昨年11月に「篠山自然の会」に入会して以来3回目の報告です。
過去は11月に千ヶ峰へのハイキング、今年1月は丹波竜化石発掘体験でした。
今回はタイトルにあるようにカスミサンショウウオの生息観察で、会のメインテーマである自然の保護を学んでその観察をするということで篠山へ出かけました。
サンショウウオといえば体長1.5mにもなる世界最大の両生類である天然記念物のオオサンショウウオが頭に浮かぶが、カスミサンショウウオは小型で此方も絶滅危惧種だそうです。
日本の固有種で、減反政策による乾田の増加やアメリカザリガニによる捕食などによって個体数は減少中。
絶滅危惧II類に属し、上からCR、EN、UVとある中のUVに分類されます。
日本の中部地方から九州まで広く分布しており、全長は9~13cm。
体側面に入る皺(肋条)は左右に13本(まれに12本)ずつ。尾は体長(頭胴長)よりも短い。背面の色彩は緑褐色や灰褐色、暗褐色で、褐色の斑点が入る。種小名nebulosusは「雲状の」の意で、英名(clouded=雲の)と同義。尾の背面外縁は黄色い個体が多い。
卵嚢は4-8cmの紡錘状(コイル状、バナナ状とも)で、表面には明瞭な筋が入らない。
(ウィキペディアより要約)
さて前置きはこれ位にして、本編のスタートです。
谷上駅前10時待ち合わせで、運転する植物博士さんと山友モクさんの乗った車がほぼ定刻にやってきました。
有馬街道を北上して、三田からR176に入り、篠山に向かいます。
午後1時集合なので腹ごしらえの為、前回同様篠山商店街にある「大手」で、「しし肉うどん」のランチです。
入店すると直ぐ、前回と種類は変えていますが大皿に盛った無料の漬物がやってきます^^)
要領が分かっているので適当量小皿に盛って手前に置きます。
前回撮り忘れたしし肉うどんも紹介します。
味をお届けできないのが申し訳無いのですが、出汁は山椒の効いた味噌味で絶妙のバランス!
しし肉もたっぷりで、千円は安い!
実は朝8時頃、ドライバーの植物博士さんから電話がかかってきました。
早朝より雨が降っていたので「どうしましょう?」と言う事だったのです。
ネットでピンポイントの天気予報を確認していた私は「午後から雨は上がって、曇りの予報なので行きましょう!」と返事しました。
それで神戸から篠山まで来たわけですが、実の所今回は雨の場合中止だったそうです。
小雨決行と思っていた私の大胆発言でした^^;
小雨の中、昼食を終えた3名が商店街を散策。
周辺の観光は前回に実施したので、とあるお店に入ります。
店の前にあった豪華な欄間に惹かれてのことでした。
その横には一材から削り出した花篭も置いてありました。
店内に入るとテーブルにする杉の1枚板があり、
足を付けて23万とあります。
次は世界遺産の屋久杉を材料としたもので更に一桁違います!
木彫りを少し習った経験のある私はこれを見て、口アングリでした!
これで8万5千円は安いのではないのでしょうか(買いませんでしたが^^;)
小さい今年の干支はその十分の一の価格です。
次に屋久杉で作った花台。
高級車が買えるお値段の仏壇。
一番感心したのは惚れ惚れするようなこの虎。
一休さんであれば捉えられるかも知れませんが、生きているかのような躍動感溢れるトラです。
お代は25万!
