今田町から西光寺山(2012.09.23)

篠山自然の会が催すハイキングを兼ねた植物の勉強会へ久し振りに参加しました。
教えて頂いても、約10分で脳内記憶チップから消えていくので、その勉強の方はさっぱりでしたが・・。
9月18日に予定していた天王山は台風の影響で中止になり、山歩き記事は久しぶりとなりました。


ウィキペディアで西光寺山のことを調べてみた。
西光寺山(さいこうじやま)は、兵庫県西脇市と篠山市今田(こんだ)町とにまたがる標高712.9mの山である。山頂の三角点は西脇市に置かれる。
丹波、播州地域では、標高700mを越える数少ない山であり、西脇市と篠山市今田町との播但界に優美な稜線を描き気品のある山容を持つ。修験道の山として修験者が往来するところであったという。
上人と金の鶏の伝説を秘めた山頂には三宝荒神が祀られ、360度の展望が開け丹波、北摂、六甲方面などの眺望が素晴らしい。ふるさと兵庫50山のひとつ。豊かな雑木林が広がり、ウバメガシの群落が見られ、ふもとの登山道には炭焼き窯が残される。
その歴史
平安時代、西光寺は天台密教の信仰を集める聖地であった。源平時代の1184年(寿永3年)に三草山の合戦で敗れた平家の一軍が西光寺に逃げ込み、源義経軍と戦火を交えた。ここでも敗れた平家は、西光寺に火を放ち討死した。その後、西光寺は復興されるも、再び応仁の乱の戦火で焼失、再度復興されるも戦国時代には松永久秀の攻撃で焼失、ついに寺勢は衰えた。数度の戦火を潜り抜けた大般若経600巻は、内200巻が本荘住吉神社に配分され現存する。


ルートは、今田町側から西光寺山山頂に上り、同じ道を下るという単純なものです。
途中道標もあるが、道を間違うような所も無い一本道でした。
登山道に入る手前に、山頂まで2.1キロとありました。
車を止めた所からそこまで少し歩いたので、往復距離は約5キロのショートコースです。
細かなルート説明も不要なので、今回は9月13日にお披露目したニューフェースのコンデジPower Shot A2400 ISによる風景写真を主体にしたものになります。


当日朝、雨が降っていたが篠山~西脇方面は曇りのち晴れの予報だったので、植物博士(HN)さんと電話相談して行くことにしました。
現地の方がまだ就寝中に判断しなければならないということもあって、此方のゴーサインは独自判断で早く出さないといけません。
植物博士さんの車にモクさんとアルクノが同乗して篠山に向かう。
篠山市内のとある駐車場に9時集合。
スタッフ2名と私達3名、地元の会員5名も加わり、合計参加者は10名となりました。
挨拶のあと、車4台で今田町側の登山口へ向かいます。

七星ソースとある工場の脇から舗装していない道に入る(詳細は分かりません)。
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前の車が左に曲って行くが、この少し上に車を止める。
私達はこの道を真っ直ぐ歩いて行けば良いだけ。
振り返ると、こんな風景。
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山裾まで、暫らくはこんな道です。
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何とこのような所に売り土地であることを示す表示がありました。

少し歩くと西光寺山愛好会による、ゴミ捨て禁止の看板がある。
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この看板越しに望む山が西光寺山で、手前から谷筋の急坂を登って左の尾根に出る。
尾根に出ると200mで山頂です。
向こう側へ下ると西脇になる。

頂上まで約2.1kmと書かれてありました。
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直ぐ、近畿自然歩道の道標もある。
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更に平坦な道は続くが、右に穏やかな貯水池が現れる。
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更に5~6分で「山頂1.8km・サギソウ自生地0.1km」の道標がありました。
サギソウは8月中旬の時期に咲き乱れるそうですが、その花は終了していました。
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その代わりと言ってはなんですが、虫に食われながらも必死に咲いていたキキョウの花一輪を紹介します。
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これから向かう山は、雲が去っていくのか、
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雲に覆われるのか、
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微妙な雲行きでした^^)
左に寺坂登山道(寺屋敷跡)と書かれた道標が出てくるが、直進すると右にこんな石碑がある。
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会長さんの解読結果は、「左ハやまみち 右ハきんけいさん」です。
上の写真にも一部が写り込んでいるが、石灯籠に似た奇妙な人工的構造物。
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交通機関を利用する場合は、今田本庄バス停で下車すればいい事がこれで分かる。
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その近くに東屋があり、中には西光寺山の別名金鶏山(きんけいさん)の謂れについて書かれた看板がある。
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クリックすると読みやすくなります。

