今年で第41回だそうです。
毎年みなと神戸の夜空を彩る豪華絢爛な光の祭典に堪能していますが、本格的に花火の撮影に挑戦するのは初めてのことです。
約1万発打ち上げられるそうですが、そのうちの何発かはうまく撮れたでしょうか。
撮影の失敗例やその工夫も交えながら、この花火大会を実況中継風に伝えたいと思います。
写真はクリックすると大きくなります。
ネットで「花火の撮影」と検索して大体のことを頭に入れ、カメラの説明書も読んで出かけます。
ザックに入れたのは35-105mmズームを取り付けたデジ一眼、三脚、折りたたみ携帯椅子とビニール敷物です。
阪急三宮駅で下車して南へ向かう。
まず、花火の撮影には便利と説明書にあったリモートスイッチを購入する為、家電量販店に入ります。
調べてもらうと2100円で手に入るそうだが、生憎「お取り寄せです」と言われてしまう。
購入は断念するが、結果的にはこれで良かった。
スポーツドリンク持参を忘れたので、市役所手前の自販機で手に入れる。
その市役所前には「花火会場シャトルバス」なるものが止まっていたが、無視して更に南の陸橋を渡る。
陸橋を渡った先に神戸税関があり、その南、海に突き出ているのが第三突堤です。
その突堤の先端が私の撮影ポイントになります。
海が見える所まで来ると簡易トイレがあり、用を済まして三脚設置場所に向かう。
到着したのは6時前で、あと2時間弱待つことになる。
明るいうちに撮影場所の説明です。
私は2列目ですが最前列でなくとも花火は空高く打ち上げられるので、周りの人達はあまり撮影のさまたげにはなりませんでした。
西方面ですが、写真中央は高取山でその右にハーバーランドのビル群。
東にはポートターミナルがあり、そこからポートアイランドに架けられている神戸大橋が直ぐ近くで大きく見えます。
突堤の右方向には花火を打ち上げる台船が目の前にあります。
誰も乗ってはおらず、それこそリモートスイッチで打ち上げられるのでしょう。
その右にも台船があり、更に奥には連続打ち上げ花火のスターマインが設置されています。
7時を過ぎて薄暗くなってくると、海上から花火を眺める為の遊覧船が次々と出帆します。
通常は神戸港を遊覧する船ですが、この日に限っては少し沖で停泊して花火鑑賞船となります。
カメラを三脚に固定して、折りたたみ椅子に座り、イルミネーションが点った観覧車を撮ってみる。
観覧車はこのあと花火打ち上げ直前までカラフルに変化して観客を楽しませてくれます。
私の右に立っている少女と周りに座っている人達で、カメラ位置が分かるかと思います。
この時カメラの水平をチェックしたつもりですが、撮影中、画面がやや右肩上がりに傾斜しているので固定が甘かったのでしょう。
カメラ本体の設定ですがマニュアルにして絞りは5.6でISO感度は100。
シャッターはBULBで、押している間だけ開放ということになります。
レンズ側もマニュアルにして距離は無限大に固定します。
7時40分に開始ですが最初の数枚は失敗し、これはその4分後。
左右の台船から同時に打ち上げられています。
カメラ目線の移動ですが、大玉などが打ち上げられる対処としての(高さの違いによる)上下移動だけではダメです。
打ち上げる台船が離れているので、左右にも振らないといけません。
更にスターマインは遠いのでズームアップも必要になります。
それらを瞬時に動かし、花火が開く場所を想定して固定し、シャッターボタンを押すと言うことになります。
腕が4本くらいあれば可能かもしれませんが、リモートスイッチを手に持って操作することなど出来ないと感じました。
あくまでも、初心者向けになりますがその操作方法を説明します。
まず、右人差し指は常時軽くシャッターボタンに乗せておきます。
左手によるカメラ目線の移動と固定は、三脚を持っている人であれば分かると思いますが、上下移動の(先端にネジの付いた)シャフトハンドルを持って自在に動かして
クイッと捻って固定する。
左右に動かす回転軸はフリーなのでここに工夫が必要です。
回転軸を固定するネジがありますが、ユルユルにしないでやや硬めにするのです。
回転させるのに少し力が要る状態にしてグラグラにはさせないということです。
何度も動かすうちに緩んでくるので余裕がある時間帯に微調整します。
ズーム操作は右手をシャッターボタンから離してその都度行なうということになります。
右眼はファインダーを覗いたままですが、両目を開けて花火発射地点の移動など周囲にも目配せする。
撮影状態を確認する為、映し出されるモニターも時々見ます。
帰宅後の確認では遅いので、露光時間の長さやそのタイミングがこれでいいのかとモニターを見て確認します。
以上のことは、打ち上げ開始の7時40分から終了した8時30分の間で練習しながら会得したことでした。
左にある手前の台船から打ち上げられた花火には半月が写り込んでいます。