屋号は縄文屋でした。
車を走らせて現地に向かいますが、篠山のとある学校で午後1時に集合です。
(絶滅危惧種の生息地域を心無いハンターに荒らされては困るので、以後の地理的詳細は伏せます。その点を宜しく御願いします

土曜日とあって校庭では女子生徒が球技の練習試合中でしたが、関係者は誰も居ませんでした。
雨は天気予報通りに止んでいたのですが、中止かもしれないと思って周辺を廻って外へ出ようとすると・・、案内する先生と地元の参加者2名が待っていました。
自己紹介を済ませ、先生から借りた「たも網」を持って
5名が生息地へ向かいます。
ところがその時、顔見知りの女性2名の参加者が乗った車と擦れ違います。
(不審車両ではありませんので^^;)
やや待って、参加者は7名に。
生息地では地元の昆虫専門家さんも待って居られ、結局8名となりました。
偶然が重なって参加者が増えましたが、私達が中止と思ってさっさと帰ると3名だけの参加者だったかも知れません。
地元の方が休耕田をビオトープ(生物生息地域)として提供してくれているので、今回の観察ができるのです、と説明を受けました。
早速先生が何やら見つけたようです。
出来立てホヤホヤのヤマアカガエルの卵です。
これが次第に水を含んで膨張し、卵も大きくなっていきます。
別の所で見つけたものです。
次に動くものがあるということで、
泥を除去してみると、お目当てのカスミサンショウウオでした。
10センチを超える個体で大きい方だそうです。
参加者の手のひらに乗せてみました。
この2枚の写真はオリジナルサイズで掲載しているのでクリックして御覧下さい。
前足が4本で後ろ足が5本の指と聞きましたが、後ろ足が4本指のようです。怪我をして減ったのでしょうか。
人の手に乗せると温度の違いで低温やけどのようになるそうです。
なので、早く泥の中へ帰してあげないといけません。
これがオスなのかメスなのか不明だそうですが、メスが先に来てオスを待っています。
「体側面に入る皺(肋条)は左右に13本」らしきものも確認できました。
先生が手袋の上でひっくり返しましたが、お腹は白くなっています。
まぶたがあるようですが見えるのでしょうか、
夜行性で昼間は泥の中や落葉に隠れているので、眩しい光に面食らっているのかも知れません。
山の直ぐ近くに田圃があるというのが彼らにとって暮らしやすい環境です。
別の個体です。
その近くで卵も見つけました
2箇所からのものですが、通常2本がこのようにあるそうです。
ヤマアカガエルの卵と並べてみました。
やや小さいが、3体目も発見。
冷たい中を元気に動き回っています。
爬虫類だとこうはいきません。
ザリガニの赤ちゃんもいました。
このザリガニが孵化したカスミサンショウウオを捕食します。
ヤマアカガエルの卵の集落?
約10匹が生んだ卵だとか。
先ほどの袋に入れたヤマアカガエルの卵はここに放流します。
観察はこれで終了し、汚れた網を洗います。
赤い矢印を付けたところはエスケープルートで、ここへ落ちたカスミサンショウウオが産卵場所へ行けるようにと後で加工したものです。
説明と案内をしてくださった先生、ありがとう御座いました。
私がお借りした網は泥しか掬えませんでしたが、先生のおかげで貴重なものを観察できました。
今回は会のモットーである「自然を学ぶ事で自然を大切にする心を育む」にも沿った内容でした。
参加者とも別れ、神戸へ向かって帰路につきます。
この記事へのコメント
風子
初めて知りました・・画像のサイズも大きくして見ましたが、ちょっと見、イモリとかヤモリとかにも見えますが、やっぱり山椒魚ですね
オリジナルサイズだそうですが、これ以上は大きくならない種類なんですか・・山椒魚といえばでっかくなるものだと思ってしまいますが・・
木彫りもどれも素敵な作品ばかりです・・田舎の実家に欄間がありましたが、今は欄間のある座敷も少なくなってきてはいますね・・
アルクノ
私も初めて見ました
イモリとあまり変わらない大きさですね。
最初の手のひらに乗っている個体は、先生も大きい方だと言っていました。
餌が少ないと、進化の過程で体型が小さくなるそうで、オオサンショウウオは食料が豊富な所に住んでいると言う事になります。
サンショウウオの仲間は貪欲で、餌がなくなると共食いまでするそうですよ。
欄間は田舎の旅館とか民宿で見るだけです。
職人も少なくなったのでしょうが、手間のかかるものは現代建築に採用されませんね。
この木彫りはレベルが高過ぎて・・、指を銜えて眺めるだけでした。
彩
アルクノ
山と湿地帯が近い所であれば、彩さんお住まいの滋賀県にもいるのではないでしょうか。
ザリガニは生命力が強くて何でも食べるそうですね。
ここまではびこると排除できないみたいです。
木彫りや木工は私も好きですが、こんなものはとても作れません
材料が高価なので、値段も目が飛び出ます。
やまや
アルクノ
休耕田をビオトープとして提供して下さる方が居る、と言うのが今回のポイントでしたね。
保護している方達がそこを掘って水場を作ったり、ルートを確保したりと援助しています。
野外学習で学校の生徒達も手伝っているようです。
サラ&メル
見事な木彫りが勢ぞろいしていましたね。私も篠山を訪ねることがあったら立ち寄ってみたいです。
アルクノ
サンショウウオはこのように人間が保護していかないと、どんどん減っていくようです。
この田圃は山の直ぐ近くにあっていいのですが、その横では開発によるブルドーザーが山肌を削っていました。
代が替わるとこの田圃も無くなるかもしれません。
篠山商店街には色んなお店があって楽しめると思います。
機会があれば是非お立ち寄り下さい。
yoppy702
ボクらは、単に「オオッ!」って感じですけど、アルクノさんでしたら、技術的な素晴らしさも、よりお解りになるんですね。
素朴な質問ですが…トラ(85,000円)の足と台は、くっつけたものでなく、彫ったものでしょうか?
