神戸市内に設定されている、「太陽と緑の道」は27コースあります。
このコースの安全確保の為、
神戸市はボランティアを募集し、各コースに1名の担当者を任命しています。
毎月歩いてコース状況を報告し、自らもコース保全の為に持てる力を発揮しないといけません。
私はその任務を授かり、3年の任期はこの3月で終了します。
昨年10月にも説明したが、次期ボランティア隊員の応募期限が迫っており、再度その紹介です。
3年の任期の間、毎年担当コースが入れ替わります。
担当コースは住居地域が考慮され、私は住まいが北区なので、初年度と2年度は三木と三田に接する神戸の北の果てを担当しました。
今年度は、ここにレポートする藍那古道です。
2月と3月あと2回パトロールして任務が終了します。
終了すると、二度と選任されることはないので感慨深いものがあります。
神戸市は次年度、2014年4月からのパトロール隊員を募集しています。
その次は2017年です。
報酬は月に4千円で、交通費・用具・ウエアなどはそれでカバーします。
赤字補てんはありません^^)
神戸市在住が条件で、ある程度の登山経験が必要です。
経験と言っても、六甲山を登る体力があれば十分で、日本アルプス経験者なら文句なしです。
低山愛好家のアルクノが選ばれましたので^^)
全コースを歩いていませんが、難易度が高いのは百丈岩に向かう鎌倉峡でしょうか。
しかし、自分の希望コースを申し出ることはできないのです。
何処を担当するか分からないので、ある程度の覚悟は必要かと思います。
応募用紙は市内各区役所にあり、2月上旬辺りが締切りだと思います。
3年に一度のチャンス到来!
という事です。
私がこの事を知ったのは、
神戸青少年公園へ向かって歩いていた時で、
擦れ違うそのハイカーさんが私の姿を見て、見込み有りと思ったのか、教えて下さいました。
その翌年に申し込むと、応募者多数の中からアルクノが選ばれた。
と言う次第です。
そのお礼を込めて、この記事を書いています。
「太陽と緑の道」27コースは昔からある古道に沿っていますが、都市化が進んで舗装路が多く、山歩きコースは少数派です。
ほぼ昔からの古道のままに在るのが、この藍那古道です。
昨年10月の記事「丹生山から藍那古道(2013.10.06・日)」でも簡単に紹介していますが、今回はより詳しく説明していきます。
前置きが長くなりました。
次期担当者の方と、ここを歩きたいと思っている方へのレポートです。
3月、藍那古道の担当に任命された方へ引き継ぎを行いますが、
此れを見て頂くと、百聞は一見に如かずとなります。
神鉄箕谷駅から、市バス111系統衝原行きに乗車します。
乗車するのは9:01のバスです。
平日・土曜・日曜と時刻が其々異なります。
朝の冷え込みで透明のカバーが凍てついており、霜を除去して撮影しています。
春夏秋冬のパトロールなので、「寒い時期は行かない」とはなりません。
丹生(たんじょう)神社前バス停で280円を投入して下車します(9:17)。
古道に向かうが、振り向くとそこに丹生山がある。
このコースは距離が短くて作業時間を入れても、2時間程度で終わります。
丹生山など別のコースを歩いてからでもいいわけです。
それが前述にある10月の記事です。
バス停から少し戻って右に向かいます。
行く道は赤のラインです。
田畑を眺めながら進むと、暫くして山への入口です(9:22)。
そこに「通行車両に注意」と表示があります。
農道なのでその車両が通ることもあるが、大抵出会うのは山道を走るオフロード・バイクです。
こんな道を進むと、
3分で分岐。
右が太陽と緑の道ですが、左には鷲尾家墓所と石柱が立っています。
この藍那古道は義経道とも呼ばれており、鷲尾家の武久という少年が平家討伐に向かう義経を鵯越へと案内したと伝えられています。
その道程の途中にある藍那までを歩くわけです。
2分ほど進むと左側(東)が開けてきます。
六甲山系が望めるが、視界不良ですね。
展望があるのはここだけで、六甲山頂は写真左の方になります。
落ち葉の下が粘土質で滑りやすい道です。
タイヤ痕はオートバイ。
ややあって、そのオートバイが作った溝に雨水が溜まっています。
これを何とかしないといけません。
先月、水路を作ったが泥で塞がっています。
持参の鍬で泥を除去します。
2か所目。
