秋色の稚児ヶ墓山(2011.11.07)

朝からの強風で山の稜線がくっきりと見えていました。
自宅の裏山、稚児ヶ墓山です。
春夏秋冬何度も訪れている山ですが、今回はその秋味をお届けします。
山あり谷ありで苦難の後^^)幸せの我が家へ戻るハイキング&ウォーキングのコースでもあります。

そのコースは自宅~箕谷小学校~柏尾台住宅地~肘曲り~稚児の墓~双坂池~無動寺~新兵衛石~神戸北町~自宅です。
自宅を10時少し前に出て、箕谷(みのたに)小学校へ向かいます。
その小学校前は秋色街路樹になっていました。
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その向こう、山頂の尖っているのが花折山です。

箕谷城址公園を下ると、交差点です(10:32)。
その交差点を右へ向かうと約20分で神鉄箕谷駅、左へ向かうと直ぐに大滝口バス停があります。
私は直進して柏尾台住宅地を登る。
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右に花折山があるが、左が目指す稚児ヶ墓山です。
この二つの山間にある谷に志久道があり、肘曲りから右に向うと花折山へ通じている。
直進して、尾根へ出て、上り詰めると稚児の墓がある。
山頂ではなく、その稚児の墓へ向かいます。

両脇に建つ豪華な邸宅を眺めながら突き当たりまで緩やかな坂を登ると、大塚山北公園があって、
その右20mほどの所に志久道石柱がある。
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ここが登山口ですが、自宅からここまで丁度1時間です(10:54)。
箕谷駅からだと40分ぐらいでしょうか。
10分登ると荒れた道になる。
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このゴロゴロ道は、敷き詰められていた石畳が崩れてこうなったと知ったが、
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ここを歩き始めて暫く経ってからのことでした。

肘曲りに到着して小休止(11:25)。
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谷に流れる川の源流を辿るように登るが、
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道標はしっかりしているので安心できます。
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この太陽と緑の道、整備に努めるパトロール隊員は27名いますが私もその一人です。
前回歩いた時は古びた道標だったが、その仲間が新しく付け替えてくれていました。
毎年担当コースの変更があり3年間で3コースを担当するが、私も来年か再来年にここを担当するかもしれない。

谷歩きは終わり、ここから急峻な尾根に入る(11:43)。
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2度ほどのアップダウンを経て、目的地の稚児の墓です(12:00)。
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自宅から約2時間でここに立つことができます。

その伝説を知ってか知らずか、木柱の下には子供のおもちゃが置かれていた。
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この下には、秀吉方の軍勢に殺された明要寺(丹生山)に住んでいた稚児達の亡骸が眠っています。
天正7年(1579)、明要寺の僧侶も僧兵も子供稚児までも総て、ひとり残らず葬り去られました。
信長に反旗を翻した三木の別所に味方したとしての焼き討ちと皆殺しです。
なんの罪も無いのに殺された稚児達を哀れに思った村人衆が、見晴らしの良いこの場所にその亡骸を埋めたのです。
絶えることなく花が添えられていたと想像しますが、その花を手折った山が、のちに名付けられた花折山なのです。
過去ログでも紹介していますが、胸が熱くなる伝説だと思いました。

ここで暫く遊んでいた稚児達の御霊は、極楽浄土へと旅立って行ったのでしょうか。
いつものように、安らかにと願いながら、ここで昼食です。

晴れていた空は雲に覆われ、そのことを悲しんでいるかのようでした。
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でも視界は良好で、肉眼でも明石海峡大橋がはっきりと見えます。
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そのズームアップですが、クリックしてご覧ください。
視線をやや左に向けると、
須磨アルプスの向こうには、大阪湾の果ての紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島(地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の総称)の島影が見えます。
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これも拡大させてご覧ください。

淡路島の全景です。
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ここは日本地図規模の眺望が楽しめるポイントなのです。
地図に描かれたその形が標高約600mの場所から確認できます。

山裾に、帯状に広がる田畑と集落は山田の里。
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左方向には、菊水山とぎりぎり鍋蓋山も望むことができます。
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私としては長めで30分強の休憩後、国土地理院の定める眺望のない山頂(596.4m)を通過して、秋色になった急坂下山道に入る。
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その先で崩れそうになっている細い道を歩いたのち、谷筋を下る。
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こちら側も足元を気遣いながら下らなければなりませんが、
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岩だらけの危険道は10分ほどで終わる。
下った先に双坂池があり、
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右に行くと岩谷峠~帝釈山と続くが、左の無動寺へ向かう。
これまた、秋味の国道428号線を下ると、
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暫くして深い渓谷を眺めることになる。
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渡る橋は岩谷橋です。
橋の中央から下を眺めると、目が眩みそうになるのでご注意ください。
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しかし、ゆっくり眺めていると大型ダンプが脇をビュンビュンと走り去るので注意しないといけません。
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ここはコース中お薦めの眺望ポイントで、季節に応じて色合いが変わっていくのが楽しめます。

「淡山洞」と書かれたトンネルを潜って、
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更に進むと右に無動寺への分岐がある。
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下った先の分岐を、舗装路の続く左へ行くと無動寺への小さな道標がある。
登って、ミニ八十八ヶ所巡りの道を下ると無動寺。
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ここにトイレがあります。
小休止して、参道を下ると真新しい手水がある。
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最新式で近づくと水が出るというもの。
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更に下って、新兵衛石の近くまで来ると柿の木だらけです。
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コスモスは撮影に工夫をしたが、立体的に見えるだろうか。
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新兵衛石の角から左へ神戸北町に向かうが、また柿の木。
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ここで一句。
「向かう道 柿の実落ちて 秋の香」
香(こう)は行の意味も込め、私が秋の香りを味わいながら歩いていることを詠んでいます。

