山友と天王山へ(2012.11.06)

9月にケンさんと下見した「天王山から十方山へ(2012.09.06)」を下地に今回のハイキングを実施しました。
https://arukuno.seesaa.net/article/201209article_1.html

その9月のときは、同月18日実施予定の下見でしたが、雨で流れて11月6日実施の運びとなりました。
コースは阪急・大山崎駅(9:47)~宝積寺~天王山(270m)~柳谷方面分岐~楊谷寺(ようこくじ)~柳谷道~奥海印寺バス停(13:40)で、地元の巡回バスに乗車して阪急・長岡天神駅に向かいました。
下見のときの十方山と乗願寺はカットしてシンプルにしました。
当日朝まで雨が降っていたが、曇天の後お昼には晴れるという展開になりました。
元々山頂には展望が無いが、道中も靄がかかっていて下界も曇っていました。

下見の時は藪蚊の大軍と戦いましたが、今回は11月なのでそれらに悩まされる事もなく、天王山山頂までのトレイルにある天下分け目の合戦の様子を著した堺屋太一作「秀吉の道」をじっくり拝読することができました。
その、合戦の様子を絵図と共に撮影し、右中断にあるアルバムの方に掲載していますので、お時間があれば御覧になって下さい。
文章を写したものは、クリックして大きくすると読めるようにしています。


今回は前回とは少し視点を変えて、季節が感じられるような写真も交えて紹介していきます。

ケンさん、モクさん、六子さん、アリマさんとアルクノが阪急・大山崎駅で下車する(9:30)。
駅前のコンビニで弁当を購入し、モクさんから頂いた可愛いアンパン頬張って、駅を背にして数歩行くとこの石標が右にある(9:47)。
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細い路地の突き当たりがJRの線路で、
右に行くと踏切です。
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渡ると、天王山の登り口があるという按配です。
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路地に入ってここまで2分でした。

坂を上がると3分で右に階段があり、足ならしに上がります。
石段にいたのは大きなカタツムリでしたが、蛇に噛まれたのでしょうか、
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穴が開いていて痛々しい姿でした。
その上に弟君がいましたが、
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何か食べているような感じでした。
上がると大念寺で、境内を横切って左へ出ると、登ってきた坂道です。
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出口には無縁仏となった墓石が積み上げられていました。
更に3分上がると、また右に石段です。
これが宝積寺への参道で、すぐに山門がある。
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門を潜ると右に重文の三重塔です。
前回撮影したので、塔頂部にある九輪と水炎をズームに収めてみた。
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更に石段上がると、本堂の左手に秀吉の出世石がある。
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天王山の戦いで勝利を収め、天下人へと上り詰めた秀吉ですが、この石に座ったということですね。
秀吉が往来したであろうこの天王山には、座りやすい石が他にも沢山あります。
秀吉さんはこの石とは別の場所で座ったかも知れません。
適当な時代物の石を見つけて、自ら出世石と命名して座ってみるのはどうでしょうか?

本堂右奥に「天王山山頂へ」の指示があり、なだらかな登山道を行くと丸太のような土止めが設置されている。
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これはコンクリート製なので木製のように滑ることはないが、ゴロンと横たわっていたりして要注意です。
斜度は山頂までこんな感じで、問題となる箇所は何処にもありません。
軽いハイキングをしたい方にはもってこいです。

皆さん下を見ながら登っていますが、
この辺りは椎の実がたくさん落ちていて、それを探しながら登っています。
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私も少し拾い集めました。

青木葉谷広場で、小休止(10:24)。
霞んでいて見晴らしは良くありませんので、「秀吉の道」を拝読します。
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このような絵図が山頂まで5枚あって、堺屋太一さんの「秀吉の道」が添えられています。
前回の9月、この絵を過ぎた辺りで現れたのは大量の薮蚊です。
明智光秀の怨念が込められたかのように、執拗に襲ってきました。
物語の内容については、前置きにありますようにアルバムの方でご覧ください

