昨年10月以来のジャズライブレポートです。
芦屋市にある甲南高校の講堂で開催された中学生と高校生によるビッグバンドの競演ですが、写真と私のコメントでお届けします。
昨年初めて観賞したが、楽しかったのでまた行く事にしました。
昨年の「第13回 Students Jazz Live(2011.04.29)」の様子は此方を御覧下さい。
https://arukuno.seesaa.net/article/201104article_10.html
昨年同様、中学と高校から3校ずつの参加です。
特別ゲストにTHN-Town Bounce(サンタウン・バウンス)と最後に甲南大学のNewport Swing Orchestraがシメで登場します。
阪急芦屋川駅から甲南高校まではバスも運行されているようですが、当然私は歩きます。
昨年は少し迷ったが、歩いた道順を昨年の記事に書いてあるので、それを読み返し、頭に入れてから出かけた次第です。
阪急芦屋川駅売店でおにぎり2個とランチパックを購入して、甲南高校に到着したのは汗が噴き出てきた12時33分。
(昨年とは開演時間が異なっているので、ダイジョウブ。)
駅を出て暫らくすると登り坂になるが、出てから丁度20分後でした。
到着して荷物を降ろし、食事に向かうのか、大勢の生徒達が門を出て行くところでした。
私は講堂下の食堂にある自販機でドリンクを購入し、ここで昼食です。
食後、講堂に向かうが、開場は13時からなのでこれらの掲示物を眺める。
過去の写真を残しているようで、初回からの演奏会がスナップ写真として展示されていた、
会場に入ると最前列はスタッフの席として機材が置いてあるので、
私は2列目に座ります。
(13:30) 実行委員会代表の方の挨拶の後、過去のスナップ写真がスクリーンに映し出されて盛り上げます。
その後、司会進行役のOBさん(昨年と同じ人)が登場して演奏が始まる。
トップバッターは、
西宮私立学文中学校 学文JAZZオーケストラ。
昨年は居た面白い喋りのMCさんは卒業して、真面目なMCさん3名と真面目な演奏でした。
(中学生も出場するこの大会なので、写真は全て640×480ピクセルと小さくしています事をご了承下さい。)
メンバーが多く、曲目によるチェンジもあったが、短いパートながらソロ奏者も入れ替り立ち代り登場します。
最後は「JUMPIN’JACK」で派手なパフォーマンス付きの演奏で盛り上げます。
今回は特別ゲストの方夫々による講評も演奏後に付け加えられました。
講評→年々巧くなっている。ビッグバンド風の音量の変化が欲しい。若さと勢いがありました。
(以下も講評は要約しています。)
次は
高槻市立柳川中学 YANAGAWA The Sunny Side Jazz Orchestra。
この学校だけが昨年と違う出場校です。
指揮者がノリノリで、まるで踊っているかのようでした^^)
MCは高砂高校の影響を受けたのか、女性2人が茶目っ気を出していた。
これはラスト曲「ブルー・アイズ・オン」ですが、会場からの手拍子も演奏を盛り上げます。
ポーズも決まってGood!でした。
このように、動きのあるパフォーマンスは楽しいものです。
演奏後、司会者による代表者へのインタビューでは「はしゃぎすぎて疲れた!」と言うコメント!
