指揮を務めていた。
その記事には写真が無かったので、ここで紹介します。
他に、ピアノ:石田ヒロキ、ベース:宮野友巴、ドラムス:澤雅一のお三方です。
演奏曲目はプログラムに書かれておらず、聞き取ったメモからです。
① Almost Like Being In Love
アップテンポでウキウキ感がある曲。
② What a Wonderful World(この素晴らしき世界)
Louis Armstrongの歌声で大ヒット。
以下の3曲は宗清洋さんも加わります。
③ You step de out of a dream
Sarah Vaughanの歌唱で有名。リズムの取り方に特徴を持たせた宗清さんの編曲が良かったです。
④ 蘇州夜曲
西條八十作詞、服部良一の作曲で李香蘭(後年政治家になった山口淑子)さんが歌いました。これを宗清さんのノスタルジックな編曲で。
⑤ Undecided
チャーリー・シェーバースの作曲で「まだ(曲名が)決まっていない」が曲名になった^^。
カーチス・フラーとベニー・ゴルソンの「ブルースエット」というアルバムに収録されているのが有名。
ジャズのスタンダードナンバーです。
河田健さんと
このチャリコンではお馴染みになった宗清洋さんです。
4.第三部
① Almost Like Being In Love
着ているシャツも白から燃える赤へ。
第二部でも演奏されたが、「まるで恋をしている気分なんだ」と明るくノリノリで演奏します。
② In The Mood
定番の曲を手慣れた演奏で楽しませてくれました。
ペット・パート長の表情にも落ち着き感があります。
③ Blue Bossa
夏の雰囲気漂うボサノバですが、Jrの演奏です。
過去にあったのかどうか知らないが、バンドに所属する姉弟のお披露目。
左端が次期部長の今池友香さんで、その弟の今池輝一君が今年入学し、ドラムスを担当することになった。
1年生は表舞台に出ることが少ないが、Egg(卵)バンドに所属しています。
その弟曰く、姉の前髪の垂れ具合を見るとその日の調子が分かるのだと言う。
因みにこの垂れ具合だと、絶好調!だそうです。
そこで笑っているシーンです。
④ Anvil Chorus
もとはオペラ曲だったが、ジャズにアレンジしてグレンミラーが演奏した。
BFJOはスピード感あふれる演奏で。
動きが早いと撮影がぼやけるが、
的確なドラムワークが素晴らしい3年生の津川魁星君。
演奏が終わって部長がインタビューを受けます。
意外とオチャメという事ですので^^)
⑤ When You Wish upon a Star(星に願いを)
その太田早紀部長のAsをフューチャーしてしっとりと演奏します。
誰もが知っている曲で、ディズニーアニメの中ではトップの人気を維持している「ピノキオ」の主題曲。
ジャズではピアノでよく取り上げられるが、マイルスのトランペットがGood!
マルタのサックスもお勧めです。
⑥ Told You So
コンマスの好きな曲です。とあります。
曲間で部員の紹介があって、河田健さんと宗清洋さんが加わる。
メモにはノリが良くて花丸とあります^^)
⑦ Get in Line
太田組初のファンク曲とあるが、そんな事を感じさせないノリノリの演奏です。
河田さんの音の振り回しも最高でした。
曲間でゲストへの質問です。
MC夏山さんが「サックスの高い音が出にくい場合どうしたら?」と。
河田さんがマウスピースからリードを外して「このリードを振動させて音を出すが、リードを薄くすると高い音が出やすくなる。より固いリードを選ぶのも一つの方法。」とのお話しでした。
演奏曲によってマウスピースを取り換えるサックス奏者を見ますが、音色だけでなく音域も考えての事だったのです。
オリジナルサウンドの為には、この竹べらの様なリードを削る技術も習得した方が良い。と聞いたことがあります。
調べると、
サックスなどのリードはリード・ケーンと呼ばれる葦の一種から作られ、合成樹脂製のものもあるそうです。
マウスピースには「ベック」という別称があり、エボナイトや合成樹脂製が多いが、金属製のものも少なくない。少数ではあるが木製、ガラス製のものも存在する(ウィキペディアよりコピペ)。
とあり、へ~でした。
次にトロンボーンです。
「低い音を長く吹くには?」
宗清さん「実は私もそれで悩んでいます(会場からクスクス^^)。
