今年は行かなかったが、昨年4月15日に下谷上歌舞伎舞台で演じられた農村歌舞伎を観劇しました。
その様子は以下URLをクリックすると、私の解説入りで出てきます^^)
https://arukuno.seesaa.net/article/201204article_8.html
撮影もアルクノが担当しています^^)
5年ほど前から農村歌舞伎を観劇していますが、記事にしたのはそれだけでした。
今回は上記定例会のような農村歌舞伎では無く、神戸電鉄木津駅から程近い顕宗仁賢神社境内にある舞台で行なわれます。
神戸市西区にあるこの神社秋祭りの宵山に奉納される農村歌舞伎です。
ここでは毎年10月第3土曜日の午後1時より、地域の方が庶民的な歌舞伎を演じます。
と云う事を、始めて知りました。
私はひょんなことでその情報を得たが、神戸電鉄の情報誌「SUZURAN」には載っていませんでしたよ!
しんてつさん!
演目はご存知「しらなみ五人男」と「仮名手本忠臣蔵~裏門の場」です。
演者は新尼崎歌舞伎(はことら座合同)と忠臣蔵の方は箱登羅たから歌舞伎とあります(頂いたプログラムより)。
箱登羅(はことら)とあるのは、指導者で今は亡き三代目市川箱登羅先生の遺志を継いでの座名です。
このブログを始める以前でしたが、元気で舞台挨拶をしていた姿が思い出されます。
箱登羅さんは平成22年に亡くなり、三回忌と入れ替わるように昨年から日本舞踊家元、秋房流秋房愚楽先生の指導を受けています。
箱登羅たから歌舞伎は地元小中学生のグループですが、当初は小学生だけで演じていたように思います。
そのお子達が中学生~高校生~成人となり、後輩の指導にも力を入れています。
座を卒業した方も出演しているようですが、箱登羅先生に教えてもらった基本を、たからものとして大切にし、継承していっている訳です。
さて、当日は早朝から大雨で、実施が危ぶまれました。
朝食が終わる頃小降りとなり、やがて雨はほぼ上がって、出かけることにしました。
木津駅改札を出ると、日差しを遮る曇天が空を覆っています。
階段下ると、前方にシブレ山山頂付近に建つ電波塔です。
歩いて5分ほどですが、農村歌舞伎と書かれた幟が案内してくれました。
右に現れる鳥居を潜って、階段の上、神社の右に舞台があります。
手前の木枠に提灯を吊るす予定だったが、夕刻より雨天との予報が出ていたのでそれは中止にしたそうです。
その奥にあるデカカボチャは地元の収穫で、2個合計の重量当てクイズの為に陳列しています。
これで、ハロウィーンパーティーをする訳ではないのです。
神社ですから。
上がると、小さなスペースにお子達による素敵な作品が並んでいます。
みな素晴らしいので、私からハートやダイヤマークをプレゼントしました。
しかし、このお習字。
時期が時期だけに、審査員の増税に対する、恨み辛みが込められているように感じたのは私だけでしょうか。
税金逃れに、資産は外国へ^^)
この神社、二人の兄弟天皇を祀る珍しい神社です。
天皇の名前を連ねている神社なのです。
仁徳天皇は、前方後円墳で教科書にも登場する重要なお方で、読者の方も良くご存知だと思います。
ここで祀る天皇お二方は仁徳天皇の孫の子、曾孫にあたるそうです。
幼少の頃の想像画です。
由来は物語にして書かれています。
興味のある方はどうぞ、クリックして御覧下さい。
その横にはお神酒があります。
「何時頃に振舞うのですか?」と尋ねると・・。
「ただいま、直ぐ」と、ホント直ぐに出してくれました。
催促した訳じゃ、ないんですけど・・。
一番乗りで、ありがたく頂きました。
舞台では、稽古中(11:58)。
微妙な打ち合わせも兼ねているようでした。
最前列が空いていて、左から二つ目に座ります。
上演にはまだ時間があるので、途中下車して買ってきた握り寿司を取り出し、
座席で昼食。
スパイシーチキンをアテに焼酎も頂き、ほろ酔気分です。
境内では、ビールやおでん、米粉を使ったお好み焼きの販売もありました。
来年はここで食材を調達したいと思います。
