有馬三山からガーデンテラスへ(2012.10.31)

これは10月の月末に単独で実施した山歩きです。
翌日にアップしようとしたところ緊急メンテナンスでログインできませんでした。
ログインできたのは11月5日(月)の昼で、文章は作成済みなので写真を添付して待ちかねたようにアップしました。


今回は裏六甲縦走コースを紹介します。
そのコースは有馬温泉駅~落葉山~灰形山~湯槽谷(ゆぶねだに)山~番匠屋畑尾根~極楽茶屋跡~ガーデンテラス~[六甲縦走路]~前ヶ辻~[シュラインロード]~神鉄六甲駅です。
この湯槽谷山が兵庫100山に入っています。
距離は約15キロだが、余分に歩いた私は17キロぐらいになってしまいました。
スタートは10:17で、昼食休憩や戻り道を含めてのゴールは17:30となって、7時間を越えてしまうことに。

ガーデンテラスから神鉄六甲駅へは以前「七曲り滝の氷瀑からガーデンテラス~神鉄六甲へ(2012.02.02)」で紹介しているので、以下をクリックして参照して下さい。
https://arukuno.seesaa.net/article/201202article_1.html
ここではガーデンテラスまでと六甲山上の秋色に染まった景色を紹介し、そこから神鉄六甲へは文章を主体にした構成にしています。


落葉山(533m)、灰形山(619m)、湯槽谷山(801m)が有馬三山で、更に番匠屋畑尾根~極楽茶屋跡を加えると有馬四山とも言うべきハードコースで、山と高原地図「六甲・摩耶」には裏六甲縦走路と書かれています。

この有馬三山は其々ユニークな山名なので、その謂れについて調べてみました。
落葉山:有馬中興の僧・仁西に白髪の老人がこの山から木の葉を投げて泉源のありかを示したと云われています。
灰形山:千利休が有馬で茶会を催した際、風炉の灰をこの山の形に似せて盛ったことからこの名が付いたと云われています。
湯槽谷山:その名は有馬繁栄の基礎を築いたと云われる僧・行基が湯槽(ゆおけ)をつくる木をこの山から切り出したことに由来すると伝えられています。

ハードな番匠屋畑尾根を敬遠して、湯槽谷山から下山するショートカットコースは2ルートあります。
湯槽谷峠~横谷~茶園谷~逢山峡~有馬口駅へのルートと、湯槽谷峠から反対側の東に下って紅葉谷に取り付くルートです。
どちらのルートも地図には点線で記入されていて難路となっています。
でも、以前神鉄ハイキングで紅葉谷から湯槽谷峠を通って逢山峡へ抜けた事があり、一般の方も歩けるコースだと思います。

一番安全で楽チンなのは、ガーデンテラスからロープウェーで有馬温泉に下るルートです^^)
ゴンドラから眼下の紅葉を眺める12分間の空中散歩は、運賃980円以上の価値があるかも。
夏季以外は最終17:10なのでご注意下さい。
空中散歩の様子は写真だけですが、以下をクリックすると出てきます。
https://arukuno.seesaa.net/article/201202article_3.html
「青谷道から摩耶・六甲に登り、ロープウェーで有馬温泉駅へ下山(2012.02.09)」です。

前置きは以上で終了。


単独で有馬温泉駅に到着。
駅前コンビニで弁当を購入して登山口に向かう。
信号渡って太閤さんに挨拶して(10:17)。
ホテルと土産物屋を右に見ながら、突き当たりまで緩やかな坂を上がります。
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その右に妙見さんの参道があり(10:21)、
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直ぐ奥には有馬三山へお誘いする道標もある。
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参道の雰囲気がある石段の九十九折を登ると、有馬グランドホテルへの分岐があるが入ってはいけません。
やがて坂道になって、西国三十三ヶ所巡りを模した石仏が並ぶようになります。

車も通れる幅広のコンクリート舗装路になると、湯槽谷山が左前方に見えてくる。
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肩にかかるのは有馬から六甲へ上がるロープウェーです。
その向こうには紅葉谷の深い谷があって、ロープウェーは番匠屋畑尾根を乗り越えてガーデンテラスに向かう。
今回のコースではその番匠屋畑尾根に立つ、ロープウェーを支える鉄塔に出合うことになります。

右に分岐があるので、行ってみる。
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木立の間から見えるのは、左の有馬グランドホテルと遠くに霞む三田の山々です。