講評→トロンボーンが巧い。演奏しながら指揮者を良く見るように。
(はしゃぐ方に神経が集中していたのかも^^)
中学生ラストは、
甲南中学ブラスアンサンブル部。
午前中に授業があったようで、それを終えての参加です。
プログラムには部員不足で困っているとありました。
演奏曲目はプログラムから変更され、「ジャズ・メン」のあと「オール・ザ・シングス・ユアー」。
ラスト曲は「バードランド」で、中学生とは思えないノリノリで迫力のある演奏でした。
この後、特別ゲストの方達は演奏者として登場なので講評は紙に書いて、のちほど渡すそうです。
特別ゲストの
THN-Town Bounce。
ペットがメインで、リードギターとリズムギターにウッドベースが絡むという珍しいスタイルのコンボです。
2曲目「オン・ザ・サニーサイド・・」は、しっとりと落ち着いた聴きやすいジャズでした。
ラストのロシア曲「ダーク・アイズ(黒い瞳)」では早い音符を流れるように吹いていました。
2011年9月の「金沢Jazz Street Competition」ではグランプリを獲得したバンドです。
レストランで演奏する事が多いと言っていましたが、今後は、その金沢に行く事と秋の神戸ジャズストリートにも出演するそうです。
THN-Town Bounceのオフィシャルウェブはこちらです。
http://www.thntownbounce.com/
ネットで調べると「高見浩之 (Cornet) / 橘隆司 (Guitar) / 錦織賢治 (Guitar) / 波戸就明 (Bass). 2006年11月、アメリカのシカゴより帰国した コルネットの高見浩之が、関西の若手Jazzミュージシャンを集めて結成したグループ。」とあります。
更に調べると「近年はMonette製のFlumpet(フランペット)という楽器を使用している。」とあり、当日演奏に使用したのもこのフランペットと言う楽器のようです。
トランペットに比べて音色が柔らかく、ムーディーな演奏にピッタシでした。
―10分間の休憩―
後半は高校の部で、まずは
伊丹市立伊丹高等学校 ICHI☆ITA JAZZ Ensemble。
1曲目、マイルス・デビスの演奏で有名な「Spain」。
脇のパーカッション4人が雰囲気作りをしていました。
このトランペットソロには叙情感があって○です。
2曲目はラテンリズムを取り入れた「Take The“A”Train」。
ここでもtpソロが光っていたが、各楽器によるソロの数珠繋ぎがGoodでした。
3曲目カウントベイシーの「Switch in Time」では1年生部員も入っての演奏。
トロンボーン隊は肩にタオルをかけていて、お洒落な雰囲気です。
ラストは「Like Thunder」でこの二人のソロが盛り上げます。
奏者が多いので音の厚みがあり、ソロもレベルの高い演奏でした。
講評→ラテン系が○、スイング系にもっとインパクトを。
次はホストの
甲南高等学校ブラスアンサンブル。
ここは3年生になると引退するので、入部したばかりの1年生と2年生による演奏です。
まだ練習過程にあるようですが、カウントベイシーを続けて演奏します。
2曲目の「A Night At El Morocco」は私も良く聴く曲で、ミディアムテンポの楽しい曲です。
従来のパワーで押しまくる路線から進路変更のようです。
それは3曲目で更にはっきりしました。
「LI’L Darlin’」は超スローなバラード。
美しいメロディーを飽きさせないように演奏するのがポイントでしょうか。
ジャズには様々なテンポのものがあるのでそれらに挑戦してみて下さい、との諸先生方のコンテストでのアドバイスを受け入れたようです。
ラストの「Sweet Georgia Brown」ではアップテンポに戻して締めくくっていました。
これらの写真で、パワーを抑えた路線変更をお分かり頂けるでしょうか。
演奏の幅を広げていこうとする姿勢は素晴らしい事だと思います。
講評→ソロに力量がある。休符が歌えるようにして下さい。
高校の部ラストは、我が愛する
兵庫県立高砂高等学校Big Friendly Jazz Orchestra。
いつもハッピーな演奏で楽しませて頂いています、と司会者が紹介したように、明るくウキウキするような演奏で始まります。
グレン・ミラーの「茶色の小瓶」でまず聴衆のハートをがっちりと掴む戦法です^^)
ソロパートは女性が多いですが、
バックで男性が数名サポートしています。
女性MC二人による茶目っけ路線は健在でした。
2曲目はジュニアバンドによるラテン系の演奏。
3曲目は新たに練習した曲で、カウントベイシーの「Freckle Face」。
これも自宅で良く聴いている曲です。
フリューゲルホルンのソロも心地良く、強弱のポイントを心得た演奏が見事でした。
ラストは「Too Much of A Good Thing」
各パートが立ち上がって夫々の一体感を表現しています。