食事は終わるが、まだ稽古が続いています。
指導される方の真剣な眼差しが、後ろからでも見て取れます。
1時定刻に司会者登場。
その後お宮の方による神社の由緒などの説明があり、祀っている両天皇が仁徳天皇の曾孫であることを知りました。
最初の演目「しらなみ五人男」
花道から登場します。
農村歌舞伎でこんなイケメン初めてです。
女性の方、どうぞクリックして御覧下さい。
白波五人男とは、
日本駄衛門をボスに、弁天小僧菊之輔、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸の五人の盗賊のことです。
その順番で威勢良く自己紹介をやってのけ、歌舞伎で言うところの見得を切ります。
その五人男です。
続く2名は女性でした。
この赤星十三郎は神戸農村歌舞伎保存会代表の方で、
加藤直子さん。
最後の南郷力丸さんは化粧で性別不明でしたが、
声が丸ごと女性でした。
最後の立ち回りは、かっこ良く決めたい所です。
勢い余ったイケメン、かつらをポトリと落としました!(↓)
意外と、三枚目かも。
演技終わって、その事が痛恨の極みだったようですが、
あとの祭り。
演者による自己紹介のあと、加藤直子さんによるスピーチ。
来年、平成26年4月19日~20日の土日に下谷上農村歌舞伎舞台と上谷上農村歌舞伎舞台にて「全国地芝居サミットin神戸」が開催されます。
平成2年から三代目市川箱登羅先生の指導が始まり、長らく消滅していた芝居を復活させました。
平成12年から、ここ顕宗仁賢神社の秋祭りに奉納させて頂く様になり、震災で一旦消えた農村歌舞伎の火を復活させる事もできました。
震災を乗り越え、20年以上続いている農村歌舞伎を今後も守り続けたく、皆様のご支援宜しく御願い致します。
というようなお話でした。
来年のカレンダーを早く入手して、4月の19日と20日には農村歌舞伎と赤ペンで書き入れないといけません。
続いての演目
「仮名手本忠臣蔵~裏門の場」です。
これも良く知られた「お軽・勘平」のお話。
恋仲のお軽・勘平二人が、ラブラブデートしている間に江戸城では大騒ぎ。
殿中でござるぞ!
の大事件です。
屋敷に駆けつけると表門は閉じられ、裏門に回るが入れません。
途方に暮れる早野勘平です。
そこへお軽がやってくる。
自分が恋にうつつを抜かしている間にこんな事になってしまった と、
お軽を突き放し、関係を絶とうとする。
お軽を演ずるゆきのちゃん、声の通りが良くて発するセリフに抑揚があり、引き込まれてしまいます。
その色っぽい所作には、中学生を超えたものがあります。
自責の念に駆られ自害しようとするが、お軽に止められる。
お互いの愛を確信する気合の入ったシーンです。
そこへ、お邪魔虫が登場します。
お軽に横恋慕する鷺坂伴内(さぎさかばんない)です。
コミカルに演ずるのがポイントでして、
勘平に向かって、お前なんか捻り潰して、
コメンチャにしてやると、のたまう。
勘平が弱い家来全員をやっつけ、
残った、一番弱っちい伴内にトドメを刺そうとするが、
心優しいお軽に諭され、思いとどまる。
すごすごと引き下がる伴内ですが、
ここは笑う場面ではないですよ、勘平ちゃん。
「ひとまず私の在所へ」と、
可愛い、お軽ちゃんです。
家来が居なくなって寂しいのか、用も無いのに伴内がまたも登場。
膜引きに押され、笑いを誘う伴内でした。
最後に全員登場して挨拶ですが、暴れてこんなになっちゃったと、伴内演ずるひとみちゃん。
実は勘平演じるあゆみちゃん(中学2年生)のお姉ちゃん(年齢不詳)みたいです。
すっぴんの家来全員にはハートのお面を贈呈しました。
一番小さな子は初芝居の幼稚園児年長さんで、ただ一人の男の子です。
お軽役で中学3年生のゆきのちゃん。
高校生になるとこの歌舞伎から引退するのでしょうか。
「和服が良く似合うネ」「色っぽいわ~」と、
後ろのおば様達からお声が上がっていますよ。
私としては、この先女優になって登場してくれることを願うのみ。
芸名は、可愛いゆきのちゃんで「河合ユキ」なんかどうでしょう?
