小塩山(おしおやま)☆☆☆(2013.07.17・水)

順位 17位 アクセス数3651(2019.6.30調査)

京都・滋賀50山の小塩山で、難易度は☆☆☆
ガイドブック(以下ガイド)「京都滋賀日帰り山歩50選」では「おじおやま」ですが、金蔵寺奥の権現堂登山口に京都府が設置した説明版には「おしおやま」と振り仮名があり、ウイキペディアでも「おしおやま」。
コースです。
阪急東向日駅=阪急バス=南春日町バス停(270円)~一願不動明王~金蔵寺~淳和(じゅんな)天皇陵・小塩山(642m)~小塩山林道終点~ハイキング道~車道出合い(京都府道141号小塩山大原野線)~勝持寺(花ノ寺)~大原野神社~鯉沢池~南春日町バス停=阪急バス=阪急東向日駅→餃子の王将でチョイ飲み。
で、距離は6.7km。
小塩山で昼食、下って鯉沢池でバス待ちの時間調整で休憩です。

ガイドは小塩山にある電波塔下から「→南春日町バス停」のハイキング道を下るようになっているが、これがとんでもないデンジャラスな道。
山頂から下る京都府道141号小塩山大原野線と数回出合うので、私達は2回目のクロスポイントで山道と別れて車道を下った。
一般の方にはとてもお勧めできない道で、メンバーも数回転倒した。
ここだけ☆×5です。
詳しくは最後の方で説明します。


参加は前回ポンポン山から2名が抜けて、6名。
神戸方面からケンさん、モクさん、六子さんとアルクノ。
京都からSugarさん、滋賀からNさんです。

阪急東向日駅で乗車する阪急バスは63・65系統:南春日町方面行きです(9:12発)。
NさんはJR向日町駅から乗車していて、バスの中で挨拶。
平日はガラガラで全員着席。
20分ほど揺られて南春日町バス停で下車する。

ケンさんからの配給と電波塔の建つ小塩山のツーショット。
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ここに付近観光案内図(赤←)があるが車道しか描かれておらず、歩いたコースの書き込みを断念する。
山に向かって歩くと直ぐの分岐は左へ(9:41)。
帰路はこの右から降りてくる。
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ここに東海自然歩道の道標があり、金蔵寺へは2.4km。
次の分岐も左。
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暫らくは角毎にある道標を確認しながら歩きます。
舗装路を登って行くと竹林になり、
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山に入って行く雰囲気だが、その先で高速の下を潜る。
道標が無いので不安になるが、地元の方に尋ねるとこの道でOK.
トタンのフェンスが並ぶ道が山に入るみたいだが、また住宅地。
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上がると「平左衛門」と人の名前が入った社名の醤油醸造工場がある。
落石注意、通行注意と書かれた舗装路を登って行くと、昼夜各一組限定のお店、
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フレンチと和の出合い「ブランシュ」がある(10:02)。
予約が必要で一人8000円からだそうです。
Sugarさん、女子会にどうでしょうか?

川沿いに上って行くと道標があるが、これは車用のもので、
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ハイカーは直進する(10:08)。
ここから金蔵寺は800mで、上がるとやっと登山口。
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落葉を踏みながら上がると分岐がある。
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ガイド通り左へ向かったが、右は急坂と言うだけで同じところへ出る。
3分で一願不動明王の前に出るが、スタスタ車道を登る仲間を呼び戻す(10:19)。
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ハイキング道はこの左で、道標も良く確認しましょう。
私は写真を撮りながら、抜き取ったガイドも確認しながら、
仲間を正しい方向に・・^^)
ここで小休止。
山に入ると、天王山にもあったコンクリートの丸太による土止めの段々があり、上がると先ほどの車道に出る。
その左に登り口。
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昔からあった参道を縫うように車道が付けられている事が分かる。
昔からある石段と、
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新たに付けられた土止めです。
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なだらかになった先で、回り込むように上がる。
最後の登りのあと、金蔵寺の仁王門になる(10:40)。
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ここまでガイド通り丁度1時間で、登りの中間点です。
塞ぐように置いてあるのは入山料200円を入れる箱です。
真面目に投入して、階段を上がるが、
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その手前にトイレがあったので拝借。
階段を上がって撮影です。
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秋には紅葉が綺麗だろうな、と思っていると、
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早くも一部が紅葉していた。
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更に階段が続くが、上がると西岩倉山金蔵寺本堂。
その右にある権現堂登山口と表示のある方へ。
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鳥居を潜って
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階段登ると権現堂。
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その左に登山道があるが、左にしか行けないようになっている(10:57)。
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ガイドにある金蔵寺辺りの表現が省略し過ぎてやや不適切で、ウロウロしました。