車道はぷつんと切れて、階段になる。
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コンクリートの階段を上がると、台座に開運妙見宮と彫られたお馬さんが両脇に立っている。
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この手前にある石の鳥居は壊れたままだった。
庭を掃除している若い方が数名居られたので挨拶して、更に長い階段上がると落葉山の山頂で、妙見堂がある。
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冬支度なのか、扇風機を外に出してお掃除中でした。

由緒ある北辰妙見大菩薩尊像を安置するという妙見堂ですが、谷向こうにある愛宕山から移されたそうです。
もともと落葉山には南北朝時代に築かれたといわれる城郭がありました。
落葉山城(別名・有馬城)と呼ばれたこの城は、築城者は明らかではないが、後醍醐天皇を中心とする南朝方の武将・湯山左衛門三郎公が守将を務めていたといわれています。

この右側奥に山頂表示があり、
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草むらの中に落葉山四等三角点もありました。
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ここから下るが、向かう山が望めるポイントがある。
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右手前から灰形山、湯槽谷山で、その奥にちらっと見えるのが六甲の稜線です。

なだらかな九十九折を下ると、分岐がある。
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ここに灰形山0.6km、湯槽谷山1.7kmと道標にあるが、不確かな数字です。
登ると「この先やせ尾根 通行注意」と立て札がある。
須磨アルプスに「馬ノ背」があるが、ここは「竜ノ背」と言ってもいいような荒々しいアップダウンが暫らく続く、
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楽しくて
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はらはらもする、
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やせ尾根の筋です。
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灰形山への登りは、丸太による段々のあと急登になる。
この逆コースを考えている方は、ここを下ることを承知の上で?と言うことになります。
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(急斜面を上から撮ってみた。)
上がりきると、道標がある。
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距離表示がいい加減だった事がこれで分かります。
先ほど、灰形山0.6kmとあるところで湯槽谷山は1.7kmでした。
ここでは灰形山まで0.1kmなのに湯槽谷山へは1.7kmと変化無しです。
更に、有馬から極楽茶屋は5.3kmとなるが、これもあとで「?」が点灯します。

少し下って上がると灰形山です(11:28)。
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山頂表示が三つもあって迷うが、神戸市民なのでここで「ハイ ピース!」。
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下って行くと、後頭部ハゲのような湯槽谷山の下に紅葉が点々とあった。
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ここから急坂を下る途中で、ハッと気が付く。
手に持っているはずの杖が無い!
戻って、戻って・・、灰形山まで0.1kmとある道標まで戻ると、道標の脇に置いたまま^^;
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約20分間のロスです。
もう「後頭部ハゲ」なんて言わない様にしますので(ペコ)

かなりの急坂下りですが、道はちゃんとあるので大丈夫です。
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下りきると、紅葉谷への分岐に地図があって、
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有馬三山~番匠屋畑尾根~極楽茶屋跡のルートが確認できます。
ここから湯槽谷山へは、ひたすら登るだけとなる。
急登ではないが延々と続くので根性が必要です。
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なだらかになった先に、
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山頂がある。
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湯槽谷山山頂三角点が見当たらないので、これで我慢します(12:29)。

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ここにお昼に到着予定だったのに、私のうっかり事件で遅れてしまいました。
見晴らしはゼロなので、手頃な石に座って昼食です。

食事・休憩は20分で席を立つ。
下る時、秋色景色が眺められます。
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滑りそうな坂を15分ほど下ると、
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湯槽谷峠になる(13:11)。
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左が紅葉谷道へ下るルートで、その先右への分岐は横谷~逢山峡への下りです。
紅葉谷道へは1キロで、逢山峡へは2.7キロとあります。

アップダウンのあと番匠屋畑尾根に立つ鉄塔に辿り着く(13:30)。
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そこを下ると平らな道になるので、
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ホット一息、と思いきや、
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天まで届くような段々が続く。
しかし登って終わりではありません。
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谷底まで下って、更にアップダウンを繰り返しながら高度を上げていく。
これが番匠屋畑尾根で、脚力養成訓練場になっています^^;

左に大きな岩が見えてきて、そこを登ると小川谷への分岐。
その先で下ると紅葉谷道との合流地点になる。
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直ぐ極楽茶屋跡です(14:06)。
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ここの道標に番匠屋畑尾根を経て有馬は4.7kmとある。
これで、灰形山まで0.1kmとあった道標に有馬から極楽茶屋は5.3kmとあったのは「?」となりました。
細かい事ですが、道標に書かれている距離表示はあまり信用しないように、と言う事です。
このように信憑性が疑われる数字が並んでいる事が多いのです。