この写真中央、横に広がっているのがウバメガシ。
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大きく成長すると、備長炭の原料になります。
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小川を渡ると、
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沢山のキノコが足元にあり、
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直ぐ炭焼き窯です。
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白炭(しろずみ)をご存知でしょうか。
備長炭などの高級な炭は、高温の状態で窯から取り出しで灰を被せて冷やし、外側が白い炭として売りに出すそうです。
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ここから山登りが始まる。この辺りに山頂まで900mの道標があったように思う。
前を行く人がこんがり焼けたパンみたいだと言ったキノコです。
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その先で、珍しいキノコがあったので撮影しました。
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傘にレースのフリルをあしらったお洒落なキノコです。
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ただ山道はこんな感じで、結構キツイのです。
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粘土質の急斜面が多く、周りがシダや雑草だと捉る物もありません。
同じルートを下るので、下山時は何度も尻餅をつく方が居ました。
アイゼン装着の方が安全ですが、岩も多い下りでは着地ショックによる膝へのダメージが大きくなります。
道中、ゴムアイゼンと言う話もありましたが、ズルズルの急斜面にも効果があるのでしょうか?

緩やかになったところで休憩です。
そんな時に植物の勉強ですが、教えてもらったのに覚えていないのはこれです。
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簡単なスケッチと品名記載の為、メモ帳と筆記用具を持って来ないといけません。

登りの真ん中辺りで下山する方と出会いましたが、私達以外の登山客はこの方お一人だけでした。

やっと尾根に上がりますが、
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炭窯跡からここまで、休憩を重ねてほぼ1時間。
後続を待つので、しばし休憩です。
この大岩の向こうに、
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展望台があり、
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その向こうが山頂です。
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時刻は12時1分。
この平らな所と展望台に分かれて昼食です。

私は稲荷に、細巻きに、赤飯。
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食事中植物博士さんからお漬物、食後は皆さんからデザートやお菓子も頂きました。

食後ここで、三脚持参の方による集合写真撮影です。
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山頂三角点はその奥にありました。
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通常より飛び出ているようですが、雨で山頂の土が流されたのでしょうか。
この左に西脇へ下る道があります。
かなりの急坂で、その下にロープがあるのが見えました。

曇り空で視界不良ですが、折角来たので眺望を楽しみます。
眼下に広がるのが今田町で、その奥に平べったく広がるのが和田寺(わでんじ)山。
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和田寺山の左上に山頂が出ているのが来月登る予定の虚空蔵山(こくぞうさん)です。
ここよりは標高が低くて596m。
この方角は南東で、神戸は南方面になるが六甲山系も神戸の海も確認できませんでした。
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東の方角には、白髪岳()と松尾山(↓)が確認できました。
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いよいよ恐怖の下山です。
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尾根を200m行った先から、
岩に、泥に、滑りやすい濡れ落葉と、バライティーに富んだスリリング下山道が続きます^^)
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冗談は無しにし、カメラは収納して慎重に下ります。
13時丁度に下山を開始し、炭焼き窯に辿り着いたのは50分後。
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後続を待つ為10分程休憩し、小川を渡る。
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ここからは平坦な道です。

手作り石灯籠に到着。
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「よう無事に戻られた お疲れ様」と、この石が喋ったような気がした。

道路脇では手の平から食み出るくらいの、大きなヒキガエルも出迎えてくれました。
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刺激しないように、ワンハンドショットでその表情を捉えてみる。
どっしりした安定感のある、凛々しいお顔でした。

雲が流れて空も明るくなり、
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貯水池に写る水面も輝いていました。

車を止めていたところに戻ると、空気が澄んできた事もあってか西光寺山の稜線はクッキリと浮き上がっていた。
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神戸方面の私達は他の参加者とここで別れて、帰路に着きました。


最後まで御覧頂いてありがとう御座いました

この記事へのコメント

  • 風子

    植物の名前って、なかなか覚えられないですよね
    私も1,2回、植物を観察しながらの山歩(みたいな)きというものにも参加したことあったんです、専門の方がついて下さって詳しい説明も聞き、メモもしたのですが、なかなか頭に入りませんでしたし、すかかり忘れています
    道々に生えていたキノコは勿論毒キノコですよね
    それと炭焼きの窯はこれは今も使ってるのものですか?
    私も何回か炭焼き窯を見たことありますが、現役のものではありませんでした
    ようやく、季節もすすんで
    2012年09月25日 09:12
  • 風子

    すみません・・PCの調子が悪くかってにUPになってしまいましたから続きです
    ようやく季節も進んで、山歩きには最適になってしましたね・・
    2012年09月25日 09:16
  • てくてく

    今田町の本荘からの登山口、車停めれる所あるんですね。
    昔、古市から行った事あるんですが、足の便が悪くて、苦労しました。
    天候の判断、的確で降られずに済んでよかったですね。でも、よく繁っていて、足許も悪そう。
    植物観察も大変・・・