そこを上がって、平になった先で、観音寺からの道と合流する。
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だらだらと坂は続く。
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この土止めコンクリは土止めになっておらず、乗り越えるように行かなければならないので、左脇を進みます。
年月を経て、この丸棒はゴロン~ゴロン~と下山するかも知れません(笑)。
登った先に鳥居があって、
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右に展望台があるが、その下に旗立松がある。
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秀吉は天王山に駆け上がって、味方の士気を高めるため松の樹上高く軍旗を掲げたという。
これを見た羽柴軍は敵陣内に一気に攻め込み、明智軍は防戦一方で総崩れになったと、この立札に書いてありました。
初代と伝えられる松は明治の中期に朽ちてしまい、その後植樹を繰り返した。
これは昭和63年の国体を機に植樹された5代目の松だそうです。
この下には山崎合戦之地と彫られた石碑がありました。

「秀吉の道」の設置場所を2箇所過ぎた先に禁門の変十七烈士之墓へ向かう分岐がある。
その詳細は前回と重複するので省くが、その十七基を確認しました。
右に五基、奥に七基、左に五基、です。
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中央には、不鮮明ですがその名前が書かれているものがあります。
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墓標ではなく墓表と彫られていますね。

分岐に戻って、上がると天照大神(アマテラスオオミカミ)月読大神(ツキヨミノオオミカミ)蛭子神(エビスノカミ)を祀る三社宮がある。
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その上に「光秀の最後」と書かれた四枚目の絵図があり、三社宮からは5分で重文の酒解神社です。
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前回サラッとした説明だったので、補足としてこの写真を添付します。
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読んでみると天王山と呼ばれるようになったいきさつが書いてありました。
もともとは山崎山だったそうです。

無用の長物と思っていたコンクリ丸太ですが、椎の実の流出止めになっているようで、
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女性陣はその際を探すようになりました。

酒解神社からさらに5分で天王山への最後の登りになる。
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この100mを往復するが、山頂はこんな感じです。
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この手前に最後の「秀吉の道」があり、そこには『秀吉の「天下人」への道はここから始まった』とあります。
この右奥に山頂表示がある(11:05)。
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スタートから1時間と18分間でした。
「秀吉の道」を読まずに休憩無しで、椎の実穫りもしなければ1時間はかからないだろうと思います。
私たちはここで記念撮影をしました。

分岐まで戻って、柳谷方面へ行きますが、道標にある小倉神社とある方向へ。

ここから竹林だらけになる。
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このように整備されている竹林もあれば、密林のようになっている竹林もある。
この密林が曲者で、倒れて割れた竹はなかなか腐らずそのまま横たわります。
雨が降ると、節と節との間が雨水の受け皿になって、薮蚊の産卵場所になる。
そして夏になると~、無数の大軍が飛び回って人を襲う、ということになるのです。

竹林の整備はこれからもお願いしたいですね。
筍が大量に採れるようになり、経済的にも潤うようになると思いますので。

その先にあったのは、松林の整備でした。
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ほとんどの切り口が新しく、つい最近伐採したことが分かります。
ケンさんの頭の左にあるのは「天王山の松林再生に取り組んでいます。」の立札でした。
苗木も植えていました。

少し登って水平道の先にあったのは、哀れな松の木です。
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これで倒れないのが不思議なくらいですが、翌日この姿は無いのでは、と思いました。
さらに立ち枯れの松もあって、
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松は弱い植物?と思わせます。
しかし岩礁に根を下ろし、その岩を砕いて成長するのも松です。
森林伐採は自然破壊で悪魔の所業と仰る方もいますが、ある程度間伐をして日当たりを良くしてあげるのが自然への労わりのような気がします。

十方山への分岐を過ぎると直ぐ、朽ちかけた木のベンチがある。
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その下にあるのが、小倉神社と柳谷方面とに別れる分岐です(11:37)。
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道標にあるように、直進すると小倉神社。
左へ折れるのが柳谷方面で、楊谷寺へと通じています。
少し下がったあと水平道になり、ダラ下がりを経て急坂下りになる。
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カニ歩きを強いられる所もあるが、6分で終わります(11;59)。
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車道に出てちょっと左に、眼前の山に入る道がある。
車道をそのまま左へ上がると乗願寺へ行けるが、見所は無かったのでカットした。