トロンボーンのマウスピースには、音を出すのに便利な竹べらが無く、唇を振動させて音を出す。
力を入れると高い音になるので、肩の力を抜いて、息を軽くソフトにロングトーンを出す練習をしてみて下さい。
しかし、50年やっても難しい!」
とのことです。
⑧ Blues in Hoss’ Flat
河田カルテットの他のメンバーも登場し、カウントベイシ―の軽快でちょっとおちゃめな曲。
次々登場する軽快なソロが素晴らしい。
逆のようだが、明るいテナーと重厚なアルトの対決です。
MC夏山さんの聴き惚れる表情ですが、いい経験になったのではと思います。
⑨ It’s Oh ,So Nice
「大人っぽく色気のある音を研究しまくりました。」とあります。
女性が多いBFJOなので、
この様な研究は今後の人生に活かされると思います。
次が、プログラムのラストの曲ですが、その前に部長の挨拶です。
最初はぐちゃぐちゃだったのに、練習を重ねていく内に纏まってきた事、
演奏会では沢山の方に来て頂いて拍手を頂いた事、
色んな演奏活動等を話しているうちに目が潤んできます。
メンバーも同じ気持ちのようです。
私も撮影しながら、ウルウルになります。
⑩ Dancing Men
バディーリッチの曲で踊り出したくなるような演奏。
1年生はあまり表舞台に出てこない、と書きましたがここで出てきます。
観客席にも降りて盛り上げ、ステージにエールを送ります。
演奏が終わって、一旦赤い幕が下ります。
ここから、アンコールの拍手が揃って、大きく鳴り続けます。
部長がソプラノサックスで奏でるのは
聖者が街にやってくる
幕の間から一人で登場します。
幕が上がって、全員で演奏が始まる。
アンコール2曲目は
I CAN'T STOP LOVING YOU
Jrも登場して、全員で大迫力の演奏。
大勢いるのにensembleがばらけないのが凄い所です。
最後に部長の〆で終演です。
5.後書き
チャリティー募金を投入し、
アンケートを手渡して外へ出ると、見送りの演奏をしていた。
8月24日の第30回Japan Student Jazz Festivalでは太田組の活躍を期待しています。
Let’s Swing!and Nice Play!
楽しんで演奏ができれば、おのずと実力は発揮されるものと信じています。
長々としたレポートを最後までご覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
写真と解説で綴ってくれている今回の高校生のジャズフェスティバル・・・様子がよく分かりました。十分堪能なさったのではと想像しています。
こちらでも高校生の定期演奏会はありますが、聴きに出掛けたことはありませんが、あまりジャズは演奏しないように思います。神戸とジャズ・・ぴったりで様になりますね。
yoppy702
いつもは、記事を楽しく拝見してるだけでしたが、昨年の記事には、かなり引っ張られました。
アルクノさんのお奨め「吉川組」が気になり、YouTubeもチェックしましたから。(^^ゞ
それで、BFJOってスゴイ!
先日は、名付け親が、北村英治さんと知って、再び、スゴイ!(^^)
それにしても、毎度の事ながら、アルクノさんのJAZZレポは素晴らしいですね。
音が無いのに、自分がライブ会場に居る錯覚に陥ります。
これは、ナイスショット写真と的を得た説明文があるからでしょうね。
ツカミ(?)はベイシーで、会場はノリノリになったでしょうね。
「The Heat's On」で会場が目覚め、「Corner Pocket」で、会場全体がスイングの渦になっているのを想像してしまいました。
ペットさんが可愛い。(^^ゞ
演奏だけでなく、MCのショットがとてもイイ表情を捉えていて、それにアルクノさんの説明があるので、ホントに雰囲気がよく解ります。
後で出てくる、弟さんの「姉の前髪の垂れ具合で…」というお話、イイですね。
このお姉さんが次期部長でベース担当ですか!
全体のバランスはあるでしょうけど、是非、ソロを入れた曲も演って頂きたいですね!(^^)
そして、昨年もウルウルしましたが、部長の挨拶、やっぱりウルウルしちゃいます。
その太田部長の「When You Wish upon a Star」に、一年間、願いが込められていたんでしょうか!