    今回は、はなしですか?
                         てくてく
    2012年09月25日 16:12
  • アルクノ

    風子さん、気持ち玉もありがとう御座います。
    歩くようになって歴史は好きになりましたが、植物はどれもこれも同じに見えて、細かな違いが良く分かりません
    大きく分類して、雑草と、花と、樹木と言う感じです
    キノコに毒が有るか無いかの判断は、専門家でも難しいそうですよ。
    椎茸や松茸とシメジにエリンギ以外は全て毒キノコと思っていれば、間違って食べる事もないし、死ぬ事も無いと思っています。

    まだ使えそうなこの炭焼き窯ですが、もう使用を終えているそうです。
    山には放置されたウバメガシが沢山有るので、この窯で備長炭を作ることもできますよ。

    山には、キキョウやハギにススキと秋の七草も目に付くようになりました。
    ハイキングやウォーキングの季節になったので、頑張りたいと思っています
    2012年09月25日 17:08
  • アルクノ

    てくてくさま、気持ち玉もありがとう御座います。
    古市からは足の便が悪いのですか。
    バスでも来れるし、今回のルートの方がお勧めと言う事ですね。
    雨は大丈夫でしたが、濡れていたのでズルズルになり、頼りのロープも無いので苦労しました
    植物観察はこれから回を重ねるので、少しずつ進歩があるカモ?です

    は運転手さんのことを考えて無しにしました。
    地元に帰り、喫茶店でお茶をして、お開きとなりました。
    2012年09月25日 17:28
  • yoppy702

    標高712.9mで、一本道であり、5kmのショートコースと書かれていたので、気楽な山歩きと思いきや、キツイ斜面とズルズル道…目が覚めちゃいました。(^^ゞ
    いや~お山は、あなどれませんねぇ。

    「サギソウの自生地」は、要チェックでした。
    サギソウの自生地がこんな所にあったとは…
    来年、行ってみたいと思います。

    「西光寺山の金の鶏」の民話、イイですね。
    昔話は好きなんで、じっくり読んでしまいました。デジカメって便利ですよね。ボクも、よくこういう看板は、その時は撮っておいて、帰ってから読んでいるんです。

    白炭…知りませんでした。(^^ゞ
    で、チェックしてみたら、「代表的な物は、ウバメガシから作る備長炭で、鋼のようにかたく、たたき合わせると、キンキンと金属のような音がする。」と書いてました。ウバメガシって書いてあったので、「オオッ!」。

    スリリングな所を無事下山され、天候も良くなり、ヒキガエルも、なんか、ホッとした表情に見えました。
    貯水池の写真を見ると、天候の違いがよく解りますね。
    2012年09月25日 21:25
  • アルクノ

    yoppyさん、気持ち玉と丁寧なコメント、ありがとう御座います。
    私も気楽なハイキングと思っていましたが、帰宅後案内をよくよく見ると「やや健脚コース」と書いてありましたっ!

    サギソウの自生地はどの程度の規模か分かりませんが、来年はyoppyさんの記事を楽しみにしています。
    「ここの民話は良くできている」と言えば失礼になりますが、私もこのようなお話は好きです。

    炭を楽器のように使うのは殆どが備長炭だそうですね。
    いい音が鳴ります。
    木琴ならぬ炭琴による演奏を聴いた事がありますよ

    実のところお昼には晴れる予定だったのですが、下山してからとてもいいお天気となりました。
    食欲の秋と言う事で、女性陣はこのヒキガエルを見て、「美味しいんやろか?」でしたっ!
    2012年09月25日 22:04
  • LLスタッフ

    西光寺山はバスハイクにと考えた山です。
    画像にて、行けそうな山の感じがしてきました。
    その際は、いろいろとお聞きするかもしれませんが
    よろしくお願いいたします。
    毎回すごい文面にびっくりしています。
    いろいろと調べられていて、関心いたします。
    モクさんかなりの健脚になられていますね、アルクノさんのご指導のおかげと思います。
    ナイスリーダーですね。これからもご活躍を影ながら
    応援しています。
    2012年09月27日 22:56
  • シグまろX

    こんにちは
    金の鶏の山で『金鶏山』。
    昔からの言い伝え、昔の人から我々への伝言ですね。
    良いですねぇ。
    神社仏閣、山々にはそれぞれの言い伝えや歴史があると言いますが、こういう言い伝えを見ながら山に登ると、もちろん健康にも良いですが、なにか感動も得ることができそうですね。
    いつもみせていただきながら、楽して感動のおすそ分けをいただいています、、、(笑)ありがとうございます。
    これからもよろしくお願いします。
    2012年09月28日 03:48
  • アルクノ

