BFJO第30回青春チャリティーコンサート(2012.07.15)

画像

県立高砂高校ジャズバンド部、Big Friendly Jazz Orchestra の定期演奏会です。
このブログで紹介するのは、昨年・2年前と合わせて今回で3回目です。
実のところ最初訪れたのは2008年で、神戸から聴きに行っている私は5回目と言うことになります。
BFJOに魅せられ、病み付きになってしまいました。

何時も素晴らしい演奏会ですが、2年前のものは此方に、
https://arukuno.seesaa.net/article/201007article_6.html
昨年のものは此方にあります。
https://arukuno.seesaa.net/article/201107article_4.html
写真だけですが興味のある方は御覧下さい。

過去、開催日には雨が降っていませんが今回もいいお天気の中、高砂へ出かけました。
12時半に開場なので、少し早めに山陽電鉄高砂駅に向かい、会場近くの昼食場所を探します。
これまで会場前の和風レストランで購入した鱒寿司が続いていたので、今後の為もあってレストラン探しです。
見つけたのはここ。
画像

(多分)コンサートに向かうお客さんが多くて満員でしたが、カウンターでランチを頂きました。
セットの紅茶が出てくるのに時間がかかって、高砂市文化会館の「じょうとんばホール」に到着したのは丁度開場の12時半。
最前列は確保できましたが、撮影には位置的にちょっと不利な場所でした。
画像
まずは校長先生の挨拶です。
画像



3部構成の演奏会ですが、1部はBFJOだけで持ち味を引き出した演奏を披露します。
2部はスペシャルゲストを迎えての演奏で、
最後の3部はBFJOで始まり、途中からゲストが加わってラストへ繋げます。


1部の1曲目は元気良く、Bill’s Thrills(1部と3部の曲名は全てプログラムから転記しています。)
バリトンソロのあと全員が立ち上がって迫力のある演奏でした。
画像

MC担当はトランペット担当の夏山さんとトロンボーン担当の副部長小林さん。
軽妙な会話を交えて曲目紹介をこなしていました。

2曲目はIt’s oh so niceでレギュラーバンドが始めて挑戦したCount Basie
画像
ペットとトロンボーンにミュートを被せて音量を抑え、サックスの迫力を押し出していました。

次の2曲は2年生を主体にしたジュニアバンドで、次期部長のテナー担当吉川さんの明るい挨拶。
演奏中も笑顔で周りへの気配りがありました。
Blues with a viewは音がコロコロ転がる楽しい演奏で、Six By Sixはジュニアバンドお気に入りの曲だそうです。
リズム隊も交代していますが、
画像
サックス隊左端の吉川さんはレギュラーバンドにも加わっています。
勿論ソロもしっかりこなします。
画像
(ズームアップするとブレが大きくなります。)

5曲目は寸劇ありのルパン三世のテーマ。
ルパン三世が飲み屋にやってきて、飲み屋の婆さんとのやり取りを面白おかしく演ずるという設定ですが、イマイチ練りこみ不足でしたね。
画像
テーブルを逆にして、客に扮している人の顔が見える方が良かった。
その客もサラリーマン風や酔っ払い風に作って、顔だけで笑わせるようにすれば尚良かった。
やり取りも、アニメルパンと志村ケン婆さんの決戦にして、大げさなドタバタコントにすれば観客の受けも良かったのでは?

昨年は部長扮するヨシムラマンのヨシムラビームは迫力があり、2年前のキラートマトとウォーターメロンマンの戦いはユーモアタップリでした。
来年の寸劇に期待しています^^)

ここで次期部長、吉川さん作のでっかいイラストが公開されます(写真は本人の為に非公開)。
ゾウの絵ですが、鼻が極端に短くて尻尾はくるりと巻いた豚タイプになっています。
胴体に大きくゾウと書いてあるので、これを無理やりゾウと思い込ませる作戦です。
ユーモアをたっぷり持っている方のようですね。
3年生が指導するそうなので、来年のイラストが楽しみです。