金蔵寺について少し説明します。
建立は718年(養老2)元正天皇の勅願で創建された天台宗の古刹。山の斜面、石垣と石段の間に堂宇が建ち並ぶ。高さ約12メートルの産(さん)の滝、鳥帽子岩、影向松などがある。
平安時代以後、当寺は西山の名刹(めいさつ)として栄えたが、応仁の乱へと続く戦乱によって建物はすべて焼失し、歴史を伝える古文書や記録は失われた。  
現在の建物は、元禄四年(1691)、将軍綱吉の母、桂昌院によって再建されたもので、本堂には十一面千手観音像を安置する。本堂背後には、明治初年に愛宕山より本尊、勝軍地蔵像を移して祠っている。このほか、山内には当寺の伝承にまつわる遺跡が多い。
とあります。
ここは、京都市西京区大原野南春日町に位置する。

上の写真で山頂まで40分とある所から数分急な坂が続く。
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上がるとなだらかになり、
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天皇陵道に出合う。
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ここから角度が競りあがってワイルドな道になる。
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九十九折や抉られた道もありました。
緩やかになった所で小休止。
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Sugarさんより、焼きプリンを頂く。
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ペロリと食べて歩き出すと、森林公園への分岐があった。
ガイドにはそこから20分で車道に出るとある。
しかし所要2分だったので、ミスプリントですよ京都新聞出版センターさん。
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山道を5分行くとまた車道に出る。
右15mほどの所から再度山に入ると、2分で摩耶山のような電波塔が並ぶ所に出る(11:44)。
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左に向かうと分岐があり、左の淳和天皇陵へ。
入ると注意書きがあり、周りの物を切ったり取ったりしないように、とあります。
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写真だけ撮るようにします^^)
こんな道を進むと、
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山頂にある淳和天皇陵。
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この淳和天皇陵について説明します。
こんな高い所に天皇陵があるのは他に例を見ないそうですが、その理由です。
淳和天皇は陵墓を築く事を禁じた。
火葬の後遺骨を砕いて粉にし、小塩山頂付近から近臣藤原吉野の手によって散骨されたとされる。
遺言通り風葬にされたわけです。
元祖「千の風になって」ですね。

山陵を築く事を禁じられていた為「延喜諸陵式」に陵墓が記されておらず、当地は長らく小石で築かれた円塚のみであったが、幕末の陵墓修復の際、小塩山山頂付近に大原野西嶺上陵(おおはらののにしのみねのえのみささぎ)と称する陵墓が築かれた。
遺言に逆らい、淳和天皇の先進性を理解できない後世の人により陵墓が築かれた訳です。
秋川雅史さんの歌声が聞こえてきます。

この山の麓には灰の字が入る地名が多い。
前回ポンポン山から下ったのは灰出(いずりは)と言う処。
他には灰方、灰谷の集落もある。
風葬の故事に由来するとも言われるが、石灰岩の産地で石棺などを加工してきた事が地名の正しい由来らしい。


眺望はゼロ%で、立ち入りも禁止(11:49)。
仕方なく、少し戻って木陰で昼食。
小さな虫や蟻んこが多くて、早々に退散する。
食後戻って、分岐を右に行くが鉄塔があるだけで、展望は無し。