バス道に出ると谷寺口バス停があるが、当てにならないくらいに本数が少ない。
そこで、428号線に沿って東へ向かいます。
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川を渡るときに北町のマンションが望める。
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その先の原野南交差点を渡って歩道に入る。
その歩道は行き止まりになっていて再度左へ信号を渡るようになっているが、渡らずに右への階段を上がる。
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振り返ると稚児ヶ墓山です。
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もちろん昼食をとった稚児の墓からもここが見えたはず。

道なりに登っていくと先ほど目印にしたマンションが眼前に迫ってくる。
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やがて車止めのある分岐が右にあって、そこを登ります。
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直ぐ、六甲山系と、
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丹生山系が北町の住宅越しに望めて、
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その位置関係も確認できます。
ここは六甲の裏側になりますが神戸の連山を一望に収めることができる場所なのです。

目指すのは神戸北町のランドマークである、コア・キタマチ。
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その、スーパー・専門店・飲食店が入るビルの前に日の峰2丁目バス停がある(15:06)。
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ここから、箕谷駅~新神戸駅~三宮駅とバスは走ります。
バスは頻繁に来るので時間は気にせずに待っていればいいでしょう。
コア・キタマチ内の軽食喫茶でビールを頂いてから帰路に着くのもいいと思います。

私は北町緑道を歩いたのち、
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再び秋色街路樹を通って自宅へと帰ります。
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最寄りの新幹線駅から、ここへ向かおうとされている方に説明します。
新幹線新神戸駅→地下へ→北神急行新神戸駅=8分=谷上駅(神鉄乗り換え)=2分=箕谷駅下車~(北へ向かった後、県道を西へ、徒歩20分)~冒頭の写真2枚目の交差点となります。
在来線利用の場合、地下鉄三宮駅から谷上駅は10分。
私鉄利用の方は新開地駅から神鉄・箕谷駅は23分ほどです。

帰路は最後にあるバス停からの市バスがオススメです。

この記事へのコメント

  • ケン

    天気も良くて、素晴らしい一句が出来ましたね。
    今度、案内して下さい。
    2011年11月08日 20:33
  • アルクノ

    俳人のケンさんに褒められると恐縮します。
    何時でも案内しますので、声かけ、宜しくお願いします。
    2011年11月08日 21:23
  • 風子

    稚児ヶ墓山の名まえの由来はそういうことだったのですね
    神戸の外れに在住20余年の私には御馴染みかの山里の秋模様ですが、北区は特に気温も低くって、紅葉もすっかり進んでいるようですね・・
    昨年の森林植物園の紅葉を思い出しました・・山歩きにはとても良い季節の到来ですね~~
    2011年11月09日 08:40
  • アルクノ

    風子さん、気持ち玉もありがとうございます。
    大阪では夏日が続いていた11月でしたが、ここへ来て一気に気温が下がりましたね。
    眩しいような紅葉が早く観れることを願っています。
    今年も森林植物園や修法ヶ原池へ撮影に出かけますので、今しばらくお待ちください
    その先の雪山歩きも楽しみです。
    2011年11月09日 09:17
  • KURI

    橋から見下ろす渓谷が素晴らしいです。
    コスモスも立体的に見えてます。(^_^)
    2011年11月09日 14:59
  • アルクノ

    KURIさん、ありがとうございます。
    渓谷とコスモスの撮影にも成功したようです
    2011年11月09日 15:56
  • うらしまおばさん

    木柱の下のおもちゃに哀愁を感じます。おもちゃを置いた人の気持ちが伝わってくるような気がします。
    2011年11月09日 19:25
  • アルクノ

    うらしまおばさん、気持ち玉もありがとうございます。
    今風のおもちゃですが、稚児達にその想いが伝わるといいですね。
    私も、胸が詰まるような気持ちにりました。
    2011年11月09日 19:49
  • yoppy702

    ご自宅から歩いて行けるコースがあるなんて、とても羨ましいです。それも、かなり、楽しめそうなコースですし、眺望も素晴らしい。
    2011年11月13日 01:34
  • アルクノ

    yoppyさん、気持ち玉もありがとうございます。
    私はここを何度も歩いて脚力が鍛えられたので、稚児ヶ墓山には感謝しています。
    丹生山系は交通の便が悪いと言われていますが、そうではないことを最後に説明しました。
    多くの方が訪れてくれることを願っています。
    2011年11月13日 09:06
  • てくてく

    秋色の稚児悲話の山、大住宅街の近くにあるとは、思えない静けさを写真から感じました。
    足許の悪い、ガレ谷の登り下り、お疲れ様でした。
    ^_^ ^_^
                        てくてく
    2011年11月14日 19:17
  • アルクノ

    てくてくさま、気持ち玉もありがとうございます。
    ここは両手両足の指ではとても足らないほど登っているので、大丈夫です。
    雪山になった時はちょっと危なかったですが
    最初登った時はこれ以上に、
    見晴らしが良すぎて感動しました
    2011年11月14日 19:37

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Tracked: 2011-12-08 18:11