6曲目はレギュラーバンドでSomebody Loves Me
トロンボーン隊4名が前に出て合奏。
画像
次々ソロの数珠繋ぎをして、
画像
最後にまた合奏して締めくくるという演出でした。

1部のラストはお馴染みグレンミラーのIn the Mood
最後の方では全員スタンドアップで演奏し、
画像
緞帳が降りて10分の休憩です。



第2部はスペシャルゲスト宗清洋(むねきよひろし)クァルテットの演奏です。
宗清さんは23歳からアロージャズオーケストラ(AJO)のメンバーとなり、その後50年間創設者北野タダオさんの片腕・コンサートマスターとしての重責を果たし、2008年からはそのバンドリーダーに就任しました。
海外の著名なジャズプレイヤーとも数多く競演し、ジャズ専門誌SJ誌の人気投票では40年間上位にランクされる(プログラムより)。
メンバーはそのAJOに在籍している方で石田ヒロキ(ピアノ)、村松泰治(ベース)、中嶋俊夫(ドラム)です。

まず1曲目はビューティフルフレンドシップでBFJOのメンバーにもピッタシの曲。
軽快なテンポのジャズです。
画像
2曲目はプレスリーのラブミーテンダーをジャズ風にアレンジ。
次はクラシックからシューマンの楽しき農夫。
4曲目は昔の歌謡曲から西条八十作詩、服部良一作曲の蘇州夜曲。
「君がみ胸に 抱かれて聞くは 夢の船唄 鳥の歌 水の蘇州の 花散る春を 惜しむか柳がすすり泣く」
この歌詞を見ただけで歌えるご年配の方が沢山居られるのではないでしょうか。
このようにジャンルの違うものを取り入れてジャズ風にアレンジすることをクロスオーバージャズといいますが、今日の参加者に父兄や年配の方が多い事を想定しての、宗清さんによる選曲でした。
ラスト曲はキャラバンでデュークエリントンとエリントン楽団のトロンボーン奏者ファン・ティゾールが作曲したとあります。
スタンダードナンバーになっていて、色んなジャンルで演奏されます。
中嶋俊夫さんはスティックを使いながらもドラムをパーパッションのように扱う、キューバンスタイルのドラミングが素晴らしかったです。



休憩後
第3部は途中からスペシャルゲストも加わっての演奏です。
まずは部長がメンバー其々を紹介します。
画像
全員揃ったところで、1曲目はCelebration
ハデハデな曲で、夏らしくリズム隊もエレキギターとパーカッション。

次はCount BasieのFreckle Face
サックス隊は一人だけフルートで他はお休み。
ペットにトロンボーンがミュートを効かせて、
画像
このあとのペットソロを引き立てます。

3曲目の演奏前にMCに呼び出されたのは、ルービックキューブを趣味とするトランペット隊唯一の男子で2年生の日高君。
バラバラにしてあるものを次の曲が終わるまでに6面揃えると言う。
私なんか何曲演奏されても1面すら揃いませんが。
曲はFalling water
矢野部長のフリューゲルホルンをフューチャーしたしっとり味のバラードでしたが、曲が終わって先ほどの男子が登場。
曲の中ほどで6面揃ったそうです。
画像
写真がブレブレで申し訳御座いません

4曲目からゲストの宗清洋クァルテットも加わります。
画像

画像

宗清さんもメンバーの一員として座っています
画像

曲紹介は割愛して、終わってからMCでトロンボーン担当の副部長小林さんがトロンボーン隊を代表して宗清さんに質問です。
高い音を出すには?と早いフレーズを吹くには?の2問でしたが、予想通り両方とも練習あるのみでした^^)
ただ演奏テクニックだけではなく、音楽の表現方法と心を磨く事が一番大切であることを説いていました。
テクニックが上達すると表現の幅が広がるが、根本を忘れないようにという事でした。
超絶テクニックを使っていてもハートがないとダメですからね。
BFJOの演奏は楽しいところが、他を寄せ付けないポイントじゃないでしょうか。

