千苅ダムの放流と光明寺(2012.02.28)

先々週に仲間とこのコースを歩く予定だったが、雨天中止となりました。
様子伺いもあって単独で歩いてきました。

コースは神鉄道場駅~JR道場駅~千苅(せんがり)水源地~光明寺(昼食)~三田駅で、距離は約11kmです。
ポイントは堰堤からの放流で、何度歩いてもめったに出くわす事はありません。
昨年5月は運良く大量放水の場面に出会ったので参加者には満足頂けました。
https://arukuno.seesaa.net/article/201105article_9.html
興味のある方は上をクリックして御覧下さい。

そのような大量ではなかったが、今回は堰堤のカーブを流れ落ちる美しい放流が見られました。
高さ42.4mからのオーバーフローは見応えがあるものでした。


昨年は後半がキリンビールの工場見学だったのでコース説明を簡略化したが、今回は詳しく紹介していきます。
神鉄道場駅から階段下って「しろやまはし」を渡ると、このような地図看板がある(10:38)。
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オリジナルの写真ですので、拡大して御覧下さい。
歩いたルートを示す赤いラインはPC上で加工したものです。
現地に行ってもこのような書き込みはありませんので^^)
千苅水源地以降のルートは適当に描いたもので、実際とは多少異なるかも。
この地図を見て思うのは川の流れが複雑な事です。
ルートに入る有馬川周辺も有野川など色んな支流を呑み込んでいるが、春日橋からは武庫川に注ぎ込み、更に鎌倉峡を下る船坂川や波豆川(はずがわ)もその武庫川に流れ込んでいます。
この波豆川が今回訪れる千苅堰堤からのものです。
その水道用水を溜めるダム湖には波豆川と並んで西方面から羽束川も流入しています。
このことから、武庫川は北神戸・三田・宝塚方面からの流入によって支えられている河川ということになります。
余談ですが、有馬川に注ぐ有野川の流域面積がこれまた広い。
六甲山系北側の流れが殆んど有野川の源流となっています。


前置きが長くなりましたが、ここから本題です。
駅下の車道に出て、右へ橋を渡って、川沿いに歩いてR176へ階段を上がる。
すると大きな歩道橋があり、スロープを登ると、
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前方に有馬川が広がるが、R176を跨いで向こう側へ降りるとその有馬川を渡る橋がある。
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ここから土手を伝って下流側へ歩き続けることになります。
土手に下りると、右に神戸北区役所の道場連絡所がある。
更に進むと道場小学校校庭も見えてくる(10:54)。
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暫らく歩くと「道場ふれあいひろば」と呼ばれる親水広場へ降りられるスロープもあるので、川原へ降りて休憩するのもいいでしょう。
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今はコンクリート橋の月見橋だが、
江戸時代のこと「在原行平卿が都に還った後、須磨の松風・村雨の姉妹が都恋しと月を眺めた所」と記されています。
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その寂しさを演出する為、まだ蕾も無い桜の枝を手前にあしらってみました(11:01)。

月見橋の直ぐ近く、大きな望遠レンズを三脚にセットした男性が何やら撮影していました。
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近付いてズームで撮ってみましたが、このシラサギ嬢?のお食事風景を狙っているようでした。
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私が近付いた時に食事は終わっていて、しかも撮られるのを嫌ってかあっち向いての食事だったようです。

視界は良好で羽束山もくっきりと見えます。
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この辺りには大きな山が無いので、ちょっと目立ち過ぎの羽束山君です。

春日橋を過ぎると武庫川となるが、JR道場駅を出た7両編成の普通電車が川向こうを此方へ向かって走って来ました。
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舗装路歩きが飽きてきた頃、前方に生野橋が見えてきます。
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渡った先の右手に富士チタン工業の門がある。
そこから2分でJR道場駅前です。
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その先「肖像」とあるモニュメントの向こうにトイレがあるので拝借(11:38)。
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スタートから丁度1時間が経過しています。

線路沿い、その向こうにある踏み切りを渡るが、
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特急と普通電車が擦れ違う所でした。
渡った所から太陽と緑の道に入るが、近畿自然歩道の看板やそのコース見所も掲示されている。
流れを変える武庫川と別れて暫らく行くと、波豆川が脇を流れ来るようになる。
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そのまま進むと、神戸市水道局千苅貯水場の門の前です(12:04)。
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この駐車場右から細い道が続いていて、凸凹道を歩くと6分でダムが見えてくる。
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有形文化財として色々勲章も貰っているダムです。
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ダム横にバイパスがあって、そこからも放流していました。
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正面右からダムの全体像を捉えてみる。
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放流した水が合わさって滝のようになるのも見所の一つです。
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ここの放流が美しいと言うことで、遠方から来る方も居られると聞きます。
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左から階段を上がり、その中腹からの眺めです。
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これ以上水量が増えると滝のようになるので、水模様を見せるには丁度いい感じです。
しかし、水道水として使う水なのでもったいない気もします。
バイパスからの放水とツーショット。
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放水出口ですが、ここに水量を調節するゲートがあります。
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奥側10箇所のゲートを少し下げることで手前側の放水量を減らしています。
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これは、手前側は合流して斜面を滝のように流れ落ちるのでその水量を減らす為の工夫だと思います。