全部を繋げ、掘り込みも深くして、谷へ流れるようにします。
向う側から撮影。
この方向だとOKですが、反対方向から来ると間違えやすい分岐になります。
右からの道との合流地点(9:48)。
私が靴紐で道標を括り付けていますので、
間違えないようにして下さい。
この簡易道標は初回引き継ぎ時に市より2枚手渡しされ、次年度からは必要な場合に供給されます。
問題のポイントです(9:54)。
赤で示した幅は20センチもありません。
休日には単車が走るし、団体ハイカーも通ります。
その下は絶壁で、
落下すると這い上がることは困難です。
昨年4月の時点ではまだ大丈夫でしたが、雨が降るたび削られ、細くなっています。
残念な事ですが、神戸市に何度報告しても対処してくれないのです。
このまま対策を取らないで放置すると、いずれ通行止めになります。
ここを通るときはくれぐれも注意して下さい。
その先、ちょっとした岩ゴロゴロ道で、
3分ほどで終わりますが、唯一楽しめるポイントです。
歩きやすい水平道を経て、
また水溜りです。
対処後、向う側から撮りました。
もっと幅を広くしないと泥で塞がれそうですが、また来月対処します。
その先にも泥んこ道があるが、大したことはありません。
ただ、雨天翌日は歩かない方がいいと思います。
長靴持参であればOKですが^^)
雨水で抉れた下り道の後、ガタガタのコンクリート道になります。
最後に歩きやすい道になって、
古道は終わる(10:21)。
しかし、藍那駅へはここから半時間ほどの舗装路になります。
なだらかな道を下っていくと、
川底から上がってくる道と合流します。
これは長坂山道で、急登後長坂山の横を通り、粘土質で滑りやすい急坂を経てダラダラ下りになります。
これも太陽と緑の道で、別の方が担当しています。
下った先に六條八幡神社があり、無動寺も近くてお勧めです。
下に「まりの山」とあるのは藍那小学校の生徒が整備している所で、長坂山手前にあります。
課外授業に取り入れているのでしょうか。
名の由来は分かりませんが。
あまり注意して見ていないが、
色んな野鳥もいるみたいです。
道が広くなっているのは、車の擦れ違い場所のようで、
ここに車を置いてハイキングに向かう方もいます。
不法投棄禁止の表示があり、川底をチェックします。
川底へ降りるのは困難で、目視チェックだけです。
藍那小学校前に到着(10:39)。
現在耐震補強工事の実施中で、3月には終わるみたいです。
その下に神鉄が走っていて、高架を潜って左です。
行くと、右の坂に道標がある。
この坂の上に藍那トンネルがあり、担当コースはそこまでとなります。
秋になると、その辺りで栗拾いができます^^)
駅へは坂を上がらず、そのまま進む。
再度高架を潜って行くと藍那駅(10:50)。
駅前には道路しかない無人駅です。
この時間帯、新開地行電車は毎時10分と40分で、あと20分待ちます。
改札入った所に地図がある。
コースの起点と終点を丸印で、
バスと電車を使って歩くコースを赤いラインで示しています。
念のため時刻表も。
下り道の落ち葉で泥を除去したが、更にトイレの水道で洗って、
乾かしています。
ザックに入る小さな鍬です。
又使うので、この程度でいいでしょう^^)
以前のコースでは草刈りや樹木除去の為、鎌や鋸が必要でした。
このコースにはあまり無いが、道路脇に捨てられた缶やペットボトルも拾い集めて、処理しないといけません。
帰宅後にお昼で、
昼飯前のお仕事でした^^)
過去のコースでは弁当持参でしたが

どうぞ、これを参考になさってください

過去に担当したコースと、それ以外で私が歩いた太陽と緑の道は、右にあるテーマ「太陽と緑の道」をクリックすると出てきます。
4月から担当される27名の方もどうぞご覧になってください。
参考になるかと思います。
追記)
今回のコース21「丹生会館~藍那」の藍那古道は補修しておらず、通行を控えるようにと神戸市が通知しています。
関連して、
コース1「道場~千苅貯水池~道場」
千苅貯水池の西側で落石が発生し、通行禁止です。
コース1は廃止で、欠番となりました。
26コースに減ったので、以後選任されるのは26名です。
崩落による通行止めや復旧予定は以下をクリックしてご覧ください。