5曲目はジュニアバンドで、ノリノリのGive up the funk
画像

そのあと夏休みの思い出話に代表者が登場。
画像
釣ったフグの口に指を突っ込んで痛い目に遭遇したという話と、ヒルに血を吸われたがそれを引っぺがして踏みつけバーベキューに放り込んで燃やしたと言う話。
とても痛々しいが豪快なお話でした。
もう一つあったが忘れました。

6曲目は矢野組の十八番で思い出深い曲、とプログラムにあります。
Too Much of A Good Thingは、各パートの盛り上げ方が曲名通りGood山盛りのノリノリでした。

曲が終わって部長の挨拶です。
夏が終わると3年生は就職や進学があるので引退します。
今までの楽しかった事や辛かった事、色々話すうちに感極まって涙が溢れます。
画像
部員で泣いている人も。
私も目頭が熱くなります。
でも最後まで、気丈に挨拶しました。
偉い!

プログラムでのラスト曲は、
ドリスデイの歌唱で有名なLove For Sale
画像

トロンボーンもしっとり素晴らしかったです。
画像

ここでカーテンが降りますが
画像
これで終わるわけは無く、鳴り止まぬ拍手で部長がトランペットソロ。
カーテンが上がって、演奏する曲は聖者が街にやってくる。
画像


アンコールも2曲目、いよいよ最後となってMCもラスト曲の紹介です。
画像
明るい左の夏山さんも声を詰まらせます。
立ち見が出るほどの来場者に感極まったんですね。
プログラムには見た目はおばはん、中身はおっさんと書かかれていますが、ナイーブな面もあるんですね。

ラスト曲はCount Basieのエイプリルインパリス。
画像

部長さんのハイノートトランペットが良かったです。
画像
写りが悪くてごめんなさい。

「ONE MORE TIME」と大きく書かれたテロップ(部員が持って移動する横断幕)が流れて、
いよいよ最後、終演です。
画像
ありがとう御座いました、とメンバー
画像
いえいえ此方こそ、ありがとう御座いました
緞帳が降りてほっとしたのか、客席を見やる次期部長さんです。
画像

アンケートを書いて外へ出ると、お礼の演奏をしていました。
画像

演奏が終わると記念撮影も。
画像


来年の第31回もまた来ますので宜しく御願いします。
画像



楽しくて素晴らしい演奏を沢山ありがとう御座いました。
8月25・26日に開催されるStudent Jazz Festivalも楽しみにしています。
頑張って下さい

この記事へのコメント

  • yoppy702

    アルクノさんのお陰で、こういったコンサートを楽しませて頂いております。

    ビッグバンドは、ベイシーグレンミラーが登場してくるので、やっぱり懐かしい音です。例の、「スイングガールズ」の時も、TSUTAYAで借りて観てしまいましたからね。

    宗清洋クァルテットの演奏、スゴイ。
    多種多様。これぞ、JAZZという感じです。
    さすがにスゴ腕ミュージシャン。
    これだけでも聴く価値ありですね。

    「演奏テクニックだけではなく、音楽の表現方法と心を磨く事が一番大切…」
    そうなんですよ。テクニックは、大切やけど、テクニックだけに走ってると、味気ない音楽になっちゃいますものね。
    自分の楽器とお話ができるようにならないといけないんですね。

    学生さんは卒業があるので、ホント、今までの事が一瞬で蘇ってくるんでしょうね。頑張って、やってきた音楽は、一生の素敵な思いでと支えになると思います。
    こういう感動を伝えて頂きありがとうございます。
    2012年07月16日 22:05
  • アルクノ

    yoppyさん、早速のコメントと気持ち玉をありがとう御座います。
    まぁこんなに事細かくジャズライブレポートを書くブロガーも珍しいと思いますが(自分で言うのもなんですが)、これでジャズの楽しさやBFJOの素晴らしさが分かっていただけたらと思っています。