下山は電波塔下にある「→南春日町バス停」と小さく書かれた所を下る(12:25)。
最初はなだらかだが、整備不良でワイルドな急坂へ変貌する。
しかも岩がゴロゴロしていて、雨水で抉られた窪んだ道です。
2日前の雨で湿っており、道に泥が乗っている感じで、滑りやすいことこの上なし。
Nさんが散策した事があると言うことで先頭を行ってもらったが、数回転倒。
あまり写真を撮る余裕も無かったが、こんな道。
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右の斜面を下ろうとするが道は無し。
2度目の車道出合いで、
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こんな道とはオサラバします(13:13)。
皮肉にもこの車道からの眺めが一番良かった。
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安全な道をゆっくりと下ります^^)
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しかし右斜面は急坂で、あの道を下って行けば冷や汗だらけで疲れたしょう。
下ったところに車止めのバリケードがあります(13:42)。
この京都府道141号小塩山大原野線は平成12年より一般車両の通行が禁止されています。

更に下りきると丁字路になり東海自然歩道に出合う。
右折200mで花ノ寺・勝持寺。
道標に従って行くと500mで大原野神社。
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近くの鯉沢池で30分ほどの休憩です(14:07~)。
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ここから南春日町バス停までは10分なので時間調整です。
14:03のバスのあとは15:03まで無いのです。
休憩中、ケンさんから冷たいパイナップルを頂きました。

ガラ空きバスに乗車し、阪急東向日駅で下車します。
駅前にある餃子の王将で乾杯
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このあと餃子は各自1人前を頂いてお開きに。

Nさん、JR向日町駅まで徒歩5分なので歩いて向かいます。
夫々分かれて帰路に付く。

次回また楽しく歩きましょう。


今回のコースは逆にした方がいいようです。
それも暫らく雨が降っていない時期がいいと思います。
雨水専用道路のような抉れたデンジャラス道は、泥が被さると滑りやすくてとても危険。
これがガイドには書かれていないのです。

私達が登った道は、金蔵寺までは参道で、そこから天皇稜へは整備された道で、下りに使っても大丈夫です。


京都・滋賀50山はまだまだ延々と続きますので、乞うご期待!


長文を最後までご覧頂き、ありがとう御座いました

この記事へのコメント

  • てくてく

    史蹟や古刹の多いコースの様ですが、この時季は暑そうですね。
    道の状態は、現地に行って見ないと判りませんね。ガイドブックは、参考程度って事がよく判りました。^_^
    暑い中、お疲れ様でした。がうまそう・・・
                        てくてく
    2013年07月19日 10:42
  • 風子

    暑いのに、皆さん、お元気ですね
    っていうか、歩いておられるので、お元気なんでしょうけど・・
    虫除け対策はやっておられるとは思いますが、この時期はそういった虫の被害にも遭遇しますものね
    危険な箇所もあったようですが、怪我もなく、皆さん、完走されて、やはり最後の美味しいビールが一番で
    しょうか
    熱中症にはくれぐれも、お気をつけて・・
    お疲れ様でした
    2013年07月19日 11:37
  • アルクノ

    てくてくさま、何時もありがとう御座います。
    この日は午後から雨の予報だったのに、逆の晴れになり期待外れでした^^;
    短いガイドブックの文章は当てにならないことを改めて知りました。
    私みたいに実際に歩いた人のブログを確認しないといけませんね^^)
    には最高でした
    2013年07月19日 14:02
  • アルクノ

    風子さん、ありがとう御座います。
    虫除け対策はあまりやっていませんね。
    クリームやスプレーとかは、汗を拭いたタオルで目に入ったりすると大変です。
    携帯蚊取り線香とか電池での虫除けなど考えないといけませんね。

    今回はデンジャラスな下りで、尾骶骨や膝などに多少の被害がありました。
    でも無事下山できたのが何よりです。
    熱中症予防の為、今まであった道中のアルコールはご法度にしました。
    猛暑歩きの最中に、アルコール摂取は熱中症を引き起こす一因だそうです。
    なので、最後のビールは最高でした
    2013年07月19日 14:19
  • 凡稔