アルクノさんオススメのマルタ版は最高ですよ!(^^)
アンコールも盛り上がったでしょうね。
これが、高校生の演奏会!といつも驚嘆してしまいます。
素晴らしいレポ、ありがとうございました。(^^)
アルクノ
雰囲気だけでも伝わればと思っていますが、様子が分かって貰えて良かったです。
神戸は日本でのジャズ発祥の地という事もあって、ジャズファンが多く、耳も肥えています。
今回は高砂ですが、JAZZが似合う街「神戸」だと思います。
近畿エリアだとジャズの演奏会やコンテストは頻繁に開催されているんです。
聴衆がプレイヤーを育てると言う面もあるので、私も頑張ろうと思っています
アルクノ
一ファンというより、OBですか。
孫ほど歳が離れているのでO爺だと思います^^)
BFJOの名付け親、
北村栄治さんには感謝しないといけない。
と私も常々思っています。
素晴らしかった「吉川組」ですが、
その復活は無いので^^、
これを超えていくしかないですね。
私の7年間の出来事なので、長い歴史を辿るともっと凄い事があっただろうと想像します。
でも、このように受け継いで、トップレベルを維持し続けている。
これが凄いです。
常に、全国の高校生ジャズバンド部の憧れなんですからね。
私の褒め言葉なんかあっても無くても、常に光り輝くBFJOなんです。
仰るように、写真は重要と実感しています。
表情を伝えて、その雰囲気が伝わればと願っています。
可愛い若者達が元気一杯に演奏するベイシーサウンドに、天国に居られる御大も微笑んでいるのではと思います。
毎年登場する二人のMCの会話も楽しみの一つです。
メンバーの裏話や公表できない秘密の出来事もあったりします。
これを真似する他の高校生バンドもいますが、イマイチですね^^)
家族の様な仲間にならないと、しっくりいきません。
来年、ベース担当の部長が誕生しますが、yoppyさんも楽しみなのでは?^^)
「星に願いを」のマルタ盤は何度聴いても飽きませんね。
部長の願いも届くと良いのにと思っています。
ウルウルも飽きることなく、私の年中行事になっています^^)
アンコールは毎年ありますが、会場とプレイヤーが一体になって満足のお開きになります。
来年以降も頑張って伝えていきますので、宜しくご贔屓下さい
てくてく
きっと、アルクノさまの毎年の記事が、県立高砂高校ジャズバンド部のメンバーを後押ししての事と思います。
来年の事を云えば、何とか・・・と云いますが、来年のレポも期待しています。
てくてく
花咲か爺
アルクノ
BFJOのメンバーがこれを見てくれて、励みになれば嬉しいですね。毎年メンバーが入れ替わるので期待と不安が相半ばしています。
それでも毎年期待通りの演奏をしてくれるのは、本人の努力と先輩方の指導があってのことだと思います。
勿論、来年も、再来年も、その先も、レポートを書き続けていきますので、ご期待ください
アルクノ
ビッグバンドコンテストでは、吹奏楽とビッグバンドの両方をこなすグループも出場します。
吹奏楽ではメンバーも凄いので大迫力ですね。
ただソロパートになると、ビッグバンドに旗が上がることが多いです^^)
淀工と言えば超有名で、ラジオでもよく聴きます。
指導者の先生のお話しにも頷く点が多いです。
ジャズも同じですが、長時間となると聴くのも体力ですね。
目一杯楽しまれる事と思います。
とわ
ジャズバンド部の定期演奏会、いいですね!
鳥肌が立つくらいカッコ良くて
一生懸命で素敵です(^_^)
近くでしたら、ぜひ聴いてみたいですね。
何曲かyoutubeで聴かせてもらいました。
音楽は私も大好きでこのような記事は
たまりません^^
どうもありがとう~!
アルクノ
コメントをありがとうございます。
ホント、かっこよくて一生懸命に演奏しています。
更にユーモアも茶目っ気もあるので他のバンドは真似ができません
アマチュアが多いですが、テーマのジャズをクリックすると色々出てきますよ。
過去ログもありますが、8月にはJapan Student Jazz Festivalがあります。
お楽しみに~。
かっぱちゃん
映画の影響で高校生の女の子もジャズが好きな子が多くなったのではと思います。いいことですね♪
高校生の時に、大好きで一生懸命やったことってずっとその先の人生にも残っていくと思います。青春いいなあ~(^^)
アルクノ
アルクノはこのようなジャズが堪らなく好きです。
元気一杯で溌剌としています。
ホント、スイングガールズがヒットしてから高校生の女性ジャズプレイヤーが増えました。
とても嬉しい事です。
これらの写真からも青春が溢れていますよね。
かっぱちゃんの作品にも青春が表現されていますよ。
心の青春て、何時までも続くんですからね。
作品に生き生きとした可愛らしさが表現できているのは、かっぱちゃんに青春の心があるからだと思っています。