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/leisure/taiyou/
(2016.01.04)
追記その2)
藍那古道中間あたりで、極端に細くなっている部分が補修されたようです。
2016.07.10、ブロ友がグループでここを歩き、安全が確認されました。
途中バイクと遭遇した事、泥濘はこの状態と変わらない事を、
写真入りで紹介していました↓
http://gon-1020.at.webry.info/201607/article_3.html
(2016.07.29)
最後までご覧いただき、ありがとうございました

この記事へのコメント
凡稔
オートバイで走る人もいるんですね。乗る方は面白いでしょうが、山径は傷みますね。それにハイカーと出会ったりすれば危険ですね。
アルクノ
ボランティアと言っても個人でできることはこの程度なので、あまり苦にならずにできました。
ただ神戸市には言いたい事を言っています
ブログをやっている関係で、こういう事をしていますと伝えるのも勤めのような気がしています。
以前ですが、地元の方がコース整備をしてくれていることがあって、その時は嬉しかったですね。
オートバイも遊び場が必要なので共存するにはどうしたらいいのか、悩むところです。
ライダーさんにもこれを見て頂いて、何とか協力してほしいものです。
以前、神鉄ハイクで大勢が歩いているのに後ろからモトクロスバイクがやって来て、往生したことがあります
てくてく
泥濘道になるし、轍は深くなるし、崖の道は崩落するし・・・
問題のポイント、そろそろ、赤信号のようですね。
あと、2回でパトロールの仕納めですか。3年間ご苦労様でした。そして、有難うございました。
てくてく
アルクノ
神鉄ハイクを始めた最初のころ、この藍那古道を歩き、下って六條八幡で昼食のあと長坂山道で戻りました。
パトロールでまたここを歩くようになり、巡り合わせの様な気がします。
バイクでボロボロになりましたが、歴史ある道なので何とか保全してほしいと思っています。
新しいものを受け入れてきた神戸ですが、古いものも大事にして欲しいものです。
3年間はあっという間でした。
見守って下さってありがとうございました
4月以降もチョクチョク太陽と緑の道を歩いて、道の整備を個人的にやっていきたいと思っています
yoppy702
で…再任の特別ルールってのはないんですか?
大変なお仕事でしょうけど、アルクノさんは、山歩きは勿論、観察力、責任感など、このお仕事に最適任だと思っていましたので…(^^ゞ
それにしても、さすがアルクノさんです。
任務終了にあたって、PR、ボランティア隊員の呼びかけをされ、次期ご担当の方のために、詳しいレポートを作られてる。
引継ぎはされるでしょうけど、これを見れば、一目瞭然ですね。
写真で説明された細かなルート、注意事項、懸案事項、必要器具…
次期ご担当の方は、この記事をブックにして、携行された方が良いですね。
そして、それ以外の方も、この記事を読む事で大きな参考になると思います。
アルクノ
大したことはしていません。
次期担当者になられる方、ここを歩かれる方は参考にして頂けたら、と思っています。
私が、再任されることは無いですね。
3年もパトロールしていると、ハイカーにとって何が邪魔で何が必要なのかが良く分かりました。
これからは好きな処を自由に歩けます。
鋸・鍬・鎌を携帯して、あちこち整備していきたいと思っています。
大きいのは持ち歩き出来ないので、カマボコの板で道標整備もしていきたいですネ
清兵衛
アルクノさんはボランティアでも、いい仕事されてました。三年間お疲れ様でした。
神戸市も歴史と自然保全に粋な仕組みをつくっています。さすが自治体で先頭を走る都市です。
アルクノ
手前味噌ですが、古(いにしえ)の道を守ろうとしている神戸の姿勢は素晴らしいと思います。
又、この事を私のブログを通じて、多くの神戸市民に知って欲しいと思います。
シルバー世代が社会に貢献できる、とてもいい制度ですよね。
この制度がどうなのか分かりませんが、貿易港神戸には日本最初と言うのが多いのです。
この制度が日本国中に広まれば、更に嬉しいのですが。
ナイトウ コウジ
アルクノ
この道は簡単に歩けるコースです。
是非体験して頂いて、太陽と緑の道のパトロールにも興味を持っていただけたらと思います。