    宗清洋さんはこのBFJOの指導にも力を入れていて、今回はメインのゲストでしたが、毎回のように来てくれています。
    出てくる言葉も頷く事ばかりです。
    yoppyさんも奏者として良く分かっておられる事と思います。
    高校生なら何処もそうですが、高砂高校は毎年メンバーが入れ替わるのに、毎年素晴らしい演奏を披露します。
    これは凄いことだと思っています。
    此方としては次はどんなメンバーなのだろうと気安く考えていますが、本人は技も心も両方磨いて大変な努力を重ねているのだと思います。

    私達が応援する事が励みとなって、更に磨かれるのならと願っています。
    やり遂げた事は宝石のように輝き続けるんでしょうね。
    2012年07月16日 22:34
  • ふぉるま

    一気に読んじゃいました♪
    若い子たちのエネルギーを頂いた感じです
    馴染みのある曲も多くて演奏するのも楽しいでしょうね
    高校最後の演奏会 涙がこみ上げてきますよね
    部長さんなら想いもたくさんでしょう
    私も学生生活最後の学祭の演奏会で 最後の曲はG線上のアリアでしたが 涙が止まらず演奏になりませんでした
    担当のバスクラは一人しかいなかったけど・・・
    2012年07月18日 11:09
  • アルクノ

    ふぉるまさん、暖かいコメントと気持ち玉をありがとう御座います。
    ふぉるまさんの学祭最後の演奏曲はG線上のアリアでしたか。
    涙が止まらない状態だったとの事、良く分かります。
    それが一生の思い出になってずっと残るんですよね。
    高砂高校のメンバー達もそうだと思います。

    このメンバー達にはもうひと踏ん張り、
    Student Jazz Festivalがあるので、また応援に出かけたいと思っています。
    2012年07月18日 12:11
  • asakun

    高校生でここまでできるなんて
    素晴らしいですね。
    寸劇も入って、ルパン3世なんて
    盛り上がりますね~。
    16、7、8歳の頃は一番体力もあるし
    充実した時間を過ごせるのに やりたい
    ことを見つけるのはムヅカシクテ。
    こちらでも路上パフォーマンスで
    アルトサックスなど吹いていると
    立ち止まってしまいますが、
    アルクノさんの力の入ったご紹介で
    アタマの中を音楽が巡りました。
    素敵な高校生活を送った学生さんたち
    に拍手
    そしてご紹介くださった
    アルクノさんにも
    2012年07月18日 15:22
  • KURI

    臨場感溢れるドキュメンタリーをありがとうございます。
    ふぉるまさんが「学祭最後の演奏曲はG線上のアリア」というのを伺って、自分のバンドの最後はなんだったろう?と頻りに思い出そうとしても思い出せません。大学時代も最後はなんだったろう?と考えても駄目でした。
     でも雰囲気は覚えています。こちらまでうるっとしちゃいました。
    2012年07月18日 15:22
  • アルクノ

    asakunさん、沢山の気持ち玉と拍手をありがとう御座います。
    2008年、私が最初にこのBFJOを新開地で聴いたときは女性ばかりだったので女子校?と思ってしまいました。
    男子が増えて迫力が増し、活気も溢れてきたように思います。
    寸劇やら、漫才のようなやりとりやら、色んな物があってとても楽しい演奏会です。
    その楽しさがお届けできたようで嬉しく思います。
    私が健康である限り毎年レポートしますので、また来年もお立ち寄り下さい
    2012年07月18日 16:08
  • アルクノ

    KURIさん、気持ち玉もありがとう御座います。
    私は美術部だったのでこのような演奏経験はありませんが、熱いものが伝わってきます。
    奏者だったKURIさんなら尚更の事でしょう。
    演奏曲は忘れても、素敵な思い出が財産だと思います。
    現在は息子さんとのギターのコラボ、素晴らしいことだと思っています。
    頑張って下さい
    2012年07月18日 16:18

この記事へのトラックバック