9月から10月にかけて、5種類の護身用ナイフを作ったがその作品に塗装を施しました。
タイプごとの機能に合わせて塗装も工夫してみました。
護身用ナイフ其々の制作意図や使用目的に興味のある方は右のブログテーマ「護身用ナイフ」または「手作り」をクリックして御覧下さい。
色んな木工作品の塗装としても参考になると思って紹介します。
まずこの2本で塗装の手順を説明します。
ハンドル部分に着色する。
着色剤は水性オイルステインのオールナット(メーカーはワシン)。
上は凸凹仕上げにしているので、塗装後は直ぐ布で擦って木肌の感じを残した。
下は滑らか仕上げなので、乾燥後に爪で引っかいたり布で擦ったりして風合いを表現しました。
次にブレード部分に「との粉」塗装をして表面の小さな穴を塞ぐ。
との粉を水に溶かしたものに膠(にかわ)を適当量混ぜると定着力が増す。
まだ湿っているうちに乾いた布で拭きあげて、との粉を擦り込み、また表面にある余分なとの粉は綺麗に落としておく。
細かい部分は不要になった歯ブラシで擦ると良い。
ハンドルは水に溶ける粉末顔料が染みているだけなので、その上に透明漆を塗る。
薄め液(シンナー)で2~3倍に薄めたものを軽く2回塗装する。
乾燥時期には塗液が寒天のように固まりやすいので翌日には繰り越せない。
よって、必要量だけ薄めて使用後残ったものは廃棄する。
次に仕上がった物です。
最初の作品は「猪対応」のナイフ。
ブレード部分ですが、色は「クロム」のメッキ調スプレーで塗装する(メーカーはアサヒペン)。
クロムメッキしたように仕上がる、と言う触れ込みです。
容量は300mlで998円でした。
噴霧する際にはハンドル部分との境界にマスキングテープを貼って、ハンドル全体はポリ袋などで覆うといいでしょう。
同じ要領で
Type2の「熊対応」です。
ブレードの背です。
ハンドル部分は滑らか仕上げなので、へこんだカーブでグリップ性を高めています。
百均のシルバースプレーよりはスチール感が出せると思います。
Type3は「痴漢撃退」用。
大部分の女性が大好きなゴールド仕上げにしました。
その裏側です。
バッグに忍ばせておくと金粉が付着するかもしれないのでご注意下さい。
次にType4です。
見かけはファイルオープナーだが、用途は「セクハラ上司撃退」用。
着色したあと透明漆を塗って、どじょうが泥の中から這い出てきたような感じにしました^^;
度重なる残業或いはその上司に対する恨みなのか、目が虚ろで血走っています。
この尻尾でチクリと刺された上司は反省することでしょう。
最後のType5は「家族を守る」為の大型ナイフで総金属製風としました^^;
賊が入ってきたとき、この手元部分で突っつくだけでかなり痛がると思います。
それでも向かってきたときは鋭利な切っ先で一発かますことになりますが、過剰防衛にならないように気を付けて下さい。
薄暗がりの中で見ると相手もビビルと思います。
木工細工の心得のある方なら簡単に作れると思いますが、制作手順は過去ログで説明しています。
何処にも売っていませんので、日頃の心配や心当たりのある方は自分で作られ、各用途に合わせてご使用下さい。
この記事へのコメント
yoppy702
塗装すると、こんなにも変わるんですね。
写真で見ると本物かと思います。
刃物を見ているゾクゾク感がありました。
とても素晴らしい作品だと思います。
アルクノ
私も結果を見て、塗装した方が見栄えが良くなると思いました。
このメッキ調スプレーは優れもので、これからもご登場して頂くかもです。
高価なカスタムナイフが自分好みに作れるので、挑戦される方が増えればいいなと思っています。
風子
見事なもんですね・・これなら、どこから見てもホンモノなナイフ・・
車の中なんかに入れておくとヤバイって感じに見られちゃうじゃないですか
ただ、細かい作業のようですから、なかなか難しそう・・と不器用な私なんかは思ってしまいます~~
KURI
芸術作品です。
yoppy702 さんがおっしゃるように、刃物の部分は見ていてゾクゾクしちゃいます。
アルクノ
そう思って頂くと嬉しいですね。
でも、カメラマンとしての腕も入っているので近くで見ると作り物であることが直ぐ分かります。
硬い木を削るので根気がいりますが、方法は簡単なんですよ。
アルクノ
芸術作品になっちゃいましたか。
でも、とてもそんな代物ではありません。
要領が分かっちゃうとスイスイ作れます。
ぴよっち
塗装を施すということ自体にも驚きましたが それぞれのナイフにおいて各部位に適したやり方と塗料を用いた点に更に感心しました。 本物そっくりに仕上げることに重きを置くのではなく それぞれの魅力を引き出すアルクノさんの感性が素晴らしいと思います。
アククノ
私の制作意図を理解していただいて、褒めてもらっちゃって、嬉しく思います。
私は、ぴよっちさんの泉のように次々湧き出るアイデアと作品に込められた感性の方が更に素晴らしくて、羨ましく思っています。
次回作は何時になるか分かりませんが、皆さんのコメントを今後のエールととらえて頑張りたいと思います。