満水となった千苅貯水池ですが、
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ここからは、落石に注意しながら歩く山道になります(12:24)。
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貯水池へ進入禁止のフェンス沿いに水平道を進むと、フェンスと別れ、太陽と緑の道の道標に従って谷筋に入る。
少量の水が流れているところや泥濘もあるのでストックは必携です。
苔だらけの岩には注意し、足場を確認しながらゆっくり登ります。
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古い堰堤脇を登って、
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暫らく進むとゴルフ場の敷地内に入る。
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武庫ノ台ゴルフコースと表示があります。
直ぐにある最初のトンネルは短いのでライトは不要だが、ゴルフ場の敷地より一段低くなっているので泥濘が酷くなる。
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置石も苔に覆われているので滑らないよう注意が必要だが、3分後にまたトンネルがある。
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この中間辺りが真っ暗となるので携帯ライトを取り出す。
抜けると、ゴルフ場と別れて乾いた道になる。
石ゴロゴロや水平道、最後に小さな坂を上がると、
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光明寺の境内です(12:58)。
ここは広大な墓苑となっているので、墓参される方の休憩所があります。
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この左の階段を上がると、誰もいない私の昼食場所です(12:59)。

早速昼食の用意。
と言っても、ザックから取り出すだけですが。
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大きいポットにはお湯、小さいポットには燗酒。
カップ麺に乗っているのは自作のカップ麺専用フォーク。
その前にあるのも手製のストック、と言うか木製の杖。
この「イルカ型むっちりフォーク」に興味のある方は此方を御覧下さい。
https://arukuno.seesaa.net/article/201107article_7.html
附属のスープと七味も使って、頂きま~す。
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食後、下ってトイレに向かう。
JR福知山線事故の慰霊碑がある手前を入ると太陽と緑の道が続くが、
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鏑射寺(かぶらいじ)への道は通行止めになっていた。
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急坂の場所で崩落しているようです。
単独なので久し振りに行ってみようと思っていたが・・、断念し、墓苑を出て三田に向かいます(13:30)。
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ダラ下りのあと分岐を左に向かうが、右方向に目立ち過ぎの羽束山が見えてくる(13:50)。
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ここからも行けるが、通常は下山後この道を通って、後ろ方向の三田に向かいます。

道は、JRの架線を左に見て三田駅に向かうようになる。
やがて神鉄も近づいてきて、左折して両方の踏切を渡ると神鉄三田駅(14:13)。
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JRも神鉄と隣接しているので、そのまま真っ直ぐ進むとJR三田駅となる。


千苅ダムの放流時期は特定できなのです。
最近雨があまり降っていないのに堰堤からオーバーフローしていたのは水道使用量との関係もあるのでしょうか。
梅雨時は計画的に放流しているかも知れませんが、降雨後は光明寺への道が滑りやすくゴルフ場の近くは水溜りになっているかも。
夏は湿気で蒸し暑く虫も飛んでいます^^)
今の時期から春まで、またチャンスがあるのかも知れませんね。

この記事へのコメント

  • 風子

    冬枯れの里山の風景はどんよりとした無彩色の世界でどこか寂しげです
    20数年以前にこの地へ引っ越してきてから、山間の町の冬景色は寂しいな思いを強くしていました
    そんな冬も、暑い夏もひたすら歩かれるアルクノさんですものね
    千苅ダム、聞いたことはあるのですが、おりよく放流が見れたのは何よりでしたね・・けっこう迫力もあって・・見事です・・
    2012年02月29日 17:42
  • アルクノ

    風子さん、気持ち玉もありがとう御座います。
    有馬川土手には桜も梅も咲いておらず、寂しい雰囲気でした。
    行く道で擦れ違ったのも、カメラを構える男性と工事関係者だけでした。
    この時期にここをウォーキングや山歩きをするのは、私だけです

    この千苅ダム、写真にある神戸市水道局千苅貯水場の駐車場に車を止めれば6~7分で行ける距離です。
    堰堤の階段上がって周辺の散歩であれば誰でも行けると思いますよ。
    2012年02月29日 18:12
  • yoppy702

    5月の記事も拝見しましたが、
    千苅ダムの放流って素晴らしいですね。
    ダムの放流って、実際に見た事はなく
    写真等でしか見ていないので、
    目の当たりにすると、感動するだろうなぁ。