サウンドはお届けしていませんが、アンサンブルが綺麗にまとまった、ハッピーな演奏でした。
講評→楽しい演奏で良かった。普段から仲がいいのでは?と思える雰囲気が伝わってくる。
ここでお知らせです。
7月15日(日)に高砂市文化会館でBig Friendly Jazz Orchestraによる第30回青春チャリティーコンサートが開催されます。
彼女や彼達のハッピーな演奏がタップリ聴けるので是非お越し下さい。
最後はゲストとして出演する、
甲南大学Newport Swing Orchestra。
MCは昨年と同じこの方。
喋りが軽快で、アルトサックスも滑らかに、流暢に鳴らしています。
女性プレイヤーもスタイルのいい華やいだ雰囲気の方ばかりで、
ビジュアル的にも楽しませてくれる大人のジャズでした。
2曲目の「Shiny Stockings」とBFJOも演奏した4曲目の「Freckle Face」が良かったです。
トリは「Wind Machine」で軽快なアップテンポの曲でした。
注目はトランペットのこの方。
まだ2回生ですが、トランペットをリードしています。
最後の挨拶も任されていました。
大阪城ジャズ祭では2日目の5月20日(日)にトップで出場します。
その日は神戸祭りなので私は行けませんが、19日には行くつもりです。
更に注目は、昨年度まで高砂高校のトランペッターだった古河潤也君が1回生としてこの舞台に立っていた事。
昨年の第27回Japan Student Jazz Festival(2011.08.21)ではバークリー賞を獲得した3名の中に入っていました。
年間50件以上の演奏活動をするという素晴らしい環境のこのバンドで、更に腕を磨いていって下さい。
来年からも、ここへ来るのが楽しみになりました。
受付で頂いていたアンケート用紙に意見など記入し、
会場を後にしたのは、17:14。
高級住宅街を眺めながら、
阪急芦屋川駅へ下ります

最後まで読んでいただいて、ありがとう御座いました

この記事へのコメント
yoppy702
それにしても、ジャズ好きのアルクノさんが、記事を書くと、「あー…そうなんや。」と納得することしかりです。
興味があるのが、ギター2本、ウッドベース、ペットのTHN-Town Bounce。
オン・ザ・サニーサイド・オブ・ストリートですか?
聴いてみたいと思って、YouTubeを探したんですが、見当たらず…でも、「Dark eyes」があったので、聴いてみました。ドラムがなくても、こんなにスイングするんですね。
ろた(・д・*)/
学文でアルトを吹いてるものです…
SJLの感想などを書いてくださってるブログさんを探してて見つけたんですが…
詳しく書いてくださって嬉しいです!!
私たち中学生の演奏でもこんなに聞いてくれる方がいるのか…と思うと、もっと頑張らなくてはと思います
MCはやはり昨年の先輩のほうが面白かったようですね…(´・ω・`)
ソロなどはどうでしたか??
私は今回2曲のソロをやったのですが、レベルが落ちているな…と正直思っています。
やはり、甲南は素晴らしいですね
高校はどこも時間の都合で聞けなかったのですが、甲南中をみると自分達がどれだけ下手か思いしらされます…
甲南高校や高砂高校の演奏は他のステージなどで聞くことがありましたが、毎回驚かされます。
こんな音がでるのか、こんなに綺麗なのか、と。
まだまだな私たちGJOですが、これからも頑張ります。
長文失礼しました。
アルクノ
中学生がこのようにビッグバンドを演奏するようになったのは、映画「スイング ガールズ」がヒットしてからのような気がします。
神戸を中心として関西は特に盛んですね。
ソロはまだ未熟なものがありますが、高校大学と進むと光ってくると思います。
成人しても止めないでしょうから、社会人バンドも増えていくような気がします。
THN-Town Bounceは中高年にも合う聴き易いジャズですね。
リードギターとリズムギターが巧く噛みあってスイング感を演出しているのには、私も感心しました。
アルバムも出ているので、求めたいと思います。
Dark eyesがありましたか、早速聴いてみます
アルクノ
奏者からこのように丁寧なコメントは初めてです。
私は演奏しませんが、ブログで音楽の素晴らしさを広げていければと思っています。
今から10月ぐらいまでの期間だけですけど。
中学生でソロが決まったりしたら先輩達がビックリするのでは?と思います。
今はアンサンブルに磨きをかけて、回りと音を合わせることや強弱でスケール感を出していくようにすれば甲南や高砂に近づけると思います。
何よりジャズを楽しんで演奏して下さいね。
私も、甲南や高砂の高校生にはいつも驚かされます。
上がいると言う事は、目標を探さなくても近くにいるということなので、そう思って頑張って下さいね。
応援しています。
Nobita
SJLに行かれたんですね!