    古刹、陵等があり歴史を学べるコースですね。山の中の参道・山道は展望が利かなかったようですが・・・。でも車道から見える景色は、都会周辺の山らしくなかなか見応えがありますね。いつもながらビールでお開きは羨ましい限りです。良かったですね。
    2013年07月19日 19:02
  • アルクノ

    凡稔さん、何時もありがとう御座います。
    今回は歴史の勉強のようになりました。
    最後にガイド通りに歩かなかった事が、いい景色を眺められることになりました。
    これが標準コースになるかも知れません
    居酒屋は大体5時開店なので、何時も中華料理屋を探してビールを飲んでいます。
    2013年07月19日 19:20
  • 清兵衛

    京都・滋賀50山ですか!
    関西は歴史の趣のコースがありますね
    元祖「千の風になって」の話し
    いつの時代にも、先見の明がある
    淳和天皇のような方がいるんですね!
    2013年07月20日 15:44
  • アルクノ

    清兵衛さん、ありがとう御座います。
    この京都・滋賀50山シリーズ、まだ始まったばかりで全山行けるかどうかも分かりませんが、ぼちぼち進めます。
    淳和天皇の真意は不明ですが、勝手に「千の風になって」としました。
    天皇になれら方がお墓は不要と言っているので、庶民も考えないといけませんね!
    2013年07月20日 15:53
  • yoppy702

    お疲れさまでした。
    「ここだけ☆×5」と言われていたので、「エッ?」と思って見ていました。
    この下山道が、ガイドブックに載っている道なんですか?
    かなりヤバそうです。ガイドブックに載ってるコースといっても安心できませんね。

    南春日町バス停で撮られた、小塩山を見ると、あんなに遠くに見えると、気持ちが揺らぎます。ボクの場合、いつも、目的地が見えて無いので、歩いてますけど。(^^ゞ
    東海自然歩道なのに、このコースもハイカー用の道標があまりなさそうですね。もっと整備してくれても良さそうやのにと思いますが、やっぱり、☆×3だからでしょうか?
    道標があっても、しょっちゅう間違うボクには不向きですね。

    昔からある石段って、なんか崩れ落ちそうで不気味。その後も石段が多くて…さすがに、古いお寺という感じで、登山道に入ると、やっぱり…って感じですね。
    なのに、電波塔を見ると、不思議です。

    山頂の天皇陵の説明、ありがとうございます。
    元々は、キチンとした天皇陵がなかったんですね。天皇でも、散骨されるという事があったというのは以外でした。
    ところで、勝持寺と大原野神社は、若い頃に行った事があるのですが(写真を撮りに)、全く、記憶に残ってません。ちょっと情けないです。
    2013年07月21日 00:58
  • アルクノ

    yoppyさん、ありがとう御座います。
    今回、一般向けのガイドビックにしては不適切なコース設定だと思いました。
    一般向けの場合、下山する時「天皇陵道に出合う」と言う所まで戻って、そのまま天皇陵道を南春日町まで下る方法があります。
    それか、電波塔からそのまま管理道路を下ると眺めも良いので一番お勧めですね。

    確かにバス停から山を見上げると遠くに見えます。
    でも、この暑い夏に阪急側から六甲山頂へのロングコース行くyoppyさんはモット凄いです。
    歩いた距離はその半分以下ですから

    道標も適切には立っていないので、間違うポイントはいくつかありました。
    しかし、この記事をコピーすればOKです

    「ここから金蔵寺は800mで、上がるとやっと登山口。」からが趣のある道でした。
    この東海自然歩道は金蔵寺からポンポン山へと続いているので、yoppyさんにはそのコースがお勧めです。

    淳和天皇陵のことはガイドブックに書かれていて、その影響力が残っているうちは守られる遺言も、後の世では反故にされるものだと思いました。

    大原野神社へは3日しか咲かないと言う千眼桜を目当てに行ったのでしょうか。
    近くの鯉沢池はのんびりできるいい所でしたよ。
    アルコールポイントでしたが、脱水症状予防の為駅前で頂きました
    2013年07月21日 07:56

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