    アルクノさんに甘えている
    「イルカ型むっちりフォーク」
    この記事も読ませて頂きましたが、
    こちらにも
    好きだった栓抜きを、その形で残し、山歩きに連れて行ってるなんて、素敵です。
    普段は、必要ないでしょうが、携帯ライトも山歩きには、リュックに入れといた方が良さそうですね。
    2012年03月01日 01:30
  • アルクノ

    yoppyさん、気持ち玉に拍手もありがとう御座います。
    5月の時は大放流でその音が凄かったのですが、今回は魅せる放流でした。
    この時に行ったら見れると言えないのが残念ですが、私の場合、打率2割の平凡バッターです

    その記事にも書いていますが「イルカ型むっちりフォーク」は、そこらに置いた時にフォークの先が持ち上がっているので清潔です。
    うどんのような太い麺の場合は箸の方がいいんですけどね。

    私の携帯ライトは単三3本で発光ダイオードが3連のものです。電池は別ですが百均で売っていたので驚きました。
    トンネルではそれを2本両手に持って、足元と遠くの両方照らしています。
    2012年03月01日 08:05
  • サラ&メル

    こんにちは。
    いよいよ3月、山ではまだ早いでしょうが、里では花を見ながら歩くにはいい季節になりましたね。
    春のトレッキングの記事も楽しみにしています。
    2012年03月01日 12:07
  • アルクノ

    サラ&メルさん、気持ち玉もありがとう御座います。
    この有馬川沿いの桜並木も、この地域では有名な花見の場所となっています。
    今日も暖かかい日差しを浴びて歩きましたが、オオイヌノフグリが咲いていました。
    スイセンなどの花もそろそろでしょうか。行く道で花に出合ったら紹介できるかも知れません。
    2012年03月01日 15:48
  • らんたん

    ダムの水が流れで模様が出来るように計算されている見たいですね。流れの部分だけの写真はアートになり綺麗です!
    イルカのmyフォークはユーモアがありしかも食べやすそうです
    今度の計画はどちらに? 独り歩きを楽しんでいられる様子が伝わってきます(^^)
    2012年03月01日 17:51
  • アルクノ

    らんたんさん、気持ち玉もありがとう御座います。
    これ位の水量で、綺麗な水の模様が出来るように設計されているのでしょうね。
    勲章も沢山授与された有名なダムのようです。

    このイルカ型は私のお気に入りで、これからも毎年寒くなると登場すると思います

    今日は仲間と百丈岩に登ったので、明日位にアップすると思います。
    今後の予定ですね。
    では、極秘情報を公開します、
    来週は1月に行った天王ダムから鍋蓋山をアレンジして再チャレンジです。
    15日はシビレ山~丹生山をコースを変えて、22日は帝釈山~丹生山、29日は新神戸駅から摩耶山と続きますので・・、
    乞う ご期待です!
    単独ハイクは予定無しで時々登場し、篠山方面も月一回あると思います。
    2012年03月01日 18:23
  • てくてく

    ダム放流、豪快でいいですね。
    色々珍しいコースの紹介有難うございます。
    楽しみにしています。
    お疲れ様でした。^ ^
                    てくてく
    2012年03月01日 23:52
  • アルクノ

    てくてくさま、気持ち玉もありがとう御座います。
    このコース、最初は神鉄ハイクで教えて頂いた神鉄道場~千苅ダム往復というものでした。ダムから先はどうなっているの?と私が探索して、その後仲間と一緒に歩くようになりました。
    鏑射寺へは深い森の中へ探検するようなコースです。
    復旧すればまた紹介したいと思います。
    2012年03月02日 08:35
  • KURI

    昨年のものと比べて少し水量が少ない感じですが、これはこれで面白いですねぇ。シャッタースピードを変えて撮ることが出来ればいろいろなバリエーションが楽しめそうです。
    MY七味唐辛子持参ですか!私も同じS&Bのものを使っています。(^_^)
    羽束山はその形からしても、いかにも昔からパワースポットになっていそうな山ですねぇ。
    2012年03月02日 14:59
  • アルクノ

    KURIさん、何時もありがとう御座います。
    昨年はダム湖への流入量が多く、仕方なくの大量放水でした。
    今回が、私が見た中では一番綺麗な放流でしたよ。
    シャッタースピードを変えて撮ると面白いかもしれませんね。アイデアをありがとう御座います。

    「MY七味唐辛子」、もっと早くから気付いておれば良かったと思っています

    羽束山は手軽に登れる人気の山で、兵庫100山にも入っています。登山口から登り40分下り30分で行けます。
    2012年03月02日 16:16

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千苅ダムからキリンビール神戸工場見学へ(2012.05.29)
Excerpt: 三田のキリンビール工場と思っている方が多いようなので、タイトルに神戸工場と書き入れました。
Weblog: アルクノのブログ
Tracked: 2012-05-30 22:54