御嶽は、兵庫県篠山市にある標高793mの山で篠山市の最高峰、多紀連山の主峰である。
三嶽とも表記する兵庫50山の一つである。
(ふるさと兵庫100山にも入っている。)
御嶽は小金ヶ嶽(726m)、西ヶ嶽(727m)の三座からなる多紀連山の最高峰で、石室のある東峰と三角点のある西峰からなる。
この石室には修験道を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)が祀られている。
山頂からは素晴らしい展望が望め、秋にはしばしば雲海がみられる。
鎌倉~室町時代に丹波修験道場の中心地として栄えたが、1482年、大峰山(奈良県)に代表される大和修験道との争いに敗れて主峰御嶽の南側直下の大岳寺などが焼き払われた。
とあります。
更に有名なのは、大岳寺跡近くの湿地にクリンソウの群落地があることです。
クリンソウは鹿が嫌う植物で、そのクリンソウを残して下草を食べるため、鹿が増えたことでこのような群生地が残されています。
その区画にはむやみに入ってはいけないとして保護されています。
鹿が保護してくれているクリンソウを人間が荒らしてはいけないのです。
名は、五重塔などの上にある九輪に似た形で茎と花芽を伸ばして周りに花を咲かせるのが由来となっています。
九輪ではなく五輪程度で終わることもあるようです^^)
多紀連山では熊の目撃情報も寄せられていて、周辺の山は厳戒態勢に入っています。
単独での登山は危険で、グループ行動が望まれます。
今回山頂へ向かう途中で、下山する20名ほどのグループに出会いました。
多分その情報を得ての行動だと思います。
私達は、植物博士さん、モクさんとアルクノ3名グループでしたが。
この前置きを頭に入れて頂いて、以下本題です。
植物博士さん運転の車で、篠山市役所の北東にある「みたけ会館」に向かう。
「みたけ会館」には篠山自然の会の会長さんが、その会長も兼務している「多紀連山のクリンソウを守る会事務局」がある。
植物博士さんはここの会員で私達も挨拶に向かいます。
入館して地図も頂いたが、今回のエリア拡大写真です。
クリックしてご覧下さい。
「みたけ会館」から県道301を通り、火打岩(ひうちわん)近くまで行きます。
そこから御嶽山頂の往復で、距離は約7kmです。
大岳寺(みたけじ)跡から山頂往復が岩場もある厳しい道で、修験者気分も味わえます。
ただその岩場を下るときは後ろ向きを強いられますが。
ここがスタート地点。
掲示されている地図に赤いラインでコースを描いてみた。
横には「多紀連山 県立自然公園 兵庫県」と板に白字で書かれた看板がある。
舗装路を3分ほど行くと、この道標です。
このお屋敷の左側をを右に曲がる。
こんな所が登山口なのです。
畦道みたい所を登っていくと、畑を荒らされないように獣避け扉がある。
猪・鹿・熊対策用でしょうか。
中に入ると、近畿自然歩道の道標です。
これだとスタート地点から山頂まで3.1kmですが、クリンソウのあるところを往復したので歩いた距離は約7キロです。
さすが近畿自然歩道と思いながら、
整備された階段を踏んで高度を上げる。
過去にこの斜面で育てていたお茶が自生しています。
新芽を持って帰ると生茶が頂けますね^^)
道中、植物のことは植物博士さんに教わりました。
階段が終わると、
急坂になり、
更に急坂の尾根に入る^^;
その先で多紀アルプス修験の道になる(11:02)。
御嶽山頂はここを右に2.4kmとあります。
なだらかな尾根になり、木々の間からはお隣の山が眺められます。
一部山肌が露出したところを登って、山中に入ると倒木が目立つようになる。
左にある青いテープは「松茸を取らないで」と言う印です。
その青いテープが続くなだらかな道の先に、鳥居(とりの)堂跡です。
更に遊歩道のような水平道が続き、
公園を歩いているような気分になる。
道中、松が何本も枯れているようです。
これも松食い虫にやられてこうなったのか、キノコが付着しています。
キノコが生長していること自体、この木は既に死んでいると言う証です。
樹皮の表面に白いカビが生えているのもあったが、衰弱し切っているのか息も絶え絶えと言うことだそうです。
日当たりが悪いせいでしょうか、そんな松が多かった。
クリンソウ群生地への分岐です(11:33)。