山に入ると真っ暗になり、抜けると竹林が広がる。
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右下が柳谷で、柳谷道が走っているが、その車道がせり上がってきて合流することになる。
柳谷道を数百メートル上がると、
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右に駐車場があって、その先が楊谷寺(12:17)。
参道脇には純和風の食堂があるが、お休みです。
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山門潜ると京都西山三山の楊谷寺です。
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境内には丁度いい休憩場所があり、ここで昼食にしました(12:22~)。
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多少汗もかいているので、立ち止まるとひんやりします。
上着を羽織って、コンビニで買ったチキン南蛮弁当を頬張る。
その奥にはトイレもありました。

当日一番だった紅葉のワンポイントです。
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本堂の屋根越しにですが、カメラに収めて帰路に着く(13:00)
あとは車道を下るだけです。

谷が終わって周囲がなだらかになると、また竹林が広がります。
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竹林が終わって前が開けると、大規模な道路工事現場です。
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京都外環状道路の架橋工事で、来年(2013)3月には終わると保安担当の方が言っていました。
工事現場が終わると、角に株式会社藤井の看板があり、左折するとゴールの奥海印寺バス停(13:40)。
バスが来るまであと36分もある。
ところがバスは2分で来た!
ダイヤ表には載っていない地域巡回の小柄で可愛い「はっぴいバス」です。
駅の反対方向に向かって、住宅地をぐるぐる回って、25分ほどドライブしたのち阪急・長岡天神駅近くで下車する。
お代は、お安く150円。

今回女性が3名なので、駅近くのこ洒落た喫茶風のお店に入る。
あまり要らないということなので、頼んだのは瓶ビール2本だけだったが、
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突き出しはサービスということで頂いた(14:15)。
信じられないことだが、5名のお代合計は千円!
各人200円ずつ出し合って、お礼を述べて、店を出ました。
今度来た時はビール4本にします^^)
京都はなんでも高い! と思っている方、その誤解を解消して下さい。
お店の名前は伏せておきますので・・。

梅田行き特急に乗車して、六子さんはそのまま梅田まで。
4名は十三で乗り換えて神戸方面へ・・。


本日も楽しい山歩きでした。


最後までご覧頂いて、ありがとうございました

この記事へのコメント

  • てくてく

    古戦場あり寺院ありで、なかなか、趣のあるコースですね。
    流石に、天王山名物の藪蚊の大群は、もういない様でよかったです。
    のお店、今度行った時に探してみます。楽しいコース紹介、有難うございました。
                           てくてく
    2012年11月09日 13:11
  • アルクノ

    てくてくさま、気持ち玉もありがとうございます。
    天王山を取り囲むように寺院があります。
    今回は女性向きにして、ウォーキングコースのようにしましたが、是非健脚コースにアレンジして、アップしてください
    薮蚊の大軍は、たった2ヶ月で嘘のように消えていました
    最後のお店は、こっそり言うと、駅裏にありますので。
    2012年11月09日 16:31
  • KURI

    天王山は行ったことがありませんが、そのお向かいの石清水八幡宮は登ったことあります。竹林の感じはそっくりでした。いろいろと歴史を感じさせる楽しそうなルートですね。
    突き出しの煮物がおいしそうで、ビール2本付きで1000円は安い!
     薮蚊の大群はさすがに姿がなくてよかったです。この時期に刺されるとなぜか変な腫れ方しますのでやっかいです。
     お疲れさまでした。
    2012年11月09日 17:30
  • アルクノ

    KURIさんには、山としての天王山はちょっと物足りないと思いますが、歴史を訪ねるという意味ではお勧めです。
    竹林はそれこそ色んなバリエーションがあって、飽きるほど眺められますよ。
    この時期蚊に刺されると、なかなか腫れが治まらないそうですね。
    山では、お互い気をつけましょう。

    最後の突き出し付きでこのお値段には、ほんと全員びっくりでした。
    店の雰囲気もGoodで、今年の打ち上げ場所、トップ10にランクインしました
    2012年11月09日 18:46
  • yoppy702