続いて第二部。
子供達による和太鼓のあと、兄弟コンビの吉本漫才(名前忘れた)。
私と目が合い「柿みたいで美味しそう~」とのたまう。
着用しているウィンドブレーカーがオレンジ色で、それで笑いを取ろうとしています。
本日のスペシャルゲストは敏江ちゃん。
正司敏江・玲児のコンビで、どつき漫才第一人者として一斉を風靡しましたね。
ひばりさんを一曲歌って、客席に降りてペチャクチャお喋り。
お客さんからお好み焼きを貰いました。
一口齧って美味しいわ~と、オリジナル曲(曲名忘れた)。
この裏で咲いているコスモス貰って大喜び。
「私みたいで、綺麗やワ~」と仰ってました。
コスモスとお好み焼きを抱えて、お帰りです。
敏江ちゃん! そんなに傾けると、綺麗なおべべの上にソースがこぼれますよ。
「写真ドンドン撮ってや~」と仰って、握手までしたので、大公開デス。
この衣装のまま大阪から電車で来たそうで、また電車に乗って帰ります

ややあってビンゴゲームが始まりますが、
私は舞台裏にあるコスモス畑に向かいます。
農村風景に良く似合うコスモスでした。
ゲームは最終段階に入り、嬌声がここまで聞こえてきます(15:45)
少し暗くなり、雨がポツリポツリと落ちてきたので、私も駅へと向かいます

最後まで御覧頂き、ありがとうございました

この記事へのコメント
KURI
yoppy702
大衆演劇は、観た事がありますが、農村歌舞伎と名の付く内容は、観た事がないです。
5年程前から、農村歌舞伎をご覧になっているという事ですが、何か切欠があったのでしょうか?
ビビビッと来たものがあったとか?
それにしても、神鉄の情報誌に載っていないのに、よく、こんな公演情報をキヤッチできますね。
アルクノさんも、触れられてますが、お習字の「税金」見た時、ドキッとしました。
お子様が、こんな事書いてる…って。でも、「税金逃れに…」というアルクノさんの解説、納得です。(^^)
お客さんが入っていても、稽古をしているのは、
農村歌舞伎では、当たり前なのでしょうか?
稽古風景が見られるなんて、何か楽しいです。
イケメンさん、大衆演劇だと、オバチャン達に、モテモテになりそうな感じです。女性ではないですが、クリックしてしまいました。(^^ゞ
で、カツラ、ポロリ。これが、演出でしたら、とても楽しいですね。(^^)
「お軽・勘平」は、コミカルに演出されているのですか? それとも、これが農村歌舞伎の神髄?
正司敏江って久し振りに見ました。
いやぁ~相変わらずの懐かしいお姿です。(^^)
アルクノ
健康に気遣いされていると言う事で、此方としては、その方が羨ましい
私は高額歌舞伎は観た事が無く、庶民歌舞伎に惚れています。
ほんといいですよ。
アルクノ
それも浅く広くです。
知識を広げたいという意識は無く、興味のあることに頭を突っ込むアルクノです。
農村歌舞伎を観るようになったきっかけは、神鉄ハイキングでしたが、ゴールで農村歌舞伎の観劇と言うのがあったからです。
それ以来、この歌舞伎の魅力にはまっています。
昨年の記事にも書いていますが、シリアスなものもありますが庶民が演ずる芝居なので、このようにオチャラケ部分が入っています。
素人さんなので、演者も観客もトチリや失敗を楽しんでしまうと言う大らかさがありますね。
伴内のコミカルさは演技で、イケメン君のかつら落下はハプニングだと思います。
笑わせるものが好まれたので、演技としてかつら落としが仕組まれたこともあったと思います。
今回の情報は、神戸のアートやイベントに関するチラシで見つけました。
駅置きチラシです。
肝心の神鉄情報誌に載っていないのは、ライターの不手際でしょうか。
私も税金と外国でドキッとしました。
多分、親の言ってる事を漢字にしただけと思いますが、それを選んだ審査員の頭が気になりました^^)
上演直前に舞台での稽古は始めて見ました。
朝の大雨で実施があやふやだったので、朝稽古ができなかったのかもしれませんね。
来年もあるので確認してみます。
正司敏江さん、庶民らしさが出ていて観客に大うけでした。
歌を歌って元気一杯です
凡稔
静岡県西部にも有名な子ども歌舞伎が残っています。
正司敏江さんが出ていますが、それは大受けだったでしょう。TVでは、漫才の中でよく「飛びけり」を食らったりしましたよね。
てくてく
歌舞伎舞台を再建した地域だけあって、地域の人々の熱の入れようも凄いと思いました。
農村歌舞伎は、地域の人々の娯楽でもあったので、あまり大大的に、宣伝しないのかも・・・
コスモスの咲く里で、伝統芸能が受け継がれてゆくといいですね。
楽しいお話、有難うございました。
てくてく
風子
木津といえば西区なので、多分この歌舞伎のことも、神戸市の広報などで紹介があったと思うのですが・・