入ると3分でこの様な表示がある。
直ぐ夫婦橋を渡るが、
その脇にアンケートボックスがある。
中には最初に紹介したパンプレットの地図が置いてありました。
下ると水が少し流れていて、窪地にクリンソウが咲いています、
中に入ってはいけませんが、脇に咲いていたのをカメラに納めました。
まだ咲き始めで、これが上に延びて花の輪が重なります。
見頃はもうチョッと先みたいですが、群生しているここでランチにします(11:43~)。
九輪草の後ろには通常供養塔としてある五輪塔(下から地・水・火・風・空の五輪で、古代インドでは宇宙の構成要素)があります。
山椿も彩りを添えていました。
私のランチは来る途中のコンビニで購入した白身フライのり弁当です。
乗っている三種の漬け物は植物博士さんの自家製。
左下から白菜・胡瓜・沢庵ですが、ありがとうございます。
私が調合した焼酎水割りと共に美味しく頂きました^^)
食後立ち上がると、直ぐ近くに「篠山市宮田川沿いの桜並木を散歩(2013.04.13)」しながら紹介した、「地獄の釜の蓋」があります。
これは、ネーミングした人が地獄見学ツアーに参加して~その釜を実際に見てきた~、と言うことでは無いそうです^^)
薬草としてあり、その効能で、地獄へ行くことに蓋をされたと言う意味でした。
あとで知ったことだが、この群生地を進むと登山道に合流するそうです。
私達は分岐まで戻って、山頂を目指す。
その分岐から6分で水のみ場になる。
枯れているが、かつては水が流れていたのでしょう。
そこから4分で大岳寺(みたけじ)跡。
冒頭で説明した事がここに書かれています。
ここを過ぎると岩場と急坂が続く道になり、
岩場を抜けると、
見晴らしが良くなります。
山頂へあと一踏ん張りですが、ここで小休止後、
根っこを踏みながら急坂を登る。
山頂直下の休憩所を通過し、
この右上が石室のある山頂。
鉄格子にカメラを突っ込んで中を撮影です。
右下にはドリンク缶も転がっていたので、避難小屋としても使われているようでした。
ここに温度計があり14度を指している。
風も出てきて少し寒い。
その左へ行くと、三角点のある山頂です。
御嶽山中継局と書かれていました。
モクさんが手を付いている南の方角に六甲があるとの表示ですが、
遠くは確認できず、イマイチでした。
まだ、コバノミツバツツジが咲いていたので癒やされます。
上からですが、斜面の下にはマムシソウが連なっていました。
ゼンマイも伸びていて食べ頃です。
下山途中で、邪魔になる木を切り取った植物博士さん。
真っ直ぐなので杖に使えそうですが、自宅で植物保護のネットを括る支柱にするそうです。
登り始めでパラパラ、山中では雨が止み、なだらかになった下山道で雨が降ってきました。
下りは思ったより早く、1時間15分ほどで下山です(14:43)。
まだ早いので、予定外ですが「道の駅あおがき」(兵庫県丹波市青垣町)へ向かいます。
そこで植物博士さん所望の綿の種が頂けるとのことです。
今が丁度種蒔きの時期と、係の方が言っていました。
花が咲いた後、秋になるとこのように弾けて綿が膨らみます。
道の駅あおがきに展示してありました。
帰路は雨と風の中、高速で帰ります。
このクリンソウが群生している場所は結構高度があるので、5月中旬以降も咲いているみたいです。
今年桜の満開が早かったのでこの時期にしたが、ゴールデンウィーク前後で気温が下がって例年通りになりました。
雨が降った翌日はズルズルになりそうな登山道です。
訪れる前日は晴れの方が良いと思います。
私も、時期を調整して満開の時に又訪れたいと思いました

最後までご覧頂いて、ありがとうございました

この記事へのコメント
てくてく
御嶽の急な所で、本降りになる大変。大した事なくてよかったです。
綺麗な花は、ヤッパ苦労しないと見れませんね。お疲れ様でした。
てくてく
アルクノ
クリンソウは一週間後位の方が良かったですね。
みたけ会館で咲いていたものは五輪くらいになっていました
天気予報は日中から雨でしたが、何とかもってくれてほんと良かったです。
ヒカゲツツジと同じように、美人の花に出会うのは大変ですね
帰宅後シャワーを浴びて、直ぐになりました
風子
咲き揃えば、綺麗でしょうね
鹿が嫌う植物ってことは、ここの山には鹿もいるってことでしょうか?