「惚れ惚れするようなこの虎」も、仰るように、生きているようですね。スゴイですね。
カスミサンショウウオって初めて聞いたのですが、メッチャ、可愛いですね。篠山って、自然が一杯ですね。
篠山=イノシシのイメージしかなくって…
「しし肉うどん」、ぼたん鍋のうどん版って感じですか?これは、美味しそうだし、温まりそうですね。
又、篠山のイメージがアップしました。(^^)
アルクノ
85,000円の虎は1本の木から彫った物で、写真を拡大すると足の所で木目が繋がっているので分かると思います。
レリーフの生き生きとした虎は更に素晴らしく、木目も虎の感じに取り入れています。目の部分はたまたまそこにあった節を取り込んでいるのでナイスアイデアです。
私もサンショウウオって聞いた時は、川の中に入って網で掬うものと思っていました。
泥の中から出てきた、この可愛いサンショウウオを守るのは人間の役目だと思いましたね。
「しし肉うどん」は、鍋に近いが具沢山の煮込みうどんと言う感じです。
出汁は見た目濃い感じですが、全部飲み干してもOKで意外とあっさり目です。
兎に角、旨みタップリでお勧めの一品です。
どうぞ篠山を訪れてみて下さい。
KURI
私も息子が小さい頃は、タモ網を持って川や琵琶湖にくり出していろいろ獲りました。ついつい童心に戻っちゃって子どもよりも夢中になっちゃいました。主にテナガエビを獲って、家に持ち帰り唐揚げでいただいちゃいました。
木彫りはこれまたお見事ですねぇ。欄間も凄いですが、虎はきっと何か憑依していそうです。(^_^;)
アルクノ
テナガエビを獲って、家に持ち帰り唐揚げですか、いいですね。
泥で思い出すのは、田舎で小川に入ってドジョウを手づかみで掬い上げたことです。
もうそのような川も無くなりました。
虎のレリーフは売りものにせず、ここにずっと展示しておいて欲しいです。
これを作った方に御願いして弟子入りしたいくらいです。
ぴよっち
オオサンショウウオは 実は私が独身の頃長年勤めてた会社の庭で飼っていたんです。(←もしやこれって犯罪??) 誰かがどこかで捕まえてきて当時70センチくらいあったと記憶してます。
アルクノ
この漬物はほんと美味しかったです。
お金を払ってでも余分に持って帰りたかった、くらいデス。
しし肉うどんは2度目ですが、ここへ来る度に食すると思います。
縄文屋はまるで木彫り展示館のようで、しかも入館無料で素晴らしい木彫り作品が拝見できるのでアリガタイことでした。
レリーフの虎は正確なデッサン力がある上に、作品の艶出しが見事というほかありません!
最後に、ぴよっちさんの問題発言ですね。
オオサンショウウオは特別天然記念物なので捕獲したりする事は出来ません。
しかし昔は食用にしていたそうですよ。
ぴよっちさんが現在200歳で「大昔の話です」と言えば、飼っていた会社の人も全員許してもらえます
ぴよっち
かっぱちゃん
ヤモリみたいでかわいいですね(女性に珍しく爬虫類が苦手じゃないんです ^^;)
いつまでもこんな生き物たちが住みやすい場所であってほしいですね♪
しし肉うどん、おいしそうですね~(^^)
あったまりそう~
無料のお漬物がこんなにいっぱい出るなんて太っ腹なお店ですね。
屋久杉の値札、思わず0を数えてしまいました(^^;)
アルクノ
会社の方達は大事に育てられ、永らえたのではないのでしょうか。
営利目的ではなく、弱っていたものを助けたとすれば勲章物だと思います。
アルクノ
カスミサンショウウオは両生類ですが、参加者もイモリとかヤモリみたいと言っていました。
この辺りも開発が進むと、残念ですが保護されにくくなるかもしれません。
しし肉うどん、これから何度も食する事になると思います。
美味しいんですから~
漬物もかなり美味しいので得した気分になり、店を出るとルンルンです
屋久杉は加工賃は僅かで、材料費が殆んどなのかも知れませんね