https://arukuno.seesaa.net/article/201010article_1.html
それを進化させ(?)、スケルトン(骨組み)状態になったサイコロを作った。
その制作過程について説明します。
実は最初から作るのは面倒と言うことで、以前作った虫食いのサイコロを使用した。
そのサイコロは百均で購入した材料で作ったものです。
おさらいですが、
「三」や「五」の「一」に近い穴と真ん中の穴は「一」の大きな穴に繋がっているが、
夫々下の穴は「六」の面と繋がっていて二層構造になっていた。
「二」や「四」の面についても同様で、それで、虫食い状態を表現していたわけです。
彫刻刀で大きな「一」の穴を彫り進むが、今回の制作にあたっての注意点は、
貫通させて自らの手まで彫ってはいけないということです。
万が一、彫刻刀が貫通したとしても大丈夫なようにサイコロを保持しなければなりません。
ということで、木の板の作業台があれば便利。
彫り進むと上から「六」の目が見えてくる。
「六」の面の内側を平らにするのがやや難しいが、細い鑢を六の面に近い穴から突っ込んで削ります。
しかしこれがかなり時間のかかる作業でした。
強度が保てるように内側の角部分は、まぁるく残してしておく。
彫刻刀と鑢を使用して各穴が直進するように滑らかに削り、穴の内側も鑢で軽く面取り(角を丸く)する。
削り終えたスケルトンさいころだが、どの面からも見通しが良くなっています。
大きさですが、私の手の平に乗せてこうなります。
(この時はまだ少し寒かった。)
次に木の細かい穴(導管)を埋める為「との粉」塗装を施す。
との粉を水で溶くが、少し膠(にかわ)を混ぜると接着力が増して擦り込ませやすい。
まだ生乾きの状態の時に、乾いた布で擦り込むように拭いていく。
内側は不要になった歯ブラシで擦ればいいでしょう。
微細なとの粉を吸い込まないよう、作業はベランダなど屋外で行うのが良い。
3度その「との粉」塗装を施したのち、手で触っても粉がつかない程度に拭き上げる。
直ぐ仕上げ塗りに入っても良いが、まだ細かい凸凹があるので「うるし下塗り液」でそれらを隠すように塗装する。
これには水性ウレタン樹脂塗料です。
これで仕上げとしても別にかまわないのだが・・。
塗膜がより固い漆を上塗りとするが、今回は「鎌倉赤」を使用する。
これは木工によく似合う色なのでお勧めです。
以前の木彫りの塗装でも説明したが、漆塗りは何度も塗り重ねるのがコツです。
また使用する筆は良くしごき、抜けた毛が塗装面にへばり付いたりしないようにしなければならない。
うすめ液は有機溶剤なので換気に気を付けなければならないが、寒い冬に窓を開けるのはイヤということで、
春になりました。
筆の穂先に塗料を少量付け、それを広げるように塗っていく。
流れ落ちるようであれば付け過ぎなので、一旦拭き取ったのち塗り直す。
水平に塗ったのち垂直に、また「六」の面を下にして塗ったのちには「一」の面を下にして塗れば大体均一になります。
乾いては塗り、乾いては塗り、を繰り返すことになるので、これも日数のかかる作業です。
ですから、塗装はある程度作品が溜まってから実施するのがいいでしょう。
(着色が違う場合は、筆と容器を必要数用意して間違えないように塗ればいい訳ですが、最近作った一連の作品もそうした。)
完成です。
最後に一の目を上にして、四方向から中を覗くようにして撮影した。
サイコロの目は算数の基本のような気がしています。
小さなお子様やお孫さんのために作り、1から6までの数字の加減を教える、というのはどうでしょうか。
サイコロを見せながら、対面の数字を足すと7になり、7から4を引くと3という風に・・。
このようにスケルトンにすればそのことが教えやすいと思うのですが。
暖かみのある、手作りおもちゃとしてもお勧めです。
この記事へのコメント
ふぉるま
こういうの大好きです
思いつきも素敵!
鎌倉彫を彷彿とさせる鎌倉赤 シブいです
たくさん穴を彫って削って塗ってと とても大変そうですね
我が家の男衆はサイコロ大好きで たくさん持っています
次男は小さい頃からソロバンやサイコロで随分遊びました
数学の道へ進みたいと思っているようです
アルクノ
この記事にも初コメント
ふぉるまさんに気に入って頂いて、このサイコロも喜んでいると思いますよ。
細かい作業で、仕上げるまでが大変でしたが、
私の場合、時間がタップリとあるのでダイジョウブでした
ふぉるま家の男性はサイコロ収集家でしたか!
かなり、マニアックな趣味ですね。
私はこれ一個デス
幼少よりサイコロで遊んで数学の道へと進む。
この事は予想はしていましたが、
ふぉるま家の御子息様がそうだったとは、予想外でした。
驚きです!
私も子供の頃サイコロで遊んでいましたが、このような状態です
御子息様の成長が楽しみですね