その半月の写り具合や明るさで、カメラの固定状態と露光時間が推察できます。花火の中央に光る点があるのは、花火が開く直前からシャッターボタンを押していると言うことです。
玉が爆発する瞬間からの露光時間は1秒くらいでしょうか、勢いよく放射状に伸びています。
以後の露光時間は殆んど1秒弱から2秒くらいのものです。
これは一瞬に終わる花火の寿命の後半部分で、消え入る前のものです。
下にある煙は直前の花火のものでしょう。
次に登場は色の変化する花火で、
これは2色の発色玉を仕込んだもの。
3色のものもありました。
大きな線香花火のようですね。
ハート型の花火ですが、
空中で宙返りするのか、そのように仕組まれているのか、逆さハートもありました。
同時に開く花火はその到達点を微妙に変えており、見事と言うほかありません。
カメラ目線を水平移動させて仕掛け花火を撮っていますが、回転軸がユルユルなのか地表面の明かりが水平に動いています。
その上方、ズームアップで撮影。
今度は手前の台船から大玉が打ち上げられます。
広角側の35mmにしても画角からはみ出るので全体を写すには私が後退しないと、ですが、見る人に大きさを伝えるにはこれでいいかもしれません。
その1分後、また水平移動ですが、
今度はネジの微調整で横ブレが抑えられているようです。
以上の説明を踏まえて以下の花火も御覧ください。
中盤のクライマックスですが、一斉にドンパチと打ち上げられます。
これは1秒くらいでしょうか、露光時間が短いのでお月様が暗いです。
次に2秒くらい。
その更に倍の露光時間になると、花火だかなんだか分からなくなります。
同時に沢山打ち上げられる場合はこまめに区切った方が良いということになります。
この二つは花束を表現しているのでしょうか。
花火の中の花火からススキが伸びています。
単発花火であれば、露光時間を長くした方がこのように色の変化などが写り込んで綺麗になります。
これは変り種花火ですね。
二つの台船から同時に打ち上げられる花火を撮ってみました。
前半のラストです。
(20:12)
文字数の関係で後編は翌日と言うことになりますので、宜しければ其方も御覧になって下さい。
この記事へのコメント
讃岐の三太郎
アルクノ
夏と言えば花火です。
私の子供の頃は須磨海岸で、その後須磨離宮公園でも花火大会がありました。
大阪の淀川花火も同じ日に重なってしまって残念なことでした。
明日は更に見事な花火が登場します。
風子
自治会の掲示板や神戸の広報で、花火大会があるのは毎年見てますが、夜のお出かけは躊躇してしまうお年頃になってしまいました
花火撮影は難しいと聞きますが、本格的なカメラだと綺麗に撮れるもんなんですね・・というかアルクノさんの腕が良いからでしょうが・・
私は家から近い花火大会といえば農業公園の花火でしたが、それも、もう随分前からやってませんものね。。神戸市のお隣三木市の花火大会もありますが、車が混むことを思って行ったことがないんですo(^▽^)o
アルクノ
夜のお出かけを躊躇するナイーブなお年頃になったのですね。
大混雑も悩みの種ですもんね。
この撮影場所は海に近くてそよ風が気持ち良く、また何故か蚊もいなくて快適でした。
撮影ですが、このような近くで撮る場合は迅速に操作することが何より求められると思います。
この時は250枚でしたが、数多く撮ればましな写真もゲットできると思いますよ。
たそがれ清兵衛
色とりどりの鮮やかな花火を撮られています。
神戸大好きな街です。
生田神社脇の「モントレ神戸」に何回も宿泊しました。
海をわたるそよ風の中で海上に上がる花火見物!
行きたくなりました。
アルクノ
私も神戸大好き人間です。
食べるにも、遊ぶにも、山に登るにもいいところです。
来年は是非神戸の花火を見に来て下さい。
後編も、どうぞ御覧になって下さい。
yoppy702
初心者だったのですが、このように、
データーなど気にせず、撮っていましたので、
こちらの記事を読ませて頂いて感心しました。
色々とトライされながも、綺麗に撮ってらっしゃいますね。本格的な花火が初めてには、とても見えないですね。
ボクも、リモートスイッチは持って行きましたが、
結局、使いませんでした。
これから、後編へと進ませて頂きます。(^^)
アルクノ
実際にやってみての感想ですが、花火撮影の楽しさが分かりました。
操作方法はフイルムカメラの基礎知識があったので、ということもありましたが、現場で練習すればこのように誰でもできると思います。
これを参考にして、花火の撮影に挑戦する人が増えればいいな、と思っています。
yokkosan
アルクノ
この時、特に前半は無我夢中でした。
ちゃんと映っているかどうかも分からず、シャッターボタンを押しながら1,2と数えていた状態です
でも、間近で見ると音と迫力が凄かったです。