    前回、薮蚊との合戦で、団扇が相当な痛手を受けたという…その事は、鮮明に記憶に残っているんですが、それ以外となるとかなり曖昧でしたので、今回、前回のも読みながらでした。
    再び、「秀吉の中国大返し」をワクワクしながら読もうとすると、今回のは、さほど大きくならなかったので、前回のを代用しました。

    でも、季節がかわれば、雰囲気もガラーッと変わります。これも、歩きの良いところですね。

    カタツムリ、久々に見ました。こうししてみると、綺麗ですね。

    打ち上げ、合計で、千円。
    五人も入って、この値段。
    場所代にもなりませんね。(^^)
    2012年11月11日 21:14
  • アルクノ

    yoppyさん、気持ち玉もありがとうございます。
    前回に薮蚊と戦って無残な姿になった団扇は、記念にまだ置いています
    アルバムですが、10枚ある内の文章を写している5枚の方がクリックすると大きくなる分です。
    もう一度チャレンジしてみてください

    ほんと2ヶ月で様変わりでした。
    松林が伐採されていたり、倒れかけの松があったりで・・。

    カタツムリをまじまじと見たのは久しぶりですが、もっと足元をよく見ないといけませんね。
    新たな発見があるかもです。

    「こんなお洒落なお店、座っただけで200円だ」と言って店を出ました
    2012年11月11日 22:34
  • ふぉるま

    椎の実拾いが楽しくなる気持ちに 共感です♪
    みなさん その椎の実はどうされるのかしら?

    近頃涼しくなってきたので ビールよりワインを飲んでおりますが アルクノさんのシンプルなおつまみとビールの画続きで 唸ってしまいました
    山歩きの後の一杯がたまらないのでしょうけど
    2012年11月12日 16:56
  • アルクノ

    ふぉるまさん、他の記事にも気持ち玉をありがとうございます
    椎の実、どうなったんでしょうね
    私も気になります。
    アリマさんは、煎り過ぎてコチコチになったそうです。
    粉にしたら?と言ったら、邪魔くさい!と返事が帰ってきました

    この時もそうでしたが、涼しくなってきたのでビールはあまり進みませんね。
    最後の写真は、少しのビールという雰囲気が出ていて私も気に入っています
    次の記事の終わりに焼酎水割りが出てきますが、これからウォーキングの時は携帯焼酎もいいなと思っています。
    ドチラの場合も、終わると一杯になります
    2012年11月12日 18:08
  • yokkosan

    天下人が昇った道を歩きながら、その時代に舞い戻ったような感覚になられたのではないでしょうか?
    私の母の実家のすぐ近くに、伊藤総理の生家があります。
    子供の頃そこを通ると私も総理大臣になれると思ったものです。
    今でも伊藤公がここで何を考えていたのだろうと思いを馳せる時があります。
    カタツムリはもう長いこと見たことないですね~。
    ここ数年森林組合があちこち山の手入れをして下っているので、荒れた所は少なくなって来たように思います。
    松の木は周辺の山々でも立ち枯れているのをみかけます。
    今日はじめて右サイドのアルクノさんのアルバムをじっくり見ましたv
    掲載写真が厳選されていて、特に花火は見応えありました!
    写真には気持ちが写るんですね
    2012年11月13日 08:24
  • アルクノ

    yokkosan、丁寧なコメントと気持ち玉、ありがとうございます。
    「秀吉の道」という物語を読みながらなので、その世界に浸りながら天王山に登ってきました。
    yokkosanの伊藤総理の生家を眺めながら、総理大臣になる夢を抱くのも素晴らしいですね。

    大きなカタツムリが居ると言う事は、その餌が豊富にあるということなのでしょうね。
    まだ自然が壊されていない、天王山の麓なのでしょう。
    六甲山もここと同じように森林保護が進んでいます。
    それもボランティアさんの力によるところが大きくて、いつも感心しています。

    アルバムも見て頂いてありがとうございます。
    今年の花火は2回目の撮影でしたが、コツが掴めてきたような気がしています。
    しかし、狙ってはなかなか撮れないので、数多く撮影したのち、比較的ましなものを選出して・・
    アップしています^^;
    2012年11月13日 08:49

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