山ツツジがこんな時期でもまだ咲いてるんですね
って言うか、私の思ってるものとは種類が違うのかな
”みたけ”って名のつく山は日本には多いみたいで、タイトルを見たとき、東京奥多摩の御岳を想像してしまいました
若い頃に東京に住んでて、その頃登ったことがあったからです
綿の花の種が貰えたのですね・・植えてどのくらいしたら、花が咲き始めるのかしら・・楽しみですね
アルクノ
六甲高山植物園の九輪草は人が育てたものと思いますが、一斉に咲くと綺麗ですね。
ここはほぼ自然のままなので、より価値があると思います。
桜草の仲間で、本家の桜が早かったので此方も早いと思ったのが間違いでした^^;
鹿が増えて来たので、クリンソウが守られていると言う話でした。
特性の樹皮を食べる鹿さんなので、その樹皮が禿げた証拠もありましたよ。
これはコバノミツバツツジで、山では五月中旬でも咲いています。下で枯れていても、この山頂は摩耶山とほぼ同じ標高なので満開でした。
山ツツジはたまに紅紫色がありますが通常は朱色ですね。
御嶽っていうのは山岳信仰から来ているのでしょうね。
多くはここの様に、修験道として使われていたのだと思います。
綿の種は全て植物博士さんに差し上げてしまいました
オキザリスでは頑張りましたが、あまり植物を育てるという気持ちが無いので
綿の花は短命な花で一 日でしぼんでしまいますが、暑い時期は次々と咲かせるそうです。
yoppy702
「大岳寺」の滅亡など、この地も、古を偲ばせる地、その中に、近畿最大級のクリンソウ群生地…
こりゃー、行きたくなりますね。
でも、熊の目撃情報で厳戒体制。
単独不可。
なんせ、熊よけの鈴って効果が無いらしいですからね。
鹿がクリンソウが嫌いで、クリンソウを残して、下草だけを食むなんて知りませんでした。
そして、そのお陰で保護されている。
鹿君、粋なことをなさるんですね。(^^)
クリンソウの名前の由来は、最近知りました。
「九」を連想するので、やっぱり数えたとか。
目の前にあれば、ボクも数えてしまいますね。
登山口にまず、ビックリ。
なんか、コワイとこに行きそうな気配が…
でも、比較的整備されているんですね。
クリンソウの咲き始め…
4.5輪位ですか?(^^)
メッチャ、可愛いし、綺麗な色してる。
鹿さん達は、嫌いというより、可愛いので、食べなかったのかもしれません。(^^ゞ
「大岳寺跡」を読んで、山岳宗教の凄まじさを感じました。
この後の岩場がスゴイですね。
まさに、修験者です。
修験者達は、苦しさの後に、この素晴らしい景色を見て、何かを祈ったんでしょうね。
以前に、あるブログで、綿の種を植えられて、花が咲き、綿が出来るまでを見た事があります。
感動的でした。
綿の種、アルクノさんの記録を、又、拝見したかったですね。
アルクノ
木曽の御嶽山(おんたけさん)が全国にある御嶽(みたけ)の総本山かも知れませんね^^)
大岳寺のことは今回知りましたが、昔の僧は武士と同じ感覚で争っていたのでしょうか。
ここ大岳寺は本家の大峰山よりも栄えていたそうで、勢力関係が微妙になっていたのでは?と思いました。
大峰山系山伏の怒りは大岳寺が栄えていた事に対する嫉妬だと思いますが、大岳寺の方も天狗気分でPinocchio Loadになっていたのでは?と思います。
本家の誘いを断ったことが破滅に繋がりましたね。
どっちもどっちですが、やはり、本家を大事にしないといけません^^)
鹿さんに、クリンソウ保護に多大なる功績を残したとして勲章を授与しないといけません。
と言うことで鹿狩りをしては駄目ですね。
鹿はクリンソウが可愛いので食べなかった!
これは新説です。
次の学会で発表したいと思います
クリンソウの由来は九輪と言うよりその形のような気がします。
ただ、生育環境が良ければ九輪になるかも知れないので、来年かそれ以降に満開の時期を狙って確かめます。
今回、山は何処まで整備していいものかと考えさせられました。
途中遊歩道のような所があったとしても、岩を掴んで厳しい所を登るのが本来の山ですからね。
眺望を楽しむ為にも、多少の汗は必要だと思いました。
yoppyさんが単独で行く場合は、熊対策用の護身用アイテム(竹細工)をお貸しします
綿の栽培も来年以降と言うことで、宜しくお願いします
清兵衛
信仰の山ですね!
関東にも幾つかあります。
昔は山は修験道場でしたから
新緑とミツバツツジの風景がいいですね
そして目にいくのがお弁当(爆!)
かっぱちゃん
とっても可憐なきれいな花ですね~(^^)
地獄の釜の蓋という花も、名前はすごいけど、かわいらしい花です。
もし、どこかで見かけたら「地獄の釜の蓋ちゃん♪」と呼ぶことにします。
子どもが小さかったとき綿の種をまいていっしょに育てたことがあります。花がとてもきれいでした。でも、ちょっと油断すると貝殻虫がついて大変でした。綿が採れて小さなフェルトのお人形を作ることができました(*^^*)
アルクノさんお手製調合の焼酎とお漬物、おいしそうです。
アルクノさんのブログの写真は、コンビニのお弁当でもすご~くおいしそうに見えるんですよね~(よだれ)
アルクノ
ここも、五大山と並んで修験道場でした。
そんな山に綺麗な花が咲いているんですね。
昔は、花なんて何処にでもあるものと思っていましたが、最近は意味があって咲いているんだ、と思うようになりました。
こんな山で食べる弁当は美味しいですが、この時は格別でした
アルクノ
この花、可愛いと感じて頂けましたか。
クリンちゃんも喜んでいることと思います
「地獄の釜の蓋」もその名前に似合わず可愛いですね。
私は簡略化して、これから「ふたちゃん♪」と呼ぶことにします
かっぱちゃんが育てた綿の花、さぞかし可愛かったでしょうね。
出来たふわふわの綿が、その後の作品に活かされているような気がしました。
このコンビニのお弁当、とても美味しかったです
漬け物も最高でした
焼酎は何時もの味でした