ここからガーデンテラスへ向かうが、電波塔の立つコブ山を越えて20分ほどで辿り着く。
折角なのでテラスから下界を眺めてみる(14:28)。
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これは六甲アイランドだが、西にあるポートアイランドは霞んでイマイチでした。
お馴染みのフードテラスでビールです。
生ビールをちびちび飲んでいると、フライドポテトが出来上がりました。
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300円でこんなにあるので、ビールの追加です^^)
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2杯目はレギュラー缶を店内自販機で買って注ぎました。
完食して、ほろ酔い気分で店を出る。
六甲縦走路に入り、下る時に、またしても杖が無い事に気付く。
フードテラスに戻り、約10分のロスタイム。
「後頭部ハゲ」と口走った私が悪かったです。
湯槽谷山に謝罪します

真っ赤になったドウダンツツジを眺めて、下ります(15:27)。
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ガーデンテラスに到着して、もう1時間ほどが経過している。
のんびりし過ぎました。
六甲縦走路に入り、急いで前ヶ辻に向かいます。

みよし観音を通過してゴルフ場のフェンスを抜けると、六甲山ゴルフ場の駐車場(15:43)。
ここに六甲ケーブルへ下る分岐がある。
10分で乗り場まで行けるリタイヤルートなので、お急ぎの方は六甲ケーブルに乗車して阪急方面へ・・。

六甲山小学校前を下り(15:50)、
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記念碑台・六甲山ガイドハウス前からドライブウェーを下る(15:53)。
前ヶ辻を右折します(16:00)。
ジョギングできそうな緩やかな道なので、小走りしてもOK。
行者堂を過ぎると(16:16)、猪が掘り起こしたフカフカの土が歩きやすいが、腹ペコ・イノシシ君に出会わないうちに下山しないといけません。
西日を浴びた紅葉が綺麗!
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なんとか明るい内に裏六甲ドライブウェーに降りてきた(16:36)。
ガーデンテラスを出て1時間10分ほどです。
極楽茶屋に戻って、紅葉谷を下るとこうはいきません。
急坂下りで暗くなると、デンジャラス谷になります。

しかしこれは舗装路に出たと言う事で、駅まではまだまだ歩かないといけません。
神鉄六甲駅まで3.2km!
県道95に入ったところでススキをカメラに収めて(16:53)
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下るが、歩道は消えて暫らく暗い山の中へ。
右に配水場が見え、更に下ると、先ほどの県道と合流する。
直ぐ左に高速の入り口があるが、右へ下るのが神鉄六甲駅への道です。

神鉄六甲駅に到着すると薄暗くなっていて、ホームの蛍光灯が耀いていました(17:30)。


これから六甲の秋は深くなり、冬支度に向かいます。
あまりノンビリしていると、紅葉トレイルは雪見トレイルになってしまうので、11月下旬までにお出かけ下さい。


最後まで御覧頂いてありがとう御座いました

この記事へのコメント

  • LLスタッフ

    この前お出会いの折、お元気そうで安心しました。
    あいかわらず、きついコースを軽く登ってはりますね。
    綺麗な画像をとりながらハイクには感心いたします。
    腕がかなり上達しましたね、
    私たちのハイクにての写真も期待していますのでよろしくお願いいたします。
    2012年11月05日 15:35
  • アルクノ

    LLスタッフさん、早速のお立ち寄りありがとう御座います
    このキツ~イ、コースはヒーヒー言いながら登りました。
    以前は疲れてくるとブレまくりの写真でしたが、手ブレ補正付きにリニューアルしたのでカメラ君に感謝しています。
    昨日の小野市を歩く会「きすみのの歴史にふれる」は順番待ちで控えていますので、暫らくお待ち下さい
    2012年11月05日 16:28
  • yoppy702

    有馬三山や。(^^)
    年内に、ここも行きたい所なんですが、年内、微妙になってきました。
    ボクの持っているガイドブックでは、有馬~落葉山~灰形山~湯槽谷山~湯槽谷峠~有馬という、ぐるっと一周のようなコースで、歩行時間も3時間35分なので、この通りに行って、太閤の湯でのんびりしようかとか考えていたのですが、以前にアルクノさんが言われていた、このコース、大変参考になりました。おまけに、再び、有馬へ戻るコースまで書いて頂き、ちょっと色気が出てきました。でも、裏六甲のこの辺りは、ちょっとコワイ感じもしますね。
    どちらにしましても、「竜ノ背」(アルクノさん命名?)は歩けるという事ですね。ここは、なんかワクワクします。(^^)

    「神鉄六甲駅」へ出られたとの事だったので、又してもMAPを見たのですが…
    「行者堂を過ぎる…」という事は、シュラインロードに一旦入るのでしょうか?

