義経の足跡を辿って・前編(2010.09.24)

丹生山から鵯越の逆落しに向かった義経はどのような道を進んだのか、その足跡を辿ってみました。

「北神戸丹生山田の郷」では、
http://www14.plala.or.jp/niu_yamada/yoshitsu.htm
主な論点をコミカルに記述している筒井康隆の「こちら一の谷」を引用しながら、鵯越の逆落としに向かう義経が進軍した経路について詳細に説明している。
その道程は京都~綾部~篠山~三草山(兵庫県加東市社町)~淡河(おうご)~衝原(つくはら)~藍那~鵯越としている。
別ルート(山陽電鉄営業マンの宣伝する説)としては藍那~白川~多井畑~鉄拐山~須磨一の谷がある。
須磨一の谷であれば逆落しとなるが、鵯越ではなだらかな坂落しとなる。
もし須磨一の谷として、そんなに急な坂を下ってまともに平家軍と戦えるのでしょうか。
しかもたったの七十騎。
馬が転倒骨折などで更に少数となり、平家軍に全滅させられる可能性はないのでしょうか。
その一の谷についてもこのような説がある。
兵庫歴史研究会会長、梅村伸雄氏によれば
「一の谷合戦に登場する一の谷は、鵯越の麓、つまりJR兵庫駅と会下山の麓に展開していた大きな湖で、湊川が流れ込み、その湖からまた湊川となって和田岬より海に流れ出ていた、川と湖が美しいために一の谷と名付けられた谷である。
 800年前の一の谷の姿を知らない多くの作家が、江戸時代に忽然と現れた須磨の一の谷を合戦の舞台と思い、様々な小説を書かれているが、一の谷の設定がそもそも間違っているため、いずれの小説も一の谷合戦の真相に迫っていないのは誠に残念である。
 神戸には、鵯越と須磨の一の谷とが8キロの距離を隔てているため、逆落しは鵯越か一の谷か、と言う論争が延々と続いているが、一の谷合戦当時、平家の総大将宗盛が鵯越の麓にある大輪田泊にいたことと、安徳天皇と三種の神器を擁した御座船も同じく大輪田泊に泊っていたために、この本陣目掛けて鵯越の逆落しが行われたのであり、論争の元は一の谷の所在の間違いに始まる。
 したがって、ここにその所在を明らかにし、いにしえに語られた文献通り、逆落しは鵯越の麓で行われたことを論証すると共に、義経の戦略がいかに素晴らしいものであったか、また義経が一番誇りに思ったであろう一の谷合戦の実像を、古記録を忠実に辿りながら語らせていただく。」
とある。
興味のある方は以下をクリックして、その先もお読み下さい。
http://www.geocities.jp/s9y5n8n/

梅村伸雄氏の説によると、義経は三草山から三木の三津田(三木総合防災公園の近く)を通り、衝原~シビレ山~丹生山~藍那古道~相談ヶ辻~高尾山~鵯越と進軍したであろうと述べている。
衝原から谷筋を通って藍那古道に向かわなかった理由として、
現在は呑吐ダムでせき止められた衝原湖があるが、当時は深い谷がそこにあり平家軍に見つかると逃げ場がない或いは行動が知られて平家本陣に伝わる可能性があります。
隠密行動を取る義経としては裏道を行かざるを得ず、シビレ山~丹生山に向かったのであろうと述べている。
実際、義経道と呼ばれる古道が今に残る。

三木総合防災公園を眺めながらシビレ山~丹生山と先日私が歩いた様子は、以下に。
https://arukuno.seesaa.net/article/201009article_5.html

上記ルートの内、丹生山から鵯越までの道程は、過去経験した道筋を繋いで私のアイデアも加えれば良いだけなので実行することに。
コースは神鉄・箕谷駅バス停=市バス=丹生神社前バス停~表参道~丹生山~義経道~サイクルセンター~神出山田の自転車道~山陽自然歩道~丹生神社前バス停~藍那古道(義経道)~相談ヶ辻~星和台住宅地~鵯越墓園(高尾山)~鵯越駅~ひよどり道~滝山町バス停~神鉄・丸山駅です。

ルートは逆行しているが、鵯越墓園の様子については此方に詳細を記しています。
https://arukuno.seesaa.net/article/201009article_2.html

この梅村伸雄氏も逆落しにはこだわっていて、西神戸自動車道の滝山町バス停から直ぐ北にあるトンネル入り口の上の急坂を逆落しの場所としています。
常にオーバーな表現をするのが歴史物語。
鹿が通っていたかも知れないが、私は安全な所を選んで下ったのではないかと推察しています。


さて前置きはこれくらいにして、
箕谷駅バス停9:52発衝原行きに乗車して、丹生神社前バス停10:08に下車した私は、
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またお地蔵さんに挨拶して(毎度どうも)、
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山道に入り、延命地蔵尊にも頭を垂れ、
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表参道を歩いて丹生山に登る。
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スタート地点の義経道に向かうためである。

義経は三津田から裏道を通る為にシビレ山に向かうが、土地勘が無く道に迷った。
「この時、武野の国の住人別府小太郎清重という若者が、父親から聞いた道に迷った時の策を義経に告げた。」
と梅村伸雄氏が述べている。
その道を後の人が義経道と名付けたそうです。

丹生神社から下ると鳥居の直ぐ下に、表参道と別れて箱木千年家へと下る義経道がある。
ここから200mほど登ると丹生神社だが(私は神社には向かわず)左、道標にある箱木千年家へ下る(11:04)。
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かなりの急坂を下るが、
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麓の辺りは虫が多く、蜘蛛の巣もかなりある。
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下ると「つくはらサイクリングターミナル」の裏に出る。
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トイレもある休憩所。
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その近くで昼食にする(11:50~12:15)。

ここからは古道が無いので私が道案内することになるが、
当時は谷合であったであろう自転車道を進む。
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山田川の谷は終わって視界が開けると、
自転車道と別れて左の山陽自然歩道に入る。
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現在も住宅が立ち並んでいるが、多分義経は木立のある麓を進んだのであろう。
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丹生宝庫を上に見て、右へ下り、
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私のスタート地点、丹生神社前バス停に進み(12:42)、
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直ぐ近くの押しボタン式信号から、藍那古道へと向かう。
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梅村伸雄氏によれば
「鵯越に向かう藍那古道の入口には、山田の鷲尾が待ち受け、ここから生年17歳の武久が鵯越まで嚮導することになる。」
とある。

この農家の手前、左に進む細い道が藍那古道へと続く道。
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ここからは古(いにしえ)の道・藍那古道。
その様子をご覧下さい。
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廃車がある処から下りになり、
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藍那古道は終わって、
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農道へ出て(13:36)、
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藍那小学校へと向かう。

この続きは後編へ
https://arukuno.seesaa.net/article/201009article_9.html

この記事へのコメント

  • 遊子

    義経が進軍した経路を2人の意見を調べ
    そして、歩いているアルクノさんの時代考証。
    で、実際に歩いてみる。
    しかも、詳細な写真入り!
    素晴らしい日記になってます。
    勉強できます、知識も増えます♪
    興味深く読ませて貰いました(*^^)v
    2010年10月01日 09:20
  • アルクノ

    歴史に興味を持っているという、遊子さんにも楽しんでもらえた様ですね。
    ネットで調べて、歩くプランは練っていましたが、私の体力が体力がやっと追い付いた、
    という次第です^^;
    2010年10月01日 09:55

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