毎年10月に行われているんですか・・
近いので行けなくはないですが、車を止めるような場所はないですね
吉本の芸人さんたちまで出演されてるのにもびっくり
お天気にもどうにか恵まれて、楽しい1日が過ごせて何よりでした~~
アルクノ
この農村歌舞伎復活の話が立ち上がったのは、地元の小学校でした。
二十数年前の事で、当初その学校名が座名に入っていました。
最初の頃から観ていなかったのが悔やまれます。
その後、体験歌舞伎などのカリキュラムが組まれて広がっていき、社会人や年配グループの歌舞伎も演じられるようになりました。
もう絶える事はないと思いますが、観客あっての舞台です。
私のブログを見て頂くことで観客が増えることを願っています。
正司敏江さんが飛び蹴りを受けるシーンは脳裏に焼きついています。
今は一人なのでその再現は無かったです^^)
アルクノ
何時も子供達がメインで、大人の方は前座という雰囲気です。
演技力が凄いので、毎度見惚れてしまいます。
毎年演者の顔ぶれが変わっていくのも楽しみの一つです。
観客は地元中心ですが、中には明石から来られた方もいて、私にように情報を仕入れたようです。
これからは私が広めていくので、大盛況になるかも
このコスモスお持ち帰りOKで、もう無いかも
コスモスの時期に歌舞伎を奉納する、と言うのがいいですね。
アルクノ
コスモス畑の横が駐車場で、十数台ほどが止められるスペースです。
私が帰る頃、半分以上空いていましたから大丈夫です。
神戸市の広報でしたかね、私もそれで見つけてやってきました。
衣装も手作りが多いので、暴れると「ひとみちゃん」のようになってしまいます
芸人さんを呼ぶなんて情報は仕入れていなかったので、私もビックラしました。
宵山は6時までなので、最後は傘を出してだったかもですが、歌舞伎は涼しい雰囲気で観る事ができました。
花咲か爺
アルクノ
今回ここで農村歌舞伎を観たのは初めてですが、これから毎年通う事になると思います。
趙民の娯楽としてあった農村歌舞伎を、このように秋祭りに奉納する事も知りました。
衣装も演技も自分たちで作り上げた、心温まるお芝居です。
来年からは、さらに遠方よりお客さんが来てくれると嬉しいですね。
これからも続くよう、
私がこのようにブログで発信して、
観客を呼び寄せられたらと思っています。
かっぱちゃん
素朴な人情がいっぱいのお祭りに記事を読んでいて癒されました。またアルクノさんの文章&写真がうまいんだもん!!(^^)
漫才の敏江さん、久しぶりに拝見しました。私が小学生のころよくテレビで見ました。あのころから、お変わりなくかわいらしいかんじの方ですね。彼女のプロ根性はすごいって思います♪お元気そうで良かった。
アルクノ
最初に観た農村歌舞伎は5年ほど前のこと、ハイキングのゴール地点が丁度歌舞伎の舞台でして、ほんと偶然でした。
それから可愛い子供達の熱演にはまってます。
高齢の方が娘役を演じたりすることもあって、ユーモラスですよ。
かっぱちゃんにも観て欲しい農村歌舞伎ですが、其方の方にはな無いのかな?
最後の敏江ちゃんは、プログラムの内容も知らずに出かけたのでサプライズでした。
喋り方は昔のまんまで、おんなじ!
歌を歌っているせいか、とても元気でしたよ
ゆきの
勘平と伴内のお母さんにこのブログのことを教えてもらいました(^^)
たくさんの写真やコメントからしっかりと観てくださっているのが伝わってすごく嬉しいです。
声や所作に関することまで書かれていてとても励みになりました!
下谷上でもご覧になっていたんですね。感激です。
みんなで一生懸命活動しておりますので、これからも
箱登羅たから歌舞伎をよろしくお願いします。
アルクノ
暖かいコメントに感激しています。
ゆきのさんの演技は自然で基本が出来ている上に、所作も魅力的でした
これからもしっかり応援します。
来年も出演されるのでしょうか。
楽しみにしています。
見て頂いた、勘平さんと伴内さんのお母様にも宜しくお伝えください
ポジテイブオーラ
形式にとらわれずに自由で伸び伸びした
雰囲気が良く分かりますね!
神戸の山田にも農村舞台が残されて
いますね。
アルクノ
庶民が手作りの衣装で手作りのお芝居を演ずるというものらしいですが、復活させて地元の人がその昔の舞台を使うと言うのがいいです。
山田の里の下谷上農村歌舞伎舞台は何度か行きました。
最初観たのは、このブログ開設以前の神鉄ハイキングでして、そのゴールがこの農村舞台と言うものでした。
2012年から2015年まで6件の記事しか投稿していませんが、今も続けられていると思います。
私のレポは途絶えてしまいましたが、これも復活させないといけませんね