私も第2回か3回までスタッフしてました。
学生の皆さんには長く音楽活動を続けて欲しいなと思います。
アルクノ
甲南の力量は衰える事がありませんね。
いつも感心しています。
OBの方のサポートもあると思いますが、プロになったTHN-Town Bounceのリーダーの方の演奏を聴くとここで培っていった力の凄さも感じます。
何時までも高砂の強敵であり続けて欲しいと思っています。
KURI
こういう若者の演奏を聴かせてもらうと元気をもらえますよねぇ。読ませてもらっているだけでもなんだかワクワクしちゃいました。(^_^)
風子
この日は楽しくて充実の1日だったことでしょう・・
中高生と言えども本格的な演奏だったようで、心にたっぷりの栄養も補給できたことでしょうし、生で聴くのは、なんとも素晴らしいことでもありますよね・・
画像を見るだけで、雰囲気伝わってきますよ
好きなことに、浸れる時間は何事にも替えられない貴重な時間でもありますものね~~
アルクノ
KURIさんはギターだけでなくトランペットもこなすんですね。
是非、欲しいと仰っていたギターを手に入れて、親子で演奏会を
ジャズでもマーチでも「茶色の小瓶」は素晴らしい曲になると思います。
音楽が好きだという気持ちは、何時までも持ち続けたいですね。
こういう演奏会を聴き終えると、私は心が青春時代に浸ってしまって、なかなか現実に戻る事が出来ないのです。
今でもウキウキ、ワクワクしています
アルクノ
私は趣味が多彩で、風子さんには昨年の記事にもコメントを頂いていますが、今年もありがとう御座います
好きなものには、のめり込んでしまう性格も明らかですね
ジャズとの関わりは十代の時からなので、かれこれ半生記が経過しちゃいました
ジャズは生で聴くのが一番です。
演奏者の顔とその姿もジャズであると思っています。
CDだとそれが分かりません。
ビールが好きな私はその音楽の一番絞りがいいのです
ふぉるま
学生さんのジャズバンドがこんなに集まっての演奏会羨ましい 聞いてみたいです
中学生の頃からジャズの演奏が出来るなんて恵まれた環境ですね
どこも女の子が多いのですね 甲南中学は部員不足とは言え男の子が多いようなので迫力があったのではないでしょうか
講評も添えてあるので演奏の様子も感じられホントに楽しくじっくり拝見しました
アルクノ
楽しんでいただけて何よりです。
もし、ジャズを聴きたくなったら、カウント・ベイシーのビッグバンドから聴いて下さいね。私からのお勧めです
会場で、シャイで可愛い中学生が頑張っている姿を見ると、ホント頑張って~と言いたくなりますよ。
甲南は中高と男子校ですが、大学になると突然美しい女性が出てくるのでビックリします
でも、市立とか県立は共学なのに、何処も女性が多いので不思議に思っています。
日本の将来のジャズ界には、女性で溢れているかも
講評は今年からのようですが、続けて欲しいと思っています。
ケン
止めてしまって、残念さが少し残ってます。
貴兄の講評、とても良いですね。
アルクノ
「茶色の小瓶」また練習して、仲間内でもいいですから演奏しませんか?
私の講評ですか、
今まで山ほどジャズを聴いてきただけで、好きなことを書いています。