    ガーデンテラスで1時間…
    今回は、ごゆっくりなさいましたね。
    フライドポテトの量からすると、確かに、生一杯じゃ、全然、足りませんね。(^^)

    それに…「後頭部ハゲ」の呪い、コワイですね。頭をよぎっても思わないようにします。(^^)

    六甲も、あちこち色づいてきて…11月下旬というと、あと僅か、修法ケ原池の方も行きたいし…
    悩みます。
    2012年11月05日 23:14
  • アルクノ

    yoppyさん、気持ち玉もありがとう御座います。
    このコース、yoppyさんにお勧めです。
    有馬に戻る場合は、直ぐ紅葉谷かロープウェーでいいので便利です。
    「竜ノ背」は短いので更に往復してもいいと思います
    シュラインロードの場合は入ってそのまま下って、神鉄六甲と書いてあるところで有馬口方面と別れます。

    フライドポテトはどうやらカップル用の感じでしたね。お茶碗一杯のご飯を食べた満足感?がありました。
    「後頭部ハゲ」の呪いに遭遇しないように、そこは口にチャックをして通り過ぎてください

    順番から言うと、標高の高い「有馬三山」→「修法ケ原池」でしょうか。頑張って下さい
    2012年11月05日 23:50
  • てくてく

    有馬三山に、新しい石標がありますね。
    有馬三山から、番匠屋畑尾根の急なアップ・ダウン、トレーニングにはもってこい・・・
    ガーデン・テラスでの、旨かったことと思います。
    お一人で、よく頑張られましたね。
                         てくてく
    2012年11月06日 13:47
  • アルクノ

    てくてくさま、気持ち玉もありがとう御座います。
    山頂表示の其々が新しくなっていたので、気持ちがよかったです。
    これで、三つもある山名を間違うことなく紹介できるようになりました
    その先にある番匠屋畑尾根はハードですね。
    最初に登った時は「今までの三座よりしんどいやん」と思ったほどで、ほんと、トレーニングにはうってつけだと感じた次第です

    ガーデンテラスは時間も時間なのでガラガラでしたが、おじさんがソフトクリーム食べていました(車かも?)。
    男はでガツンといって欲しいですね
    私は2杯も飲んでユッタリしたので、シュラインロードで小走りするハメになりました
    拍手まで、ありがとう御座います
    2012年11月06日 17:32
  • KURI

    バリエーションに富んだ楽しそうな山道ですね。
    妙見さんで両脇に馬というのも初めてみたかもしれません。狛犬や牛やねずみ、きつねはありますし、神馬としての馬はあっても両脇に狛犬のようにあるのはないかもしれません。
    最後のビールとポテトも美味しそうです。糖質制限ダイエットしている私には、フライドポテトは垂涎のメニューです。(^_^;)
    2012年11月07日 11:57
  • アルクノ

    KURIさん、何時もありがとう御座います。
    この裏六甲縦走路を何度か経験すると、山歩きに自信がもてますし、その対処法も会得する事ができます。

    妙見さんの狛馬?に興味を持たれた様ですね。
    私も気になったので調べてみました。
    「祈願奉納の馬 」
    初午(ハツウマ)祭のとき稲荷神社に豊作や農耕馬の無事を祈願したり、八幡神社などに武運や開運、商売繁盛、良駒育成などを祈願する際に、馬(像)が奉納された。
    神馬として奉納されたのものもあるが、軍馬や馬供養の馬像もある。良馬の産地である東北地方には馬を祀る駒形神社も多い。

    有馬温泉を見下ろす落葉山(標高533m)には南北朝のころ落葉山城(有馬城)があったと伝わる。
    この跡に明治39年、三代将軍足利義満が捧持した妙見菩薩像を本尊として「落葉山妙見寺(堂)」が建てられた。(日蓮宗)
    参道に一対の馬像が奉納されている。
    奉納:三宅喜兵衛(大阪市) 「有馬城山 開運妙見宮」
    大正5年2月初午(1916)
    以上です。

    城跡であった参道に馬像が奉納されたということなので、城郭に居た武士の為、馬を献上したという意味に取れます。

    ガーデンテラスの量の多いフライドポテトは、ひょっとしてカップル専用かも知れません。
    KURIさんもご夫婦で来られると、3分の1くらいはOKじゃないでしょうか。
    その場合、ビールじゃなく焼酎で
    2012年11月07日 13:39

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