    LLスタッフさん、コメントをありがとう御座います。
    バスハイクで行かれるんですか。
    最初の所は車が4台ほど止められますが、バスだと転回ができないのでもっと下の方で駐車場を探さないといけませんね。
    私は初めて行ったもので、その詳細が分からないのです。

    文章はネットで調べた事と当日教えていただいたものを織り交ぜています。
    モクさんは私の同じようにウォーキングから始めましたが、六甲山に登るようになって健脚になりました。
    やはり山に登って足を鍛えないといけないようです。
    私の力添えは大してありませんが、本人のやる気が一番大事ですね。
    2012年09月28日 08:14
  • アルクノ

    シグまろXさん、気持ち玉とコメントをありがとう御座います。
    『金鶏山』については、その民話を読んで成る程と思いました。
    「我が我がと思わず、協力し合って生きていきなさい。」との教えだと思いますが、こういう各地の民話が日本人の気質を育てていったように思います。
    行った先で、そのようなお話があれば、また紹介したいと思います。
    此方こそ、これから宜しく御願い致しします
    2012年09月28日 08:29
  • KURI

    松永久秀という人はあちこちでいろいろなものを焼いているのですねぇ。(^_^)
     白いキノコはなかなかオシャレな感じですね。こういうキノコはたいてい毒があるようなイメージですが、どうなのでしょうね。キノコだけは手を出さないようにしておりますが。
     下山道はなかなかスリリングだったようですね。私だったらヒザが笑ってしまいそうです。お疲れさまでした。
    2012年09月28日 15:27
  • かっぱちゃん

    怪しかったお天気も最後にはよくなってキレイな湖面が見られてよかったです(*^^*)
    キノコが毒きのこか食べられるきのこかとゆ~ことが私もとても気になってしまいました(くいしんぼうなので^^;)
    大きなヒキガエルくんはアズマヒキガエルですね♪
    女性には珍しいかもですがカエルが好きなんです。
    繁殖期には、ほとんど水がない場所でも過ごせるカエルらしく雑木林なんかにも生息しています。
    アルクノさんのブログは、きれいな景色やなかなか見ることのできない動植物も見られてうれしいです(*^^*)
    2012年09月28日 21:56
  • アルクノ

    KURIさん、何時もありがとう御座います。
    松永久秀という人は、あちこちでの焼き討ち専門家なんですね
    歴史を紐解いていくと、面白い事や興味深い事が出てきます。

    この白いキノコ、フリルの下に白い菌が落ちていたのでそれを持って帰れば繁殖できるのかと思いましたが、毒が有るとご近所に迷惑がかかるのでやめました。

    下山の時ですが、まだ朝の雨で濡れている所もあって滑りまくりです。
    乾いていればそうでも無かったかもしれませんが、兎に角急坂でロープを設置して欲しい所でした。
    2012年09月28日 23:15
  • アルクノ

    かっぱちゃん、気持ち玉もありがとう御座います。
    お天気は予報通りにならない事も有りますよね。
    現地に行って、もし中止の場合は篠山観光に切り替えるつもりでした。
    でも、初めての山に登れて良かったです。

    キノコに毒があるか無いかは分かりにくいですが、綺麗であってもまず触らない事です。
    山中の場合、手を洗う所も無いので、それが目に入ったり傷口から進入したりしたら大変な事になるかも知れませんから。
    食いしん坊の芽は抑えてくださいね。

    大きなヒキガエルくんはアズマヒキガエルですか!
    これには、毒が無いでしょうが美味しくはないんでしょうね
    カエルがお好きなかっぱちゃんが描いた、可愛いカエルを楽しみにしています。
    風景や植物の写真を楽しんでいただけるよう、頑張りたいと思っています。
    ありがとう御座いました。
    2012年09月28日 23:46
  • asakun

    暑さという「敵」が
    去ったら 今度は天候不順と
    いう「敵」がまたまた
    出現して。
    気をつけて下さいね。
    ヒキガエルなんて初めて
    見ました。
    ビックリです!
    2012年10月01日 08:15
  • アルクノ

    asakunさん、何時も沢山の気持ち玉をありがとう御座います。
    天候との戦いは年中続くので、それを受け入れて行かないと、と思いますが快適な時期は短いですね。
    不満の芽は時折出てきますが、下山時は何時も「ありがとう御座いました」の感謝の気持ちを忘れないようにしています。
    このように健康を維持して歩けるようになったのも、山があったおかげなのですから。

    このヒキガエルは大き過ぎて動作が鈍く、突付いてもゆっくり動く有様でした
    